雛僧こぞう)” の例文
暴風雨のために準備したく狂いし落成式もいよいよ済みし日、上人わざわざ源太をびたまいて十兵衛とともに塔に上られ、心あって雛僧こぞうに持たせられしお筆に墨汁すみしたたか含ませ
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
やがて汽船の傍に漕ぎ寄せて老僧は雛僧こぞうさんに扶けられて船に乘り移り、私もそのあとから續いて乘つた。雛僧さんが手荷物を老僧に渡して歸つてゆくと、一等室には老僧と私と二人きりである。
湖光島影:琵琶湖めぐり (旧字旧仮名) / 近松秋江(著)
暴風雨のために準備したく狂ひし落成式もいよ/\済みし日、上人わざ/\源太をび玉ひて十兵衞と共に塔に上られ、心あつて雛僧こぞうに持たせられし御筆に墨汁すみしたゝか含ませ、我此塔に銘じて得させむ
五重塔 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)