失錯しっさく)” の例文
酒が好きで、別人なら無礼のおとがめもありそうな失錯しっさくをしたことがあるのに、忠利は「あれは長十郎がしたのではない、酒がしたのじゃ」
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
あなたが私を試そうとしていらっしゃることは感づいていたのですが、それでいながらうっかりして、あの晩のような失錯しっさくをしてしまったくやしさ。
少将滋幹の母 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
其日暮しの行きあたりばったりという気持であった。これが失錯しっさく続出の最大原因であったように思う。
初旅の大菩薩連嶺 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
折に触れては道中にて人々の失錯しっさくありしことどもを告げて打ち笑いたまいき。
舞姫 (新字新仮名) / 森鴎外(著)