トップ
>
小兒
>
こども
ふりがな文庫
“
小兒
(
こども
)” の例文
新字:
小児
すぐ
前
(
まへ
)
の、
鉢
(
はち
)
ものの
草花屋
(
くさばなや
)
、
綿屋
(
わたや
)
、
續
(
つゞ
)
いて
下駄屋
(
げたや
)
の
前
(
まへ
)
から、
小兒
(
こども
)
が
四五人
(
しごにん
)
ばら/\と
寄
(
よ
)
つて
取卷
(
とりま
)
いた
時
(
とき
)
、
袖
(
そで
)
へ
落
(
おと
)
すやうに
涼傘
(
ひがさ
)
をはづして
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
二重
(
ふたへ
)
に
細
(
ほそ
)
い
咽喉
(
のど
)
を
卷
(
ま
)
いてゐる
胞
(
えな
)
を、あの
細
(
ほそ
)
い
所
(
ところ
)
を
通
(
とほ
)
す
時
(
とき
)
に
外
(
はづ
)
し
損
(
そく
)
なつたので、
小兒
(
こども
)
はぐつと
氣管
(
きくわん
)
を
絞
(
し
)
められて
窒息
(
ちつそく
)
して
仕舞
(
しま
)
つたのである。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
私のことを考へると氣持が惡くなると云つた、私が
淺
(
あさ
)
ましい程
酷
(
ひど
)
くお前に當ると云ひ張つたときのお前のあの
小兒
(
こども
)
らしくない眼付と聲を。
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
病人
(
びやうにん
)
はK
夫人
(
ふじん
)
の
顏
(
かほ
)
の
下
(
した
)
で、
小兒
(
こども
)
のやうに
顎
(
あご
)
で
頷
(
うなづ
)
いて
見
(
み
)
せた。
上
(
うへ
)
の
方
(
はう
)
へ
一束
(
ひとたば
)
にした
髮
(
かみ
)
が、
彼女
(
かのぢよ
)
を一
層
(
そう
)
少女
(
せうぢよ
)
らしく
痛々
(
いた/\
)
しく
見
(
み
)
せた。
彼女こゝに眠る
(旧字旧仮名)
/
若杉鳥子
(著)
一人の老人が孫らしい
小兒
(
こども
)
の手を引き、ユウゴオの遺骨を收めた石の柩を
指
(
ゆびさ
)
しつゝ何か物語つて居たのを見て如何に切ない羨望の情に迫られたであらう。
新帰朝者日記
(旧字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
『イヤそう
眞面目
(
まじめ
)
に
問
(
と
)
はれては
困
(
こま
)
る。
僕
(
ぼく
)
は
小兒
(
こども
)
の
時
(
とき
)
を
回想
(
くわいさう
)
して
當時
(
たうじ
)
の
學校
(
がくかう
)
を
懷
(
なつか
)
しく
思
(
おも
)
ふだけの
意味
(
いみ
)
で
言
(
い
)
つたのです』とハーバードは
罪
(
つみ
)
のない
微笑
(
びせう
)
を
浮
(
うか
)
べて
言譯
(
いひわけ
)
した。
日の出
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
禿山
(
はげやま
)
で、
頂
(
いただき
)
には樹木も無い。草花が所々
懸崕
(
けんがい
)
の端に咲いてゐる。私の傍には二人の
小兒
(
こども
)
が居た。
夢
(旧字旧仮名)
/
吉江喬松
、
吉江孤雁
(著)
殊に長い年代に亙つてゐるのであるから筆跡も同一ではない。折釘のやうな男文字のなかに絲屑のやうな女文字もまじつてゐる。殆ど假名ばかりで
小兒
(
こども
)
が書いたやうな所もある。
半七捕物帳:01 お文の魂
(旧字旧仮名)
/
岡本綺堂
(著)
女學生や小學生も修學旅行で昵懇になつてゐる場所のことを、今更らしく
艮齋張
(
ごんさいば
)
りの文なぞにするのも餘り
小兒
(
こども
)
臭いから、夏向はすべて
抛下著
(
はうげぢやく
)
にかぎると、あつさり瀧の水に流してしまつて
華厳滝
(旧字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
『ハハハ。まるで
小兒
(
こども
)
みたいだ。』と信吾は無造作に笑ふ。
鳥影
(旧字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
小兒
(
こども
)
ごころのあやしさは
思ひ出:抒情小曲集
(旧字旧仮名)
/
北原白秋
(著)
などと、
猫撫聲
(
ねこなでごゑ
)
で、
仰向
(
あふむ
)
けにした
小兒
(
こども
)
の
括頤
(
くゝりあご
)
へ、
動
(
いぶ
)
りをくれて
搖上
(
ゆりあ
)
げながら、
湯船
(
ゆぶね
)
の
前
(
まへ
)
へ、ト
腰
(
こし
)
を
拔
(
ぬ
)
いた
體
(
てい
)
に、べつたりと
踞
(
しやが
)
んだものなり。
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
けれども
肝心
(
かんじん
)
の
小兒
(
こども
)
は、たゞ
子宮
(
しきゆう
)
を
逃
(
のが
)
れて
廣
(
ひろ
)
い
所
(
ところ
)
へ
出
(
で
)
たといふ
迄
(
まで
)
で、
浮世
(
うきよ
)
の
空氣
(
くうき
)
を
一口
(
ひとくち
)
も
呼吸
(
こきふ
)
しなかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「私は
小兒
(
こども
)
のお
喋
(
しや
)
べりは好かないから、」と彼はつゞけた。「だつて、私のやうな年とつた獨り者にはあれ達の
片言
(
かたこと
)
から來る愉快な聯想なんてあるもんですか。 ...
ジエィン・エア:02 ジエィン・エア
(旧字旧仮名)
/
シャーロット・ブロンテ
(著)
呼
(
よ
)
ぶと、
驛員
(
えきゐん
)
が
駈
(
か
)
けて
來
(
き
)
た。まだ
宵
(
よひ
)
ながら
靴
(
くつ
)
の
音
(
おと
)
が
高
(
たか
)
く
響
(
ひゞ
)
く。……
改札口
(
かいさつぐち
)
に
人珍
(
ひとめづら
)
しげに
此方
(
こなた
)
を
透
(
す
)
かした
山家
(
やまが
)
の
小兒
(
こども
)
の
乾栗
(
ほしぐり
)
のやうな
顏
(
かほ
)
の
寂
(
さび
)
しさ。
魔法罎
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
氏神
(
うぢがみ
)
の
祭禮
(
さいれい
)
は、
四五月頃
(
しごぐわつごろ
)
と、
九十月頃
(
くじふぐわつごろ
)
と、
春秋
(
しゆんじう
)
二度
(
にど
)
づゝあり、
小兒
(
こども
)
は
大喜
(
おほよろこ
)
びなり。
秋
(
あき
)
の
祭
(
まつり
)
の
方
(
はう
)
賑
(
にぎは
)
し。
祇園囃子
(
ぎをんばやし
)
、
獅子
(
しし
)
など
出
(
い
)
づるは
皆
(
みな
)
秋
(
あき
)
の
祭
(
まつり
)
なり。
寸情風土記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
前刻
(
さつき
)
から、
通口
(
かよひぐち
)
へ
顏
(
かほ
)
を
出
(
だ
)
して、
髯旦
(
ひげだん
)
のうめ
方
(
かた
)
が、まツ
其
(
そ
)
の
通
(
とほ
)
り、
小兒
(
こども
)
の
一寸
(
いつすん
)
に
水
(
みづ
)
一升
(
いつしよう
)
の
割
(
わり
)
を
覗
(
のぞ
)
いて、
一驚
(
いつきやう
)
を
吃
(
きつ
)
した
三助
(
さんすけ
)
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と
寂
(
さび
)
しい
侘
(
わび
)
しい
唄
(
うた
)
の
聲
(
こゑ
)
——
雪
(
ゆき
)
も、
小兒
(
こども
)
が
爺婆
(
ぢいばあ
)
に
化
(
ば
)
けました。——
風
(
かぜ
)
も
次第
(
しだい
)
に、ぐわう/\と
樹
(
き
)
ながら
山
(
やま
)
を
搖
(
ゆす
)
りました。
雪霊続記
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
……
馴染
(
なじみ
)
なる
雀
(
すゞめ
)
ばかりで
夜
(
よ
)
が
明
(
あ
)
けた。
金魚
(
きんぎよ
)
を
買
(
か
)
つた
小兒
(
こども
)
のやうに、
乘
(
の
)
しかゝつて、
踞
(
しやが
)
んで
見
(
み
)
ると、
逃
(
に
)
げたぞ!
畜生
(
ちくしやう
)
、
唯
(
たゞ
)
の
一匹
(
いつぴき
)
も、
影
(
かげ
)
も
形
(
かたち
)
もなかつた。
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
小
(
ちひ
)
さなのは、
河骨
(
かうほね
)
の
點々
(
ぽつ/\
)
黄色
(
きいろ
)
に
咲
(
さ
)
いた
花
(
はな
)
の
中
(
なか
)
を、
小兒
(
こども
)
が
徒
(
いたづら
)
に
猫
(
ねこ
)
を
乘
(
の
)
せて
盥
(
たらひ
)
を
漕
(
こ
)
いで
居
(
ゐ
)
る。
大
(
おほ
)
きなのは
汀
(
みぎは
)
の
蘆
(
あし
)
を
積
(
つ
)
んだ
船
(
ふね
)
が、
棹
(
さを
)
さして
波
(
なみ
)
を
分
(
わ
)
けるのがある。
人魚の祠
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
……
何
(
ど
)
うして
小兒
(
こども
)
の
手
(
て
)
で、と
疑
(
うたが
)
ふばかり、
大
(
おほ
)
きな
澤庵石
(
たくあんいし
)
が
手桶
(
てをけ
)
の
上
(
うへ
)
に、づしんと
乘
(
の
)
つて、あだ
黒
(
ぐろ
)
く、
一
(
ひと
)
つくびれて、ばうと
浮
(
う
)
いて、
可厭
(
いや
)
なものの
形
(
かたち
)
に
見
(
み
)
えた。
夜釣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
女
(
をんな
)
の
腕
(
うで
)
に
大勢
(
おほぜい
)
の
小兒
(
こども
)
をつれてゐるんだから——いづれ
人
(
ひと
)
さ、
誰
(
だれ
)
かが
手
(
て
)
を
取
(
と
)
り、
肩
(
かた
)
をひいてくれたんだらうが、
私
(
わたし
)
は
神佛
(
しんぶつ
)
のおかげだと
思
(
おも
)
つて
難有
(
ありがた
)
がつてゐるんだよ。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
可
(
よ
)
からう、
可
(
よ
)
からう、そりやざぶりとぢや。」と
桶
(
をけ
)
を
倒
(
さかしま
)
にして、
小兒
(
こども
)
の
肩
(
かた
)
から
我
(
わ
)
が
背中
(
せなか
)
へ
引
(
ひつ
)
かぶせ
銭湯
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
誰方
(
どなた
)
の
兒
(
こ
)
たちでも、
小兒
(
こども
)
で
此
(
これ
)
が
好
(
す
)
きだと
言
(
い
)
ふのは
餘
(
あま
)
りなからう。十四五ぐらゐの
少年
(
せうねん
)
で、
僕
(
ぼく
)
は
湯
(
ゆ
)
どうふが
可
(
い
)
いよ、なぞは——
説明
(
せつめい
)
に
及
(
およ
)
ばず——
親
(
おや
)
たちの
注意
(
ちうい
)
を
要
(
えう
)
する。
湯どうふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
ぶつ/\と
言
(
い
)
ふやつを、
椀
(
わん
)
に
裝出
(
よそひだ
)
して、
猪口
(
ちよく
)
のしたぢで
行
(
や
)
る。
何十年來
(
なんじふねんらい
)
馴
(
な
)
れたもので、つゆ
加減
(
かげん
)
も
至極
(
しごく
)
だが、しかし、その
小兒
(
こども
)
たちは、
皆
(
みな
)
知
(
し
)
らん
顏
(
かほ
)
をしてお
魚
(
とゝ
)
で
居
(
ゐ
)
る。
湯どうふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「……
螢
(
ほたる
)
だ、それ
露蟲
(
つゆむし
)
を
捉
(
つかま
)
へるわと、よく
小兒
(
こども
)
の
内
(
うち
)
、
橋
(
はし
)
を
渡
(
わた
)
つたつけ。
此
(
こ
)
の
槐
(
ゑんじゆ
)
が
可恐
(
こは
)
かつた……」
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
小兒
(
こども
)
たちが、また
惡
(
わる
)
く
暖
(
あたゝか
)
いので
寢苦
(
ねぐる
)
しいか、
變
(
へん
)
に
二人
(
ふたり
)
とも
寢
(
ね
)
そびれて、
踏脱
(
ふみぬ
)
ぐ、
泣
(
な
)
き
出
(
だ
)
す、
着
(
き
)
せかける、
賺
(
すか
)
す。で、
女房
(
にようばう
)
は
一夜
(
いちや
)
まんじりともせず、
烏
(
からす
)
の
聲
(
こゑ
)
を
聞
(
き
)
いたさうである。
夜釣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
……
嘗
(
かつ
)
て
佃
(
つくだ
)
から、「
蟹
(
かに
)
や、
大蟹
(
おほがに
)
やあ」で
來
(
く
)
る、
聲
(
こゑ
)
は
若
(
わか
)
いが、もういゝ
加減
(
かげん
)
な
爺
(
ぢい
)
さんの
言
(
い
)
ふのに、
小兒
(
こども
)
の
時分
(
じぶん
)
にやあ
兩國下
(
りやうごくした
)
で
鰯
(
いわし
)
がとれたと
話
(
はな
)
した、
私
(
わたし
)
は
地震
(
ぢしん
)
の
當日
(
たうじつ
)
、ふるへながら
間引菜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
が、あれは
雪
(
ゆき
)
に
靈
(
れい
)
があつて、
小兒
(
こども
)
を
可愛
(
いとし
)
がつて、
連
(
つ
)
れて
歸
(
かへ
)
つたのであらうも
知
(
し
)
れない。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
既
(
すで
)
に
膝
(
ひざ
)
に
乘
(
の
)
つて、
噛
(
かじ
)
り
着
(
つ
)
いて
居
(
ゐ
)
た
小兒
(
こども
)
は、
其
(
それ
)
なり、
薄青
(
うすあを
)
い
襟
(
えり
)
を
分
(
わ
)
けて、
眞白
(
まつしろ
)
な
胸
(
むね
)
の
中
(
なか
)
へ、
頬
(
ほゝ
)
も
口
(
くち
)
も
揉込
(
もみこ
)
むと、
恍惚
(
うつとり
)
と
成
(
な
)
つて、
最
(
も
)
う
一度
(
いちど
)
、ひよいと
母親
(
はゝおや
)
の
腹
(
はら
)
の
内
(
うち
)
へ
安置
(
あんち
)
され
終
(
をは
)
んぬで
霰ふる
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
小兒
(
こども
)
の
足駄
(
あしだ
)
を
思
(
おも
)
ひ
出
(
だ
)
した
頃
(
ころ
)
は、
實
(
じつ
)
は
最
(
も
)
う
穿
(
はき
)
ものなんぞ、
疾
(
とう
)
の
以前
(
いぜん
)
になかつたのです。
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
それ
鼬
(
いたち
)
の
道
(
みち
)
を
切
(
き
)
る
時
(
とき
)
押
(
お
)
して
進
(
すゝ
)
めば
禍
(
わざはひ
)
あり、
山
(
やま
)
に
櫛
(
くし
)
の
落
(
お
)
ちたる
時
(
とき
)
、
之
(
これ
)
を
避
(
さ
)
けざれば
身
(
み
)
を
損
(
そこな
)
ふ。
兩頭
(
りやうとう
)
の
蛇
(
へび
)
を
見
(
み
)
たるものは
死
(
し
)
し、
路
(
みち
)
に
小兒
(
こども
)
を
抱
(
だ
)
いた
亭主
(
ていしゆ
)
を
見
(
み
)
れば、
壽
(
ことぶき
)
長
(
なが
)
からずとしてある
也
(
なり
)
。
弥次行
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
小兒
(
こども
)
たちと
一所
(
いつしよ
)
に、あら/\と、また
言
(
い
)
ふ
隙
(
ひま
)
に、
電柱
(
でんちう
)
を
空
(
くう
)
に
傳
(
つた
)
つて、
斜上
(
なゝめあが
)
りの
高
(
たか
)
い
屋根
(
やね
)
へ、きら/\きら/\と
青
(
あを
)
く
光
(
ひか
)
つて
輝
(
かゞや
)
きつゝ、それより
日
(
ひ
)
の
光
(
ひかり
)
に
眩
(
まぶ
)
しく
消
(
き
)
えて、
忽
(
たちま
)
ち
唯
(
たゞ
)
一天
(
いつてん
)
を
番茶話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「
此
(
こ
)
のくらゐな
事
(
こと
)
が……
何
(
なん
)
の……
小兒
(
こども
)
のうち
歌留多
(
かるた
)
を
取
(
と
)
りに
行
(
い
)
つたと
思
(
おも
)
へば——」
雪霊記事
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
出
(
で
)
はじめなら
知
(
し
)
らず……
最
(
も
)
うこれ
今頃
(
いまごろ
)
は
小兒
(
こども
)
でも
玩弄
(
おもちや
)
にして
澤山
(
たくさん
)
に
成
(
な
)
つた
時分
(
ころ
)
だ。
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
九時頃
(
くじごろ
)
だが、
商店
(
しやうてん
)
は
町
(
まち
)
の
左右
(
さいう
)
に
客
(
きやく
)
を
待
(
ま
)
つのに、
人通
(
ひとどほ
)
りは
見掛
(
みか
)
けない。
靜
(
しづか
)
な
細
(
ほそ
)
い
町
(
まち
)
を、
四五間
(
しごけん
)
ほど
前
(
まへ
)
へ
立
(
た
)
つて、
小兒
(
こども
)
かと
思
(
おも
)
ふ
小
(
ちひ
)
さな
按摩
(
あんま
)
どのが
一人
(
ひとり
)
、
笛
(
ふえ
)
を
吹
(
ふ
)
きながら
後形
(
うしろむき
)
で
行
(
ゆ
)
くのである。
城崎を憶ふ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
牛込築土前
(
うしごめつくどまへ
)
の、
此
(
こ
)
の
大勝棟梁
(
だいかつとうりやう
)
のうちへ
出入
(
でい
)
りをする、
一寸
(
ちよつと
)
使
(
つか
)
へる、
岩次
(
いはじ
)
と
云
(
い
)
つて、
女房持
(
にようばうもち
)
、
小兒
(
こども
)
の
二人
(
ふたり
)
あるのが
居
(
ゐ
)
た。
飮
(
の
)
む、
買
(
か
)
ふ、
摶
(
ぶ
)
つ、
道樂
(
だうらく
)
は
少
(
すこし
)
もないが、たゞ
性來
(
しやうらい
)
の
釣好
(
つりず
)
きであつた。
夜釣
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
まく
鹽
(
しほ
)
も
手
(
て
)
に
持
(
も
)
つたのに、……あゝ、ながわづらひゆゑ
店
(
みせ
)
も
寂
(
さび
)
れた、……
小兒
(
こども
)
の
時
(
とき
)
から
私
(
わたし
)
も
贔屓
(
ひいき
)
、あちらでも
御贔屓
(
ごひいき
)
の
御神輿
(
おみこし
)
も
見棄
(
みす
)
てて
行
(
ゆ
)
くか、と
肩
(
かた
)
を
落
(
おと
)
して、ほろりとしつゝ
見送
(
みおく
)
ると
祭のこと
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
汽車
(
きしや
)
が
龜戸
(
かめゐど
)
を
過
(
す
)
ぎて——あゝ、このあひだの
堤
(
どて
)
の
續
(
つゞ
)
きだ、すぐに
新小岩
(
しんこいは
)
へ
近
(
ちか
)
づくと、
窓
(
まど
)
の
下
(
した
)
に、
小兒
(
こども
)
が
溝板
(
どぶいた
)
を
驅
(
か
)
けだす
路傍
(
みちばた
)
のあしの
中
(
なか
)
に、
居
(
ゐ
)
る、
居
(
ゐ
)
る。ぎやうぎやうし、ぎやうぎやうし。
木菟俗見
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
媽々
(
かゝあ
)
や
小兒
(
こども
)
が
腭
(
あご
)
を
釣
(
つ
)
らねばなりませぬで、
此
(
こ
)
の
上
(
うへ
)
お
供
(
とも
)
は
出來
(
でき
)
かねまする。
雪の翼
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
……なか/\に
稼
(
かせ
)
ぐ
所
(
どころ
)
ではないから、いきつぎに
表
(
おもて
)
へ
出
(
で
)
て、
近所
(
きんじよ
)
の
方
(
かた
)
に、たゞ
今
(
いま
)
の
禮
(
れい
)
を
立話
(
たちばな
)
しでして
居
(
ゐ
)
ると、
人
(
ひと
)
どよみを
哄
(
どつ
)
とつくつて、ばら/\
往來
(
わうらい
)
がなだれを
打
(
う
)
つ。
小兒
(
こども
)
はさけぶ。
犬
(
いぬ
)
はほえる。
十六夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
時々
(
とき/″\
)
梢
(
こずゑ
)
から、(
赤茶釜
(
あかちやがま
)
)と
云
(
い
)
ふのが
出
(
で
)
る。
目
(
め
)
も
鼻
(
はな
)
も
無
(
な
)
い、
赤剥
(
あかは
)
げの、のつぺらぽう、三
尺
(
じやく
)
ばかりの
長
(
なが
)
い
顏
(
かほ
)
で、
敢
(
あへ
)
て
口
(
くち
)
と
云
(
い
)
ふも
見
(
み
)
えぬ
癖
(
くせ
)
に、
何處
(
どこ
)
かでゲラ/\と
嘲笑
(
あざわら
)
ふ……
正體
(
しやうたい
)
は
小兒
(
こども
)
ほどある
大
(
おほ
)
きな
梟
(
ふくろふ
)
。
月夜
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
風
(
かぜ
)
あれば
風
(
かぜ
)
に
乘
(
の
)
つて、
小兒
(
こども
)
まじりの
聲々
(
こゑ/″\
)
が
祭のこと
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
兒
部首:⼉
8画
“小兒”で始まる語句
小兒衆
小兒科
小兒等