小婢しょうひ)” の例文
今弟のことばを聞いて、小婢しょうひの失踪したのと、土穴に腥羶せいせんの気があるのとの間に、何等かの関係があるように思った。そして同班の卒数人と共に、すきを持って咸宜観に突入して、穴の底を掘った。
魚玄機 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
初め小婢しょうひのわが帰るを見るや御新造ごしんぞ様は御風呂めして九時頃お出掛になりやがて何処いずこよりとも知らず電話にて今夜はおそくなる故帰らぬよし申越されぬと告げけるが、その折にはわれさまでは驚かず
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)