“手垢”の読み方と例文
読み方割合
てあか100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
旅の暇には、彼はたずさえている書物に読み耽るらしく、手垢てあかで黒くなった四五冊のむずかしい書物が、いつも彼の座右ざうにあるのでした。
湖畔亭事件 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
すると籠屋は煙管をき、茶を一杯ぐっと傾けて、さて、表座敷の神棚から一冊の手垢てあかに汚れた和本を下ろして来て、無雑作にたずねはじめた。
錦紗 (新字新仮名) / 犬田卯(著)
二月ほど前に彼の売った手垢てあかだらけの「ツアラトストラ」だった。彼は店先きにたたずんだまま、この古い「ツアラトストラ」を所どころ読み返した。