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小供
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こども
ふりがな文庫
“
小供
(
こども
)” の例文
桂は顔を挙げて
小供
(
こども
)
に解りやすいようにこの大発明家のことを話して聞かし、「坊様も大きくなったらこんな
豪
(
えら
)
い人におなりなさいよ」
非凡なる凡人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
それも
神様
(
かみさま
)
のお
使者
(
つかい
)
や、
大人
(
おとな
)
ならば
兎
(
と
)
も
角
(
かく
)
も、
斯
(
こ
)
うした
小供
(
こども
)
さんの
場合
(
ばあい
)
には、いかにも
手持無沙汰
(
てもちぶさた
)
で
甚
(
はなは
)
だ
当惑
(
とうわく
)
するのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
鳴戸のお弓の涙などと
小供
(
こども
)
だましでなく、大人でも感服しそうな因縁書などを野見の老人がやって、一切、内外ともに出来上がりまして
幕末維新懐古談:63 佐竹の原へ大仏を拵えたはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
「さう? でも
宅
(
うち
)
ぢや
小供
(
こども
)
がないから、
夫程
(
それほど
)
でもなくつてよ」と
答
(
こた
)
へた
御米
(
およね
)
は
糊
(
のり
)
を
含
(
ふく
)
ました
刷毛
(
はけ
)
を
取
(
と
)
つてとん/\とんと
棧
(
さん
)
の
上
(
うへ
)
を
渡
(
わた
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
そこには黄色くなった雑草が
生
(
は
)
えしげっていて、いつもはスポンジ・ボールの野球をやるのに、近所の
小供
(
こども
)
や
大供
(
おおども
)
が使っているところだった。
○○獣
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
▼ もっと見る
だが、気弱な
頬
(
ほお
)
が月のようにはにかんでいる。
無器用
(
ぶきよう
)
な
小供
(
こども
)
のように卒直に歩く——実は長い洋行後
駒下駄
(
こまげた
)
をまだ
克
(
よ
)
く
穿
(
は
)
き
馴
(
な
)
れて居ないのだ。
かの女の朝
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
大
(
おほ
)
きな
子供
(
こども
)
はそれつといつて
惡戯
(
いたづら
)
に
其
(
それ
)
を
捕
(
とら
)
うとする。
子供等
(
こどもら
)
は
順次
(
じゆんじ
)
に
皆
(
みな
)
それに
傚
(
なら
)
はうとする。さうすると
小
(
ちひ
)
さな
小供
(
こども
)
は
唯
(
たゞ
)
火
(
ひ
)
の
點
(
つ
)
いたやうに
泣
(
な
)
く。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
近所の
小供
(
こども
)
らのこれを
観
(
み
)
て異様の感を抱き、さてこそ男子とも女子ともつかぬ、いわゆる「マガイ」が通るよとは罵りしなるべし。これを
懐
(
おも
)
うごとに、今も背に汗のにじむ心地す。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
二枚半以上の
大
(
おお
)
紙鳶は、職人か、もしくは
大家
(
たいけ
)
の書生などが揚げることになっていた。松の内は
大供
(
おおども
)
小供
(
こども
)
入り乱れて、到るところに糸を
手繰
(
たぐ
)
る。またその間に娘子供は羽根を突く。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
行手
(
ゆくて
)
の道の両側には
見物
(
みせもの
)
店や、食物店が、それはそれはちょうど九段の
招魂社
(
しょうこんしゃ
)
の祭りに行ったように奇麗に居並んでいて、
其処
(
そこ
)
を
往来
(
ゆきき
)
するお姫様や、
小供
(
こども
)
の姿が手に取るように見えます。
迷い路
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
けれども、何といっても、まだ
小供
(
こども
)
ですよ。あなたの色紙を貰ってくれというのは、何んでも数学をやる友人の中に、あなたの家の標札を盗んで持ってるものがいるので、よし、おれは色紙を
微笑
(新字新仮名)
/
横光利一
(著)
それは
毛巡税
(
もうじゅんえつ
)
と云う者の住んでいた家で、五六年前に
瘟疫
(
おんえき
)
で一家の者が死絶えて、今では住んでいる者は無いはずであるが、それでも時どき
小供
(
こども
)
が出て来て
東西
(
もの
)
を買うのを見たことがあるから
蛇性の婬 :雷峰怪蹟
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
小供
(
こども
)
も次第に多くなりし為、文事にいとまなきよし承候。
鴎外の思い出
(新字新仮名)
/
小金井喜美子
(著)
小供
(
こども
)
がたべて
毒
(
どく
)
なもの
どんたく:絵入り小唄集
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
やがて、
小供
(
こども
)
は
明日
(
あした
)
の
下読
(
したよみ
)
をする時間だと云ふので、
母
(
はゝ
)
から注意を受けて、自分の
部屋
(
へや
)
へ引き
取
(
と
)
つたので、
後
(
あと
)
は差し
向
(
むかひ
)
になつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
が、この
娘
(
こ
)
としてはそうした
方便
(
ほうべん
)
の
必要
(
ひつよう
)
は
毛頭
(
もうとう
)
なく、もともと
純潔
(
じゅんけつ
)
な
小供
(
こども
)
の
修行
(
しゅぎょう
)
には、
最初
(
さいしょ
)
から
幽界
(
ゆうかい
)
の
現実
(
げんじつ
)
に
目覚
(
めざ
)
めさせるに
限
(
かぎ
)
るのじゃ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
けれど
小供
(
こども
)
こそ
眞
(
まこと
)
の
審判官
(
しんぱんくわん
)
で、
小供
(
こども
)
の
眼
(
め
)
にはたゞ
變物
(
かはりもの
)
の
一人
(
ひとり
)
としか
見
(
み
)
えない。
嬲物
(
なぶりもの
)
にして
慰
(
なぐ
)
さむに
丁度
(
ちやうど
)
可
(
よ
)
い
男
(
をとこ
)
としか
見
(
み
)
えない。
怠惰屋の弟子入り
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
小供
(
こども
)
心に考えて、父富五郎は体こそ利かぬようになったが、手先はまことに器用な人であったから、「お
父
(
とう
)
さん、何か
拵
(
こしら
)
えておくれ、
私
(
わたし
)
が売って見るから」
幕末維新懐古談:01 私の父祖のはなし
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
人にしても、
辞令
(
じれい
)
に
巧
(
たくみ
)
な
智識
(
ちしき
)
階級の
狡猾
(
ずる
)
さはとりませんが、
小供
(
こども
)
や、
無智
(
むち
)
な者などに
露骨
(
ろこつ
)
なワイルドな
強欲
(
ごうよく
)
や
姦計
(
かんけい
)
を
見出
(
みいだ
)
す時、それこそ氏の、漫画的興味は
活躍
(
かつやく
)
する様に見えます。
岡本一平論:――親の前で祈祷
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
其
(
そ
)
の
花籠
(
はなかご
)
は
又
(
また
)
底
(
そこ
)
へ
紙
(
かみ
)
を
敷
(
し
)
いて
死
(
し
)
んだものゝ
年齡
(
とし
)
の
數
(
かず
)
だけ
小錢
(
こぜに
)
を
入
(
い
)
れて、それを
翳
(
かざ
)
した
人
(
ひと
)
が
時々
(
ときどき
)
ざら/\と
振
(
ふ
)
つては
籠
(
かご
)
の
目
(
め
)
から
其
(
そ
)
の
小錢
(
こぜに
)
を
振
(
ふ
)
り
落
(
おと
)
した。
村
(
むら
)
の
小供
(
こども
)
が
爭
(
あらそ
)
つてそれを
拾
(
ひろ
)
つた。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
殊
(
こと
)
に
浮世
(
うきよ
)
の
罪穢
(
つみ
)
に
汚
(
けが
)
されていない
小供
(
こども
)
は
例外
(
れいがい
)
なしに
皆
(
みな
)
そうで、その
為
(
た
)
めこの
娘
(
こ
)
なども、
帰幽後
(
きゆうご
)
すぐに
俺
(
わし
)
の
手
(
て
)
で
世話
(
せわ
)
することになったのじゃ。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
けれども三
人
(
にん
)
とも
手
(
て
)
も
足
(
あし
)
も
動
(
うご
)
かさない。そして五六
人
(
にん
)
の
同
(
おな
)
じ
年頃
(
としごろ
)
の
小供
(
こども
)
がやはり
身動
(
みうご
)
きもしないで
婆
(
ばあ
)
さん
達
(
たち
)
の
周圍
(
まはり
)
を
取
(
と
)
り
卷
(
ま
)
いて
居
(
ゐ
)
るのである。
湯ヶ原ゆき
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
そこへ
十
(
とお
)
ぐらいの
小供
(
こども
)
が
馳
(
か
)
けて来て犬を
叱
(
しか
)
り付けた。小供は
徽章
(
きしょう
)
の着いた黒い帽子を
被
(
かぶ
)
ったまま先生の前へ
廻
(
まわ
)
って礼をした。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
画
(
え
)
を好かぬ
小供
(
こども
)
は
先
(
ま
)
ず少ないとしてその
中
(
うち
)
にも自分は小供の時、何よりも画が好きであった。(と岡本某が語りだした)。
画の悲み
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
話
(
はなし
)
は
死
(
し
)
んだ
小供
(
こども
)
の事をとう/\
離
(
はな
)
れて仕舞つた。さうして、
来
(
き
)
た時よりは幾分か空気に
暖味
(
あたゝかみ
)
が
出来
(
でき
)
た。平岡は久し振りに一杯飲まうと云ひ
出
(
だ
)
した。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
畫
(
ゑ
)
を
好
(
す
)
かぬ
小供
(
こども
)
は
先
(
ま
)
づ
少
(
すく
)
ないとして
其中
(
そのうち
)
にも
自分
(
じぶん
)
は
小供
(
こども
)
の
時
(
とき
)
、
何
(
なに
)
よりも
畫
(
ゑ
)
が
好
(
す
)
きであつた。(と
岡本某
(
をかもとぼう
)
が
語
(
かた
)
りだした)。
画の悲み
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
生徒は
小供
(
こども
)
の上に、生意気で、規律を破らなくっては生徒の体面にかかわると思ってる
奴等
(
やつら
)
だから、職員が
幾人
(
いくたり
)
ついて行ったって何の役に立つもんか。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
たしかに男である、また
小供
(
こども
)
でもない。何かしきりに拾っては
籠
(
かご
)
か
桶
(
おけ
)
かに入れているらしい。
二三歩
(
ふたあしみあし
)
あるいてはしゃがみ、そして何か拾っている。
忘れえぬ人々
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
宗助
(
そうすけ
)
は
小供
(
こども
)
の
時
(
とき
)
から、
此
(
この
)
樟腦
(
しやうなう
)
の
高
(
たか
)
い
香
(
かをり
)
と、
汗
(
あせ
)
の
出
(
で
)
る
土用
(
どよう
)
と、
砲烙灸
(
はうろくぎう
)
と、
蒼空
(
あをぞら
)
を
緩
(
ゆる
)
く
舞
(
ま
)
ふ
鳶
(
とび
)
とを
連想
(
れんさう
)
してゐた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
別荘と畑一つ隔たりて
牛乳屋
(
ちちや
)
あり、
樫
(
かし
)
の木に取り囲まれし
二棟
(
ふたむね
)
は右なるに牛七匹住み、左なるに人五人住みつ、夫婦に
小供
(
こども
)
二人
(
ふたり
)
、
一人
(
ひとり
)
の
雇男
(
おとこ
)
は
配達人
(
はいたつ
)
なり。
わかれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
「
御出
(
おいで
)
になりませんか」と
聞
(
き
)
くと、先生は
少
(
すこ
)
し
笑
(
わらひ
)
ながら、
無言
(
むごん
)
の儘、
首
(
くび
)
を
横
(
よこ
)
に
振
(
ふ
)
つた。
小供
(
こども
)
の様な所作をする。然し三四郎には、それが学者らしく思はれた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
温泉宿
(
をんせんやど
)
の
欄干
(
らんかん
)
に
倚
(
よ
)
つて
外
(
そと
)
を
眺
(
なが
)
めて
居
(
ゐ
)
る
人
(
ひと
)
は
皆
(
み
)
な
泣
(
な
)
き
出
(
だ
)
しさうな
顏付
(
かほつき
)
をして
居
(
ゐ
)
る、
軒先
(
のきさき
)
で
小供
(
こども
)
を
負
(
しよつ
)
て
居
(
ゐ
)
る
娘
(
むすめ
)
は
病人
(
びやうにん
)
のやうで
背
(
せ
)
の
小供
(
こども
)
はめそ/\と
泣
(
な
)
いて
居
(
ゐ
)
る。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
其所
(
そこ
)
には
福岡
(
ふくをか
)
で
亡
(
な
)
くなつた
小供
(
こども
)
の
位牌
(
ゐはい
)
と、
東京
(
とうきやう
)
で
死
(
し
)
んだ
父
(
ちゝ
)
の
位牌
(
ゐはい
)
が
別々
(
べつ/\
)
に
綿
(
わた
)
で
包
(
くる
)
んで
丁寧
(
ていねい
)
に
入
(
い
)
れてあつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
ええ、あの
小供
(
こども
)
が
食物
(
たべもの
)
の事をうまうまと云いましょう。あれの来歴ですね。その人の説によると小供が舌が回り出してから一番早く出る発音がうまうまだそうです。
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
この分にては小生が
小供
(
こども
)
の時きき候と同じ
昔噺
(
むかしばなし
)
を貞坊が聞き候ことも遠かるまじと思われ候、これを思えば悲しいともうれしいとも申しようなき感これありこれ必ず悲喜両方と存じ候
初孫
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
当時余はほんの
小供
(
こども
)
であったから、先生の
学殖
(
がくしょく
)
とか
造詣
(
ぞうけい
)
とかを批判する力はまるでなかった。第一先生の使う言葉からが余自身の英語とは
頗
(
すこぶ
)
る縁の遠いものであった。
博士問題とマードック先生と余
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
『いい
歳
(
とし
)
をしてもう今度で三度めですよ、第一
小供
(
こども
)
がかあいそうでさア。』
郊外
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
それでKの
小供
(
こども
)
の時分には、
継母
(
ままはは
)
よりもこの姉の方が、かえって本当の母らしく見えたのでしょう。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
されば
小供
(
こども
)
への
土産
(
みやげ
)
にと城下にて買いし菓子の袋開きてこの
孤児
(
みなしご
)
に分つ母親もすくなからざりし。父は見知らぬ風にて礼もいわぬが常なり、これも悲しさのあまりなるべしと心にとむる者なし。
源おじ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
私はこのKと
小供
(
こども
)
の時からの
仲好
(
なかよし
)
でした。小供の時からといえば断らないでも解っているでしょう、二人には同郷の縁故があったのです。Kは
真宗
(
しんしゅう
)
の坊さんの子でした。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
僕の
小供
(
こども
)
の時からの友に
桂正作
(
かつらしょうさく
)
という男がある、今年二十四で今は横浜のある会社に技手として雇われもっぱら電気事業に従事しているが、まずこの男ほど類の
異
(
ちが
)
った人物はあるまいかと思われる。
非凡なる凡人
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
三千代
(
みちよ
)
は
小供
(
こども
)
の
着物
(
きもの
)
を膝の
上
(
うへ
)
に
乗
(
の
)
せた儘、返事もせずしばらく
俯向
(
うつむ
)
いて眺めてゐたが
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
これも普通の
小供
(
こども
)
なら
間
(
ま
)
もなく忘れて
了
(
しま
)
っただろうと思いますが、僕は忘れる
処
(
どころ
)
か、
間
(
ま
)
がな
隙
(
すき
)
がな、
何故
(
なぜ
)
父は
彼
(
あ
)
のような事を問うたのか、父が
斯
(
か
)
くまでに
狼狽
(
ろうばい
)
した
処
(
ところ
)
を見ると、余程の大事であろうと
運命論者
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
当代の豪傑を
小供
(
こども
)
呼ばわりにしてひそかに快しとしている。
まぼろし
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
小
常用漢字
小1
部首:⼩
3画
供
常用漢字
小6
部首:⼈
8画
“小供”で始まる語句
小供心
小供等
小供視
小供遊
小供達