小厮こぞう)” の例文
お高の眼は物置と庖厨かっての間になった出入口へ往っていた。と、十七八の色の白い小生意気に見える小厮こぞうが土蔵の鍵を持って来た。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
稲荷のほこらの傍には岡持おかもちを持った小厮こぞう仮父おやかたらしい肥った男が話していた。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)
その時右のはしの土蔵の口が内からひらいて、お高と小厮こぞうの平吉がひょこりと出て来た。広巳の体はお高の前にあった。夢中になっている広巳の眼にもすぐお高の姿が映った。広巳はお高に走りかかった。
春心 (新字新仮名) / 田中貢太郎(著)