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日光
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にっこう
ふりがな文庫
“
日光
(
にっこう
)” の例文
旅に限りがあって、そう長い江戸の
逗留
(
とうりゅう
)
は予定の日取りが許さなかった。まだこれから先に
日光
(
にっこう
)
行き、
横須賀
(
よこすか
)
行きも二人を待っていた。
夜明け前:01 第一部上
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
日盛
(
ひざか
)
りごろで、あたりは、しんとして、
強
(
つよ
)
い
夏
(
なつ
)
の
日光
(
にっこう
)
が、
木
(
き
)
の
葉
(
は
)
や、
草
(
くさ
)
の
葉
(
は
)
の
上
(
うえ
)
にきらきらときらめいているばかりでした。
泣きんぼうの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
さ「お村や、
諾
(
うん
)
とお云いよ、有難い事だ、姉さんが何とか、
日光
(
にっこう
)
御社参
(
ごしゃさん
)
とかいうお方が妾になれと仰しゃるのは有り難い事だから、諾とお云いよ」
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
案内者は当然の順序として、まずわたしを
白雲山
(
はくうんざん
)
の妙義神社に導きました。社殿は高い石段の上にそびえていて、小さい
日光
(
にっこう
)
とも云うべき建物です。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
この人からいろいろ学術上の仕事の話を聞いた後に「
日光
(
にっこう
)
は見たか」と聞いたら「否」、「芝居は」と聞いたら「否」と答えたきりで黙ってしまった。
北氷洋の氷の割れる音
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
▼ もっと見る
脇立
(
わきだ
)
ちの
梵天
(
ぼんてん
)
・
帝釈
(
たいしゃく
)
の小さい塑像(
日光
(
にっこう
)
、
月光
(
がっこう
)
ともいわれる)が傑作であることには、恐らく誰も反対しまい。
古寺巡礼
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
本を読んでかれの長所を取りもってわが
薬籠
(
やくろう
)
におさめればいい、それだけだ、通弁になって、
日光
(
にっこう
)
の案内をしようという下劣な根性のものは
明日
(
あす
)
から学校へくるな
ああ玉杯に花うけて
(新字新仮名)
/
佐藤紅緑
(著)
地図を見ると輯製二十万分一図の
日光
(
にっこう
)
図幅にも、地質調査所の四十万分一予察図にも明記してあるが、いずれも標高を記してない、しかし三魚沼の最高峰とすると
平ヶ岳登攀記
(新字新仮名)
/
高頭仁兵衛
(著)
私は、外人で日本を訪れる人のために、通訳となって
日光
(
にっこう
)
の案内をやったこともあった。外人を理解することが、私の目的であった。私はそれによって、得るところは多かった。
私の歩んだ道
(新字新仮名)
/
蜷川新
(著)
市民たちも、
摂政宮
(
せっしょうのみや
)
殿下が御安全でいらせられるということは早く一日中に拝聞して、まず
御安神
(
ごあんしん
)
申し上げましたが、
日光
(
にっこう
)
の
田母沢
(
たのもざわ
)
の御用邸に御滞在中の 両陛下の御安否が分りません。
大震火災記
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
というのは、怪賊は果して、僅々数日の後再び聞くも恐ろしい大犯罪を企てたが、その場所は、何という出没自在、意外にも東京から遠く離れた
日光
(
にっこう
)
山中の、
鷲尾侯爵家
(
わしおこうしゃくけ
)
の宏壮な別邸内であった。
黄金仮面
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
また
飛鳥山
(
あすかやま
)
より遠く
日光
(
にっこう
)
筑波
(
つくば
)
の山々を見ることを得れば
直
(
ただち
)
にこれを雲の
彼方
(
かなた
)
に
描示
(
えがきしめ
)
すが如く、臨機応変に全く相反せる製図の方式態度を併用して興味
津々
(
しんしん
)
よく平易にその要領を会得せしめている。
日和下駄:一名 東京散策記
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「
木彫
(
きぼり
)
の
日光
(
にっこう
)
の
陽明門
(
ようめいもん
)
の
額
(
がく
)
が、心持ち曲っていただけです」
什器破壊業事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
日光
(
にっこう
)
へ行った時は
紅葉
(
もみじ
)
の葉を一枚封じ込めた郵便も貰った。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そして
日光
(
にっこう
)
の
中
(
なか
)
へ
立
(
た
)
って、
鳥
(
とり
)
を
眺
(
なが
)
めて
居
(
い
)
ました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
金
(
きん
)
ピカ
日光
(
にっこう
)
(発端篇)
丹下左膳:02 こけ猿の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
宝石商
(
ほうせきしょう
)
さん、あなたのお
持
(
も
)
ちなさるひすいのように、その
海
(
うみ
)
の
色
(
いろ
)
は、
青
(
あお
)
くうるんでいます。また、
真珠
(
しんじゅ
)
のように、
真昼
(
まひる
)
には、
日光
(
にっこう
)
に
輝
(
かがや
)
いています。
花咲く島の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
その最も代表的な例を我々は三月堂本尊に侍立せる白く剥落せる二つの
塑像
(
そぞう
)
(
日光
(
にっこう
)
月光
(
がっこう
)
)や、戒壇院の四天王や、
聖林寺
(
しょうりんじ
)
十一面観音などに見いだすことができる。
日本精神史研究
(新字新仮名)
/
和辻哲郎
(著)
その通路があたかも杉並辺の上空にあたり、下町方面へ進行するにしたがって雷雲も次第に稀薄になるように思われる。但し俗に「北鳴り」と称して、
日光
(
にっこう
)
方面から押し込んで来る雷雲は別物である。
綺堂むかし語り
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
三十歳の家内が妙に色っぽくなるのですよ「一造のIでしょう。園のSでしょう。まだあなたと一緒にならない前、お互の心が変らないおまじないに、これ縫ったのですわ。分って。どうしたのでしょうね。学校の修学旅行で
日光
(
にっこう
)
に行った時、途中で盗まれて了ったつもりでいたのに」
モノグラム
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
私
(
わたし
)
は、十
年
(
ねん
)
、二十
年
(
ねん
)
、
牢獄
(
ろうごく
)
にあった
囚徒
(
しゅうと
)
が、
放免
(
ほうめん
)
された
暁
(
あかつき
)
、
日光
(
にっこう
)
のさんさんとしてみなぎる
街上
(
がいじょう
)
へ、
突
(
つ
)
き
出
(
だ
)
されたときのことを
想像
(
そうぞう
)
したのであります。
自由
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
それは
真夏
(
まなつ
)
の
時分
(
じぶん
)
と
違
(
ちが
)
って、
幾分
(
いくぶん
)
か
弱
(
よわ
)
く、また
暑
(
あつ
)
さもひどく
感
(
かん
)
じなかったけれど、
深
(
ふか
)
い
谷河
(
たにがわ
)
を
隔
(
へだ
)
ててあちらの
岩
(
いわ
)
をも
日光
(
にっこう
)
は
照
(
て
)
らしていたのであります。
大根とダイヤモンドの話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
うすい、
白雲
(
しらくも
)
を
破
(
やぶ
)
って、
日光
(
にっこう
)
はかっと
町
(
まち
)
の
建物
(
たてもの
)
を
照
(
て
)
らしていました。
車
(
くるま
)
が
通
(
とお
)
ります。
自転車
(
じてんしゃ
)
が
走
(
はし
)
っていきます。
芽は伸びる
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
すがすがした
空気
(
くうき
)
と、
自由
(
じゆう
)
の
世界
(
せかい
)
にみなぎる、
日光
(
にっこう
)
を
受
(
う
)
けることから、さえぎられて、
毎日
(
まいにち
)
、ここで
見
(
み
)
るものは、
街
(
まち
)
の
砂
(
すな
)
ぼこりの
煙
(
けむり
)
と、ざわざわ
歩
(
ある
)
く
人間
(
にんげん
)
の
姿
(
すがた
)
と、
自動車
(
じどうしゃ
)
と
ガラス窓の河骨
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
目
(
め
)
の
前
(
まえ
)
には、いろいろの
雑草
(
ざっそう
)
の
花
(
はな
)
が、はげしい
日光
(
にっこう
)
を
浴
(
あ
)
びながら
咲
(
さ
)
いて、ちょうや、はちが
飛
(
と
)
び
集
(
あつ
)
まっているのがながめられましたけれど、ここだけは、まったく
日
(
ひ
)
が
陰
(
かげ
)
って
曠野
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
しじゅうからは、
葉
(
は
)
のしげったかしの
木
(
き
)
を
見
(
み
)
つけて、
巣
(
す
)
をかけようかと、
友
(
とも
)
だちと
枝
(
えだ
)
の
間
(
あいだ
)
を
飛
(
と
)
びまわっていました。
日光
(
にっこう
)
の
射
(
さ
)
しぐあいなどをしらべなければならなかったからです。
谷間のしじゅうから
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
みんなの
希望
(
きぼう
)
まで、
自分
(
じぶん
)
の
生命
(
せいめい
)
の
中
(
なか
)
に
宿
(
やど
)
して、
大空
(
おおぞら
)
に
高
(
たか
)
く
枝
(
えだ
)
を
拡
(
ひろ
)
げて、
幾万
(
いくまん
)
となく
群
(
むら
)
がった
葉
(
は
)
の一つ一つに
日光
(
にっこう
)
を
浴
(
あ
)
びなければならないと
思
(
おも
)
いましたが、それはまだ
遠
(
とお
)
いことでありました。
明るき世界へ
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
日
常用漢字
小1
部首:⽇
4画
光
常用漢字
小2
部首:⼉
6画
“日光”で始まる語句
日光黄菅
日光室
日光浴室
日光浴
日光山
日光掩蔽
日光膳
日光山志
日光下駄
日光地方