“どろぼう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
盗賊36.5%
泥棒23.8%
泥坊13.5%
盗棒7.9%
盗坊7.1%
盗人6.3%
偸児0.8%
盜人0.8%
盜賊0.8%
剽窃犯人0.8%
0.8%
窃取0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
『二ヶ月ぜんの様にますを取っておきますが、留守中盗賊どろぼうに見舞われてはかなわないね』と笑いながらドーブレクが云っていた、という。
水晶の栓 (新字新仮名) / モーリス・ルブラン(著)
おい昨夜ゆうべ枕元まくらもとおほきなおとがしたのはぱりゆめぢやなかつたんだ。泥棒どろぼうだよ。泥棒どろぼう坂井さかゐさんのがけうへからうちにはりたおとだ。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
少女の女中さんは、またしても、じぶんの寝室をぬけだして、二階の廊下をまるで泥坊どろぼうのように、足音をしのばせて歩いているのでした。
サーカスの怪人 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
祖母はいちはやくそれを見つけて、私の懐の中から本をひったくった。そしてまず「この盗棒どろぼうめ!」と私を盗棒扱いにしてこう続けた。
せめ盗坊どろぼう所為しわざにでも見せ掛け何か品物を盗んで置くとか此室を取散とりちらして置くとかそれくらいの事はそうなもの
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
ふと老父さんは、老妻が丁寧にお辞儀をしている頭のさきを、盗人どろぼうが、自分の外套をきて出てゆくのを思いうかべた。そしてさびしい顔をして、あたしのところへいつけに来た。
奪られた覚えなどはない、と女は言うのだ。出刃打ちは、なんでも奪ったという。偸児どろぼうのほうから奪ったというのに、奪られたほうでは奪られないと言い張る。なんだか大岡おおおか政談にでもありそうな話さ
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
偸児どろぼう!」と呼びけて白糸に飛びかかりつ。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
取れまいと云つゝ故意わざと見せびらかししか盜人どろぼうひまはあれども守人まもりてひまはなしとか云なりと大口おほぐちあいて打笑ひ其胴卷そのどうまき
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
大いにきらひなり殊に貴樣は江州者だと云ふが近江あふみ盜人どろぼう伊勢乞食こじきと云事があり勿々なか/\江州の者は油斷ゆだんはならずとことわるに彼男それは旦那樣貴方の御聞違おきゝちがひなり近江殿御に伊勢子正直と申ので御座りますナニ近江者が泥坊どろぼうと限りますものかといひければ半四郎は否々いや/\夫はかくもなんだか氣味がわるし某は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
なすうちやゝ酒の醉もまはりしかば後藤は近江あふみ盜賊どろぼうの一件もはたわすれて仕舞至極酒の相手には面白く思ひ終に是より道連みちづれとなし飮合たる勘定も拙者がはらいや私しが拂ひますと爭ふ位の中になり其後の勘定は面倒めんだうなしに一日代りとめければ半四郎は大いによろこ道々みち/\の咄し相手となし先今夜は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
聞て富右衞門やゝ何々なに/\平兵衞殿がと大におどろき夫は大變たいへんな事て殺したやつは知しかと問ばお峰風聞うはさには大方盜賊どろぼう所行しわざならんとの事夫れに付ては若旦那は朔日ついたちより江戸の御郡代ぐんだい屋敷へ御いでなさいまだに御歸りなさらぬが相手が早くしれればよいと云に富右衞門何さ天命てんめいなれば今にぢきしれるであらまづわらぢ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
五円のチップ「あなたホントニ御様子スタイルのいいお方ネー」が始まりで、牛込神楽坂の魔窟、赤坂溜池の料亭ビタリ、始末におえぬ其ダラケさ、フン縛ってやりたい、ここな文壇の剽窃犯人どろぼう
丸で粉なやのどろぼうのやうですよ、オホ……オヤこのこは泣くよ、何が悲しいんだへ、……しかし思へば尤だよ、こんな働のないものを亭主に持て、ろくに物見遊山もできず、おまけに私のやうな
五大堂 (新字旧仮名) / 田沢稲舟(著)
此処に包や何か整然ちゃあんと掛ける処が出来てるのは流石さすがに手当が届いて居ますね……蝙蝠傘などを窃取どろぼうされるといかねえから此処へ斯うまとめて置いて……貴方最う少し其方そっちへお寄んなさいな
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)