“樟腦”のいろいろな読み方と例文
新字:樟脳
読み方割合
しやうなう66.7%
カンフル33.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
たゝみまであつくなつた座敷ざしき眞中まんなか胡坐あぐらいて、下女げぢよつて樟腦しやうなうを、ちひさな紙片かみぎれけては、醫者いしやれる散藥さんやくやうかたちたゝんだ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
そりや無論むろん道具よ。女に道具以上の價値かちがあツてたまるものか。だがさ、早い話が、お前は大事な着物を虫干むしぼしにして樟腦しやうなうまで入れてしまツて置くだらう。
青い顔 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
チブスの病室の近くまで來ると、樟腦カンフルと焚いた香醋のにほひが警告するやうに私の鼻をいた。私は、夜中起きてゐる看護婦に聞きつけられはしないかと恐れて、その室のドアの前を素早く通り拔けた。