トップ
>
盗人
>
どろぼう
ふりがな文庫
“
盗人
(
どろぼう
)” の例文
旧字:
盜人
巡査は頬を膨らして、「黙れ。場所柄も
弁別
(
わきま
)
えず乱暴をいたしおる。棄置かれぬ奴等だ。華族方の尊威を
汚
(
けが
)
すのみならず、
恣
(
ほしいまま
)
にここの売物を
啖
(
くら
)
いよったは
盗人
(
どろぼう
)
だぞ。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
ふと老父さんは、老妻が丁寧にお辞儀をしている頭のさきを、
盗人
(
どろぼう
)
が、自分の外套をきて出てゆくのを思いうかべた。そして
淋
(
さび
)
しい顔をして、
私
(
あたし
)
のところへいつけに来た。
旧聞日本橋:09 木魚の配偶
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
と、云って笑ったが、皿鉢
盗人
(
どろぼう
)
は承知と見えて、それっきり何も云わない、云わない筈さ、泥絵の絵具を塗ったように、金襴手の上薬がぼろぼろこぼれるという二分もしない皿鉢さ
幽霊の自筆
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
聞くと、途中で畑
盗人
(
どろぼう
)
をして来たんだそうで——それじゃかえって、憑込もうではありませんか。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
祖母がすっかりすましてきても、金箱の
鍵
(
かぎ
)
があかないで、祖父は
盗人
(
どろぼう
)
におどしつけられていた。
旧聞日本橋:20 西川小りん
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
▼ もっと見る
「この
盗人
(
どろぼう
)
、俺をこんな目に逢わしておいて、またここへ何しに来たのだ」
雷峯塔物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
生命
(
いのち
)
がけの
情人
(
いろ
)
が有って、火水の中でも添わねばならない、けれど、借金のために身抜けが出来ず——以前
盗人
(
どろぼう
)
が居直って、
白刃
(
しらは
)
を胸へ突きつけた時、
小夜着
(
こよぎ
)
を
被
(
かぶ
)
せて私を
庇
(
かば
)
って
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
盗人
(
どろぼう
)
は飛上って次の間へゆき、グルリと見廻して出て来た。
旧聞日本橋:09 木魚の配偶
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
「
盗人
(
どろぼう
)
、盗人をつかまえたから、皆来てくれ」
雷峯塔物語
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
私
(
わっし
)
あね、親孝行な奴が感心だというんじゃあねえんで、へい、不孝な奴でも
豪
(
えら
)
いといいます。へい、
盗人
(
どろぼう
)
だって気に入るのがあるし、
施
(
ほどこし
)
をする奴に
撲倒
(
はりたお
)
してやりたいのがありますね。
三枚続
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
年紀
(
とし
)
は若し、
容色
(
きりょう
)
は
佳
(
よ
)
し、なるほど操は守られますまい、
可
(
よ
)
し
情夫
(
いろおとこ
)
が千人あろうと、
姦夫
(
まおとこ
)
をなさろうと、それは貴女の御勝手だが、
人殺
(
ひとごろし
)
をしても仁者と謂われ、
盗人
(
どろぼう
)
をしても善人と謂われて
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
盗
常用漢字
中学
部首:⽫
11画
人
常用漢字
小1
部首:⼈
2画
“盗人”で始まる語句
盗人根性
盗人猫
盗人冥利
盗人仲間
盗人厩
盗人心
盗人覗
盗人上戸
盗人沙汰
盗人猛々