子供こども)” の例文
むかし、金太郎きんたろうというつよ子供こどもがありました。相模国さがみのくに足柄山あしがらやま山奥やまおくまれて、おかあさんの山うばといっしょにくらしていました。
金太郎 (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
まちなかで、かごからひばりをして、みんなにせながら、あめをおとこがありました。そのおとこると、あそんでいる子供こどもたちは
ひばりのおじさん (新字新仮名) / 小川未明(著)
よ、愚劣ぐれつな×(2)に対してこぶし子供こどもらを、かほをそむけてのゝしをんなたちを、無言むごんのまゝ反抗はんこう視線しせんれつきつけるをとこたちを!
ながされるのは、たしかにやせたひばりの子供こどもです。ホモイはいきなり水の中にんで、前あしでしっかりそれをつかまえました。
貝の火 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
老人としより子供こどもだから馬鹿ばかにしておもふやうにはうごいてれぬと祖母おばあさんがつてたつけ、れがすこ大人おとなると質屋しちやさして
たけくらべ (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
日本につぽんにもよしちひさくとも、こゝかしこに考古學こうこがく博物館はくぶつかんてられてあつたら、このドイツの少年しようねんのように熱心ねつしん子供こども出來でき
博物館 (旧字旧仮名) / 浜田青陵(著)
どこまでも執着しゅうじゃくつよわたくしは、自分じぶん家族みうちのこと、とりわけ二人ふたり子供こどものことがにかかり、なかなか死切しにきれなかったのでございます。
彼女かのぢよ小使部屋こづかひべやまへとほりかゝつたときおほきな炭火すみびめうあかえる薄暗うすくらなかから、子供こどもをおぶつた内儀かみさんがあわてゝこゑをかけた。
(旧字旧仮名) / 水野仙子(著)
子供こどもには、はなしたあとでいろ/\のことはれて、わたくしまたむことをずに、いろ/\なことこたへたが、それをこと/″\くことは出來できない。
寒山拾得縁起 (旧字旧仮名) / 森鴎外(著)
足音あしおとつたのに、子供こどもだらう、おそもなく、葉先はさきうきだし、くちばしを、ちよんとくろく、かほをだして、ちよ、ちよツ、とやる。
木菟俗見 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
子供こどもたちはとおくへいき、「もういいかい。」「まあだだよ。」というこえが、ほかのものおととまじりあって、ききわけにくくなりました。
花のき村と盗人たち (新字新仮名) / 新美南吉(著)
自分じぶん同年齡おないどし自分じぶんつてる子供こどものこらずかたぱしからかんがはじめました、しも自分じぶん其中そのかなだれかとへられたのではないかとおもつて。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
なにかねがあるばかりぢやない。ひとつは子供こどもおほいからさ。子供こどもさへあれば、大抵たいてい貧乏びんばふうちでも陽氣やうきになるものだ」と御米およねさとした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
またあきになつて、まち夫婦ふうふ去年きよねんとおなじやうに子供こどもてるとき食後しよくごなどは、しみ/″\と故郷こきやう追憶つひおくにふけるのであつた。
追憶 (旧字旧仮名) / 素木しづ(著)
それはおぢさんが貧乏びんぼふなために、金持かねもちのやうに大切にしてやられなかつたからだ。だがおぢさんにはまだ二人ふたり子供こどもがある。
赤い旗 (旧字旧仮名) / 槙本楠郎(著)
どうしたはずみからか、その袖子そでこ金之助きんのすけさんをおこらしてしまった。子供こども袖子そでこほうないで、おはつほうへばかりった。
伸び支度 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
猟人かりうど鸚鵡あうむがゐないので「おまへはどこへいつた」とひますと、鸚鵡あうむ子供こどものポツケツトのなかで「わたしはこ〻にゐる」とこたへました。
われ/\は子供こども時分じぶんにはをしへられた。最初さいしよ地震ぢしんかんじたなら、もどしのないうち戸外こがい飛出とびだせなどといましめられたものである。
地震の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
ふくろはおしなをまだ子供こどものやうにおもつて迂濶うくわつにそれを心付こゝろづかなかつた。本當ほんたうにさうだとおもつたときはおしなもなくかたいきするやうにつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
それがいけないので、わつし子供こども時分じぶんから、人の見てまいでは物ははれない性分しやうぶんですから、何卒どうぞかへつて下さい、お願ひでございますから。
黄金餅 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
結婚後は子供こどもが出来たり家政の事に追われたりしてなかなか思うように勉強も出来ないと段々説き付けてようやくお代先生の両親を納得させた。
食道楽:冬の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
母親は病気で長い間とこについたきりでしたし、そのうえにまだはたらくことの出来ない二人の子供こども——六つの女の子と八つになる男の子があり
神様の布団 (新字新仮名) / 下村千秋(著)
子供こどもあたまには、善良と馬鹿とは、だいたい同じ意味いみの言葉とおもわれるものである。小父おじのゴットフリートは、そのきた証拠しょうこのようだった。
ジャン・クリストフ (新字新仮名) / ロマン・ロラン(著)
「しつ、あななかたまごみつけてゐるんだよ。そしてね、來年らいねんはるになつてたまごがかへると蜘蛛くもはち子供こども御飯ごはんになるのさ」
画家とセリセリス (旧字旧仮名) / 南部修太郎(著)
わたしたちが、子供こどものころから、したしみなれてきた一休いっきゅうさんは、紫野大徳寺むらさきのだいとくじ、四十七代目だいめ住職じゅうしょくとして、天下てんかにその智識ちしき高徳こうとくをうたわれたひとでした。
先生と父兄の皆さまへ (新字新仮名) / 五十公野清一(著)
それからむすめだの、子供こどもたちだの、職人しょくにんだの、小僧こぞうだの、女中じょちゅうだのをびましたので、みんな往来おうらいて、とりながめました。
馬はやみくもに駈けたばっかりだ、おいらはそれを追っかけて来たばっかりなんだ、老人としより子供こどもの一人にだって、怪我あさせたわけじゃあねえんだ。
大菩薩峠:36 新月の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
こんな言葉ことばが、相逢あひあ人々ひと/″\挨拶あいさつのやうに、また天氣てんきうらなふやうに、子供こどもくちにまでのぼるとともに、市中しちうたちましづまりかへつて、ひつそりとなつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
おんなならではのあけぬ、その大江戸おおえど隅々すみずみまで、子供こどもうた毬唄まりうたといえば、近頃ちかごろ「おせんの茶屋ちゃや」にきまっていた。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
ことつたら、しゆきみも、それをおりにならうとなさらないのだらう。ときに、あの子供こどもたちもいやうだ。しゆきみかへつて其方そのはういと仰有おつしやるだらう。
また子供こども咽喉のどるのでくちかせたりするときに、子供こども泣叫なきさけび、ちひさい突張つツぱつたりすると、かれ其聲そのこゑみゝがガンとしてしまつて、まはつてなみだこぼれる。
六号室 (旧字旧仮名) / アントン・チェーホフ(著)
西面北部せいめんほくぶ横穴よこあなは、乞食こじきかつんでことがあり、西面南部せいめんなんぶの二には、子供こどもはいつてあそんだこともある。
それは実際じっさいずいぶんたけたかくて、その一番いちばんたかいのなどは、した子供こどもがそっくりかくれること出来できるくらいでした。人気ひとけがまるでくて、まったふかはやしなかみたいです。
やくして各々妻にも其趣そのおもむきを云聞いひきかせ是より兩家べつしてむつましく交際つきあひけり然るに兩人の子供こども丈夫ぢやうぶ成長せいちやうなすうちはや吉三郎十三歳と成し時ちゝの茂兵衞大病たいびやうわづら種々しゆ/″\療養れうやう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
子供こども兩足りようあしとらへてさかさにつるし、かほそとけて、ひざもてせなかくとふのですさうすれば、かつての實驗じつけんよつるから、これツてれと熱心ねつしんすゝめました
「まるで子供こどもが、玩具おもちゃのサーベルでトマトをやっつけるようなものだね。」とわたしはあきれていった。
ドアがどしんとかべにぶっつかって、だれやらあかい顔をしてにこにこ笑っている子供こどもがはいってた。
身体検査 (新字新仮名) / フョードル・ソログープ(著)
あゝ、がもどかしい、まつりまへばんをいらつ子供こどものやうに、こしらへてもらうた晴着はれぎはあっても、ることがらぬので。……おゝ、あれ、乳母うばが。きっと消息しらせぢゃ。
自分じぶんいへうまれた子供こどもでもなく、むかしやまつけたのをやしなつただけのことでありますから、氣持きもちも世間せけん普通ふつうひととはちがつてをりますので、殘念ざんねんではございますが……
竹取物語 (旧字旧仮名) / 和田万吉(著)
一たび疱瘡ほうそうむかしは天然痘のことを疱瘡といいました)がはやるということが伝わると、人々は愕然がくぜんとして色を失い、ことに子供こどもを持つ親は、ぶるぶるとふるえたものであります。
ジェンナー伝 (新字新仮名) / 小酒井不木(著)
影写ママの合間には地方の有力者が立って、南極探検の説明やら挨拶やらをするが、淳朴なる田舎のおんな子供こどもを動かすには余りに学術的にわたり、その効果は認められないようであった。
暮色ぼしよくびたまちはづれの踏切ふみきりと、小鳥ことりのやうにこえげた三にん子供こどもたちと、さうしてそのうへ亂落らんらくするあざやか蜜柑みかんいろと——すべては汽車きしやまどそとに、またたひまもなくとほぎた。
蜜柑 (旧字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
『どこまでひとをこまらせようといふんです。あなただつて子供こどもぢやああるまいし。』
彼女こゝに眠る (旧字旧仮名) / 若杉鳥子(著)
ちいさ子供こどもぐらい厄介なものはあるまい。乃公おれの家へ此間このあいだ親類からお客さんが来た。きいちゃんという女の子とそのお母さんとである。このきいちゃんのお蔭で乃公は遠眼鏡と空気銃を損してしまった。
いたずら小僧日記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
B 成程なるほどきみ子供こどもときから數學すうがくではいつも滿點まんてんつたとふのだね。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
料理屋れうりや經營けいえいしたり、子供こども芝居しばゐしたり、大衆物たいしうものもかくし、現代物げんだいものもいゝし、戲曲ぎきよく將棋しやうぎ香合かうがふ女人藝術によじんげいじゆつ左傾さけい等々とう/\三上みかみ神出鬼沒しんしゆつきぼつが、辟易へきえきするくらゐに——世間語せけんごからいへば、わか
こんなに樹木じゆもくでもおたがひにとつていろ/\なやくつことをおりになつたら、みなさんもみちばたにあそんでる子供こどもがなみかはいたり、えだつたりしてゐるのをられたらすぐにかせて
森林と樹木と動物 (旧字旧仮名) / 本多静六(著)
がつは、お節句せっく子供こどもでしよう。
金魚は死んでいた (新字新仮名) / 大下宇陀児(著)
ところへ、子供こどもんで
とんぼの眼玉 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
せん銅貨どうくわ子供こども確乎しっかりにぎります
鶴彬全川柳 (新字旧仮名) / 鶴彬(著)