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盗賊
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どろぼう
ふりがな文庫
“
盗賊
(
どろぼう
)” の例文
旧字:
盜賊
小文さんも
巧
(
うま
)
いことを言つたが、それを盗まなかつた
盗賊
(
どろぼう
)
の方は、もつと目が高かつた。——それにまた
盗賊
(
どろぼう
)
は腹が空いてゐたのだ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
『二ヶ月
前
(
ぜん
)
の様に
桝
(
ます
)
を取っておきますが、留守中
盗賊
(
どろぼう
)
に見舞われては
敵
(
かな
)
わないね』と笑いながらドーブレクが云っていた、という。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
百両なんてえ金を持ってる
気遣
(
きづけ
)
えはねえ、彼様な奴が
盗賊
(
どろぼう
)
だか
何
(
な
)
んだか知れやアしない、
此様
(
こん
)
な大きな石を入れて置きやアがって
文七元結
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
どういうことか知らないけれど、一粒種の可愛いお前に、
盗賊
(
どろぼう
)
の婿を
娶
(
と
)
ったのは、
少
(
わか
)
い時の、罪のむくいだというんじゃないか。
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
負
(
まく
)
れば
尚
(
なお
)
も
盗賊
(
どろぼう
)
に追い銭の愚を尽し、勝てば
飯盛
(
めしもり
)
に祝い酒のあぶく
銭
(
ぜに
)
を費す、
此癖
(
このくせ
)
止めて止まらぬ
春駒
(
はるごま
)
の
足掻
(
あがき
)
早く、坂道を飛び
下
(
おり
)
るより
迅
(
すみやか
)
に
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
盗賊
(
どろぼう
)
と言いたいところですが、青年に盗みごころがなければ狂人か白痴でしょう。これではどう見ても面会に来たお客さんとは言われません。
仏教人生読本
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
もし巡査にでも見られた日には
盗賊
(
どろぼう
)
の名を負わされたかも知れない。彼は最後の冒険を試みた——
然
(
しか
)
り冒険である。
愛か
(新字新仮名)
/
李光洙
(著)
盗賊
(
どろぼう
)
が入ったといって、お歌さんが
喚
(
わめ
)
いた。
乃公
(
おれ
)
もお春さんも続いて下へ降りた。お島は隣の家へ馳付けた。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「はい、そうです」
答
(
こた
)
えながら
先方
(
さき
)
は
此方
(
こちら
)
を向いて来て、二人が近寄ってみると、
先刻
(
さっき
)
帰した書生なので、「君は、
一躰
(
いったい
)
如何
(
どう
)
したのだ、僕は
盗賊
(
どろぼう
)
だと思ったよ」
怪物屋敷
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
『
盗賊
(
どろぼう
)
!』最初勝平は、そう叫ぼうかとさえ思ったが、彼の四十男に相当した冷静が彼の口を制したが、その次ぎに、ムラ/\と彼の心を閉したものは、漠然たる
嫉妬
(
しっと
)
だった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
「
盗賊
(
どろぼう
)
は私を箱へ入れて、
支那
(
しな
)
へ
伴
(
つ
)
れて行かうと思ひましてねえ。乗せられたのですよ船へ、船に酔ふと苦しいものですよ。目が赤くなつて、足がひよろひよろになつてしまふのです。」
私の生ひ立ち
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
『——ただおどかされたのか?』と蕎麦売りはすげなく問うた『
盗賊
(
どろぼう
)
にか?』
貉
(新字新仮名)
/
小泉八雲
(著)
スワヤ
盗賊
(
どろぼう
)
と怖気立ちたれど、血気の若ものやにはに手頃の棒を携へ来り天晴れ高名するつもりも、相手の庄太郎なるに心得られて、容易くは進みかねたれど、我が主人の危急には代へ難しと
心の鬼
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
「眼がきょろきょろしていますから、まだ
盗賊
(
どろぼう
)
がやまないでしょう。」
嬰寧
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
何か物音が
為
(
し
)
たと思うと眼が覚めた。さては
盗賊
(
どろぼう
)
と半ば
身体
(
からだ
)
を起してきょろきょろと
四辺
(
あたり
)
を見廻したが、
森
(
しん
)
としてその様子もない。夢であったか
現
(
うつつ
)
であったか、頭が錯乱しているので
判然
(
はっきり
)
しない。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
探偵又は
盗賊
(
どろぼう
)
など総て忍びの職業をする者が用うる様な忍び提灯を高く差し附け門札の文字を読んで居る、爾して余の近づく足音に、其の者は直ちに提灯を消し、コソコソと
暗
(
やみ
)
の中へ隠れて了った
幽霊塔
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
また今見た姿を
隣人
(
となりのひと
)
とは思ったが寝ぼけ眼の事だから、もしや
盗賊
(
どろぼう
)
ではないかと私は
直
(
すぐ
)
に
寝台
(
ねだい
)
から
飛下
(
とびお
)
りて行って
闥
(
ドア
)
の
錠
(
じょう
)
を
検
(
しら
)
べると、ちゃんとかかっている、窓の方や
色々
(
いろいろ
)
と人の入った形跡を見たが
闥の響
(新字新仮名)
/
北村四海
(著)
「ええ、
昨晩
(
ゆうべ
)
、
盗賊
(
どろぼう
)
にとられた
物
(
もの
)
のことを
言
(
ゆ
)
つてるのでせう」
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
終
(
しまい
)
には
盗賊
(
どろぼう
)
だって関わないとまで思った。
予が半生の懺悔
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
「
盗賊
(
どろぼう
)
だ、盗賊のかかり合いだ」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
と責めつけられても百姓は
生命
(
いのち
)
より金の方が欲しいと見えて、「
盗賊
(
どろぼう
)
々々」と云う声が
谺
(
こだま
)
に響きますが、
誰
(
たれ
)
あっても助ける者はありません。
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「いいえ、
盗賊
(
どろぼう
)
することも、する人もいけませんけれど、だって、あの方なんですもの。そしてもう、もう私、おかみさんになりました。」
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ワルゼエはよく淫売狩をも
行
(
や
)
つた男で、何でもその当時巴里で名うての
白首
(
しろくび
)
を情婦にして、内職には
盗賊
(
どろぼう
)
を稼いでゐた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
政府へ納められて
盗賊
(
どろぼう
)
役人だかも知れない役人の月給などになるのではなく、
直
(
すぐ
)
に骨董屋さんへ廻って世間に流通するのであるから、
手取早
(
てっとりばや
)
く世間の融通を助けて
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
此度
(
こんど
)
は
丁度
(
ちょうど
)
私の家と隣屋敷との境の生垣のあたりなので、少し横に廻って、こっそりと様子を
窺
(
うかが
)
うと、
如何
(
どう
)
も人間らしい姿が見えるのだ、こいつは、てっきり
盗賊
(
どろぼう
)
と思ったので
怪物屋敷
(新字新仮名)
/
柳川春葉
(著)
『
盗賊
(
どろぼう
)
ではない——
盗賊
(
どろぼう
)
ではない』とおじけた男は喘ぎながら云った『私は見たのだ……女を見たのだ——濠の
縁
(
ふち
)
で——その女が私に見せたのだ……ああ! 何を見せたって、そりゃ云えない』
貉
(新字新仮名)
/
小泉八雲
(著)
「この人の眼は、ぎょろぎょろしてて、
盗賊
(
どろぼう
)
みたいね。」
嬰寧
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
「では
盗賊
(
どろぼう
)
でござんすか」
大菩薩峠:08 白根山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
それに
金側
(
きんがわ
)
の時計がございません、何うも腹ア切った
後
(
あと
)
で、まさかあんな姿をしている処を
盗賊
(
どろぼう
)
も掛りますまいとは思いますが
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
直接
(
じか
)
に攫徒に渡してやるもいかがなもんだよ。何よりもだね、そんな
盗賊
(
どろぼう
)
とひそひそ話をして……公然とは出来んさ、いずれ
密々話
(
ひそひそばなし
)
さ。」
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
長範は自分が
盗賊
(
どろぼう
)
に来た事も忘れて
理由
(
わけ
)
を訊くと、坊さんは例の弥勒出世の大師の誓願を説いて聞かせた。
茶話:02 大正五(一九一六)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
悪口をいえば骨董は死人の
手垢
(
てあか
)
の附いた物ということで、余り心持の好いわけの物でもなく、大博物館だって
盗賊
(
どろぼう
)
の手柄くらべを見るようなものだが、そんな
阿房
(
あほ
)
げた論をして見たところで
骨董
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「
盗賊
(
どろぼう
)
!」
大菩薩峠:07 東海道の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
八「此の野郎呆れた野郎だ、己が身体利かねえようにして、己が荷物から脇差から
大事
(
でいじ
)
な書付まで盗みやがった、
盗賊
(
どろぼう
)
々々、此の野郎々々」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
秋谷村には甘え柿と、苦虫あるを知んねえか、とわざと臆病に見せかけて、宵に
遁
(
に
)
げたは
真田幸村
(
さなだゆきむら
)
、やがてもり返して
盗賊
(
どろぼう
)
の巣を
乗取
(
のっと
)
る
了簡
(
りょうけん
)
。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
先日
(
こなひだ
)
の晩、小文さんが
例
(
いつも
)
のやうにぶらつきに出掛けると、都合よくその
間
(
ま
)
に
盗賊
(
どろぼう
)
がなかに忍び込んだ。都合よくといつたのに何の不思議があらう、小文さんは
談話
(
はなし
)
が好きだ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
角「なに五十両貸してくれと、己は
数坂越
(
かずさかごえ
)
を幾度もするが、
汝
(
われ
)
エような
盗賊
(
どろぼう
)
がいるから旅人が難渋するのだ、さア名主へ連れて
往
(
ゆ
)
くから来い」
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
いや、愛想の尽きた
蛆虫
(
うじむし
)
め、往生際の悪い
丁稚
(
でっち
)
だ。そんな、しみったれた奴は
盗賊
(
どろぼう
)
だって風上にも置きやしない、酒井の前は恐れ多いよ、帰れ!
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この筆法をもってすれば、
情婦
(
いろ
)
から来た
文殻
(
ふみがら
)
が
紛込
(
まぎれこ
)
んだというので、紙屑買を
追懸
(
おっか
)
けて、慌てて
盗賊
(
どろぼう
)
と怒鳴り兼ねまい。
婦系図
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
相「いえー孝助
手前
(
てめえ
)
のお蔭で屋敷を追出されて
盗賊
(
どろぼう
)
をするように成った、今
此処
(
こゝ
)
で鉄砲で打ち殺すんだからそう思え」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「おじいさん、お前には御両親、おとっさんもおっかさんもないのだってね、おじいさんは何なの、その人が
盗賊
(
どろぼう
)
だってことを知らないのかい。」
わか紫
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
それから君はおかみさんが邪魔になるものだから殺して置いて、
盗賊
(
どろぼう
)
が
斬殺
(
きりころ
)
したというのだろう、そうでしょう/\
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ふむ、それでお前さん、
盗賊
(
どろぼう
)
をすりゃ世話は無いじゃあないか。」と言って、心ありげに淋しい
笑
(
えみ
)
を含んだのである。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
相「なんだ、人違いだなぞと嘘をついて、嘘をつく者は
盗賊
(
どろぼう
)
の始りナニ
疾
(
と
)
うに盗賊にもう成っているのだから仕方がない、
直
(
す
)
ぐに縄を掛けてお引きなさい」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
ぐッすり
寐込
(
ねこ
)
んででもいようもんなら、
盗賊
(
どろぼう
)
が
遁込
(
にげこ
)
んだようじゃから、なぞというて、叩き起して
周章
(
あわ
)
てさせる。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
おい
姉
(
ねえ
)
さん、泣いたっていけねえ、おい、お
前
(
めえ
)
本当に今日
斯
(
こ
)
う
遣
(
や
)
って
担
(
かつ
)
ぎ上げたのは
酷
(
ひど
)
い、
盗賊
(
どろぼう
)
勾引
(
かどわかし
)
と思うだろうが、
然
(
そ
)
うでない、実は旦那が又惚れたんだ
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「いえ、頂こうというんじゃねえんで、そんな時だ、
私
(
わっし
)
あ、お嬢さんにどうにかすらあ。
盗賊
(
どろぼう
)
でも、人殺でも、
放火
(
つけび
)
でも何でもすらあ。ええ、お嬢さん、」
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
由「マヽ静かにして下さいまし、私共を同類だの
盗賊
(
どろぼう
)
だのと仰しゃっちゃア困りますが、何う云う訳でげす」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
その代り素ばらしいのを一名、こりゃ、華族で
盗賊
(
どろぼう
)
だと申しますから、味方には
誂向
(
あつらえむ
)
き、いざとなりゃ、船の一
艘
(
そう
)
ぐらい土蔵を開けて出来るんでござります。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
清左衞門は実に
呆然
(
ぼんやり
)
して、娘は
盗賊
(
どろぼう
)
の汚名を受けこれを恥かしいと心得て
入水
(
じゅすい
)
致した上は最早世に
楽
(
たのし
)
みはないと
遺書
(
かきおき
)
を
認
(
したゝ
)
め、
家主
(
いえぬし
)
へ重ね/″\の礼状でございます
政談月の鏡
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“盗賊”の意味
《名詞》
盗賊(とうぞく)
盗みや略奪を行う賊。盗人。
(出典:Wiktionary)
“盗賊”の解説
盗賊(とうぞく)とは、法令から逸脱して強奪(掠奪)などを行う者たちの集団を指す。
(出典:Wikipedia)
盗
常用漢字
中学
部首:⽫
11画
賊
常用漢字
中学
部首:⾙
13画
“盗賊”で始まる語句
盗賊化
盗賊燈
盗賊猫
盗賊々々
盗賊盗賊
盗賊紳士
盗賊野郎