少女こども)” の例文
「だつてお前が公民館に出かけるなんて、可笑しいぢやないか、ただの少女こどもと違つているし皆變な顏をして見るよ。」
神のない子 (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
うしろで、少女こどものように邪気のない、おせい様のほがらかな声がしていた。ああいう人をだますなんて、空恐ろしいとは思わないかしらとお高は思った。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
……それで生徒はどうかといふに、情無いもんだよ君、白い蓮華の蕾の樣な筈の、十四十五という少女こどもでさへ、早く世の中の風に染ツて、自己を僞ることを何とも思はん樣になツて居る。
漂泊 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
……それで生徒はどうかといふに、情無いもんだよ君、白い蓮華の蕾の様な筈の、十四十五といふ少女こどもでさへ、早く世の中の風に染ツて、自己を偽ることを何とも思はん様になツて居る。
漂泊 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
いままで何處をうろついてゐるんだ、少女こどもの癖に夜遊びなぞしてくさつてと、ミツは咬みつくやうに呶鳴つた。あん子は斯樣な母親のすさまじい激怒に出會つたことは今までになかつた。
神のない子 (旧字旧仮名) / 室生犀星(著)
かんさんはあなたも少女こどもではないのだから、わたしが普通の手傳女のやうに出て行けと言はれて、はい、さうですかと出て行かれるかどうかも考へに入れても、あなたの恥にはならない筈だ
(旧字旧仮名) / 室生犀星(著)