童子わらべ)” の例文
蹴殺けころし給ふべしと呪咀しゆそしけるに七日目の明方あけがた十歳ばかりの童子わらべかみ乘遷のりうつり給ひこゑあららげ我が本覺ほんがく眞如しんによの都を出で和光わくわう同塵どうぢんあと
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
おそれながら御前ごぜんさまはお大名だいみやう御身おみりながら、お月さまとおほせられましては、小児せうに童子わらべことにて、歌俳諧うたはいかいにでも月は月で事はますやうぞんじます。
昔の大名の心意気 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
蒟蒻閻魔こんにやくえんまの堂に近い某街ぼうかいを過ぐる時、篛笠たけのかはがさを被つた童子わらべが一人背後うしろから走つて来て、蘭軒と並んで歩いた。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
露西亜ろしあよりのがれ来れる童子わらべらもはざまの滝に水あみにけり
つゆじも (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
わが家の門べに童子わらべひとりたたずめり。
忘春詩集:02 忘春詩集 (新字旧仮名) / 室生犀星(著)
(豊年童子わらべの武やんは強い)
宮本武蔵:02 地の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
汝の手を童子わらべより放て
(新字新仮名) / 太宰治(著)