子僧こぞう)” の例文
この歌をうたって山の近くでたき火をしていると、一寸法師いっすんぼうし子僧こぞうが火にあたりに山から飛んでくる、というのです。
お山の爺さん (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
手紙てがみをおいまに三かわやの御用聞ごようききがるだろうから子僧こぞう使つかひやさんをせるがい、なんひと孃樣ぢようさまではあるまいし御遠慮計ごゑんりよばかりまをしてなるものかな
にごりえ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
その時、子僧こぞう二人ふたりで穴蔵の方へ案内して、浪士に渡した金が一万両の余ということさ。そういうやり方だ。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
其れから東京では正直な人を得難いことをかこって、誰か好い子僧こぞうはあるまいかなぞ折から居合わした懇意の大工に聞いて居た。彼女の話の中に一つ面白い事があった。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
三の子僧こぞうが居るです。
チベット旅行記 (新字新仮名) / 河口慧海(著)
間もなく、奥の部屋から二三人の子僧こぞうが出て来て、表の戸締りをして、電気を消して、また引っ込んでいきました。
不思議な帽子 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)
酔っぱらいの男や商店の子僧こぞうなどから、野良犬だといっておどかされたり追っぱらわれたりしますし、巡査じゅんさががちゃがちゃ剣を鳴らしてやって来たりするものですから
不思議な帽子 (新字新仮名) / 豊島与志雄(著)