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泥坊
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どろぼう
ふりがな文庫
“
泥坊
(
どろぼう
)” の例文
荷物にも福澤と記さず、コソ/\して往来するその
有様
(
ありさま
)
は、
欠落者
(
かけおちもの
)
が人目を忍び、
泥坊
(
どろぼう
)
が逃げて
廻
(
ま
)
わるような
風
(
ふう
)
で、誠に面白くない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
少女の女中さんは、またしても、じぶんの寝室をぬけだして、二階の廊下をまるで
泥坊
(
どろぼう
)
のように、足音をしのばせて歩いているのでした。
サーカスの怪人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
「
不都合
(
ふつごう
)
な
奴
(
やつ
)
だ。しかしおとなしく人形をだしたから、
命
(
いのち
)
だけは
助
(
たす
)
けてやる。どこへなりといってしまえ。またこれから
泥坊
(
どろぼう
)
をすると
許
(
ゆる
)
さんぞ」
人形使い
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
映画はあひる
泥坊
(
どろぼう
)
を追っかけるといったようなたわいないものであったが、これも「見るまでは信じられなくて、見れば驚くと同時に、やがては当然になる」
映画時代
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「うちやったら裸で帰る。あんな恥知らずな電話かけるぐらいやったら、裸で帰る。」「こんな時に
泥坊
(
どろぼう
)
に
遇
(
あ
)
うなんぞ、悪いこと出来まへんもんだんなあ。」
卍
(新字新仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
▼ もっと見る
たぶん
退
(
ひ
)
けのおそい駅員が
表
(
おもて
)
を通るのだろう。それも、ゆっくり自分の家に帰って行く途中に違いない。まさか
泥坊
(
どろぼう
)
をしに庭の塀を
攀
(
よ
)
じ登っているのではあるまい。
にんじん
(新字新仮名)
/
ジュール・ルナール
(著)
「
泥坊
(
どろぼう
)
め!」とブーラトリュエルは地平線に向かって両の
拳
(
こぶし
)
を振り上げながら叫んだ。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
庭の植込みに隠れていたかもしれない
泥坊
(
どろぼう
)
の
詮議
(
せんぎ
)
や、一応は疑われた婆やさんのこと、酒田の物忘れについての
疑惑
(
ぎわく
)
など、いろいろのことが入りくんでややこしくなったのであるが
鞄らしくない鞄
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
さア其の文治殿は悪人でござるか、
乃至
(
ないし
)
泥坊
(
どろぼう
)
でござるか
後の業平文治
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「ええ、
泥坊
(
どろぼう
)
を
掴
(
つか
)
まえ損じまして、——」
保吉の手帳から
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
「
泥坊
(
どろぼう
)
!」
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
大いに
嫌
(
きら
)
ひなり殊に貴樣は江州者だと云ふが
近江
(
あふみ
)
盜人
(
どろぼう
)
伊勢
乞食
(
こじき
)
と云事があり
勿々
(
なか/\
)
江州の者は
油斷
(
ゆだん
)
はならずと
斷
(
ことわ
)
るに彼男それは旦那樣貴方の
御聞違
(
おきゝちが
)
ひなり近江殿御に伊勢子正直と申ので御座りますナニ近江者が
泥坊
(
どろぼう
)
と限りますものかと
云
(
いひ
)
ければ半四郎は
否々
(
いや/\
)
夫は
左
(
と
)
も
右
(
かく
)
もなんだか氣味が
惡
(
わる
)
し某は
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
仙人ならいろんな術を知ってるに違いないから、それを教わって、
上手
(
じょうず
)
な
泥坊
(
どろぼう
)
になろうと考えました。
泥坊
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
ものぐさのおかげで大臣にも富豪にも
泥坊
(
どろぼう
)
にも
乞食
(
こじき
)
にもならずにすんだのかもしれない。
柿の種
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
「なんだろう。人が歩いているような音がしたが、まさか
泥坊
(
どろぼう
)
じゃあるまいな。」
黄金豹
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
生れてから
泥坊
(
どろぼう
)
をしたことはないが、泥坊の心配も
大抵
(
たいてい
)
こんなものであろうと推察しながら、とう/\写し終りて、図が二枚あるその図も写して
仕舞
(
しまっ
)
て、サア出来上った。出来上ったが
読合
(
よみあわ
)
せに困る。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
そして一度盗み食いをしてみると、うまいのうまいくないのって、もう木の実を食ったり
霞
(
かすみ
)
を吸ったりしているのが馬鹿らしくて、ごちそう
泥坊
(
どろぼう
)
になってしまったのです。
天狗の鼻
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
げじげじから
泥坊
(
どろぼう
)
、泥坊からしらみを取って食う鍛冶橋見付の乞食、それから小田原の倶梨伽羅紋々と、自分の幼時の「グロテスク教育」はこういう順序で
進捗
(
しんちょく
)
して行ったのであった。
蒸発皿
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
そういう安心があったものですから、
大胆
(
だいたん
)
にやっていますと、客が眼を覚まして「
泥坊
(
どろぼう
)
!」とどなりました。五右衛門はびっくりして、すぐ雨戸の隙間から外へ術で逃げ出しました。
泥坊
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
第一には、宅へ始めて尋ねて来る人にはこの風呂屋の高い煙突を目当てにして来るように教えるとわかりが早い。それから、第二には夜の門前が明るくなって
泥坊
(
どろぼう
)
の
徘徊
(
はいかい
)
には不便である。
柿の種
(新字新仮名)
/
寺田寅彦
(著)
どちらにしても、自分が
泥坊
(
どろぼう
)
なんかをやるからこんなことになるのだと考えました。
泥坊
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
泥
常用漢字
中学
部首:⽔
8画
坊
常用漢字
中学
部首:⼟
7画
“泥坊”で始まる語句
泥坊士
泥坊市
泥坊芝居