“縁起棚”の読み方と例文
読み方割合
えんぎだな100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
文反古ふみほごにて腰張こしばりせる壁には中形ちゅうがた浴衣ゆかたかかりて、そのかたわらなる縁起棚えんぎだなにはさまざまの御供物おくもつにぎわしきがなかに大きなる金精大明神こんせいだいみょうじんも見ゆ。
江戸芸術論 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
狭苦しい置屋の店も縁起棚えんぎだなに燈明の光が明々あかあかと照りえて、お勝手で煮る香ばしいおせちのにおいが入口の方まで臭うている。
うつり香 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
出入でいりの戸もまた二ツある。女一人について窓と戸が一ツずつあるわけである。窓の戸はその内側が鏡になっていて、羽目はめの高い処に小さな縁起棚えんぎだなが設けてある。
寺じまの記 (新字新仮名) / 永井荷風(著)