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捕
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つら
ふりがな文庫
“
捕
(
つら
)” の例文
代助は此細君を
捕
(
つら
)
まへて、かつて奥さんと云つた事がない。
何時
(
いつ
)
でも
三千代
(
みちよ
)
さん/\と、結婚しない前の通りに、
本名
(
ほんみよう
)
を
呼
(
よ
)
んでゐる。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
仙「えお侍、訳は知りませんがこれは仲の幇間で、一人は通り掛りの者だ、
弱
(
よえ
)
え町人を
捕
(
つら
)
めえて
御詫
(
ごたく
)
を云わなくッても宜かろう、エお侍」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
もう
捕
(
つら
)
まったが、総身にべっとり返り血を浴びてな、金もちゃんと持っていたそうだよ。
かもじの美術家:――墓のうえの物語――
(新字新仮名)
/
ニコライ・セミョーノヴィチ・レスコーフ
(著)
「
私
(
わたくし
)
の
樣
(
やう
)
なものには
到底
(
たうてい
)
悟
(
さとり
)
は
開
(
ひら
)
かれさうに
有
(
あ
)
りません」と
思
(
おも
)
ひ
詰
(
つ
)
めた
樣
(
やう
)
に
宜道
(
ぎだう
)
を
捕
(
つら
)
まへて
云
(
い
)
つた。それは
歸
(
かへ
)
る
二三日
(
にさんち
)
前
(
まへ
)
の
事
(
こと
)
であつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
番新「花魁見なましよ、長次はんがまた正孝はんを
捕
(
つら
)
まえてコソ/\話をしてえるよ、横着ものだよ」
粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分):02 粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
▼ もっと見る
「甘木さんですか、甘木さんもあんな病人に
捕
(
つら
)
まっちゃ災難ですな」「へえ」と細君は挨拶のしようもないと見えて簡単な答えをする。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼女の結婚が
家中
(
うちじゅう
)
の問題になったのもつまりはそのためであった。お重はこの問題についてよくお貞さんを
捕
(
つら
)
まえて離さなかった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
四つ角まで出ると交番の所に人が大勢立っていた。御作さんは旦那の
廻套
(
まわし
)
の
羽根
(
はね
)
を
捕
(
つら
)
まえて、伸び上がりながら、
群集
(
ぐんじゅ
)
の中を
覗
(
のぞ
)
き込んだ。
永日小品
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
町さえはずれれば、どこで追いついても構わないが、なるべくなら、人家のない、杉並木で
捕
(
つら
)
まえてやろうと、見えがくれについて来た。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
何でも彼がその次に有楽座へ行った時、案内者を
捕
(
つら
)
まえて、何とかかんとかした上に、だいぶ込み入った
手数
(
てかず
)
をかけたんだそうだ
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
時には相手が笑つてゐて、
何時
(
いつ
)
迄も要領を得ない事がある。与次郎は
之
(
これ
)
を
人
(
ひと
)
利
(
り
)
あらずと号してゐる。
或時
(
あるとき
)
便所から
出
(
で
)
て
来
(
き
)
た教授を
捕
(
つら
)
まへた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
代助はこの細君を
捕
(
つら
)
まえて、かつて奥さんと云った事がない。何時でも三千代さん三千代さんと、結婚しない前の通りに、本名を呼んでいる。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ただこの前
勧
(
すす
)
められた時には、何らの目的物がなかったのに、今度はちゃんと
肝心
(
かんじん
)
の当人を
捕
(
つら
)
まえていたので、私はなお困らせられたのです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
代助は誠太郎を
捕
(
つら
)
まえて、
例
(
いつも
)
の様に
調戯
(
からか
)
い出した。誠太郎はこの間代助が歌舞伎座でした
欠伸
(
あくび
)
の数を知っていた。そうして
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「私のようなものにはとうてい
悟
(
さとり
)
は開かれそうに有りません」と思いつめたように宜道を
捕
(
つら
)
まえて云った。それは帰る
二三日
(
にさんち
)
前の事であった。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
それで男と女が洋食屋へ入ってから以後の事だけをごく
淡泊
(
あっさ
)
り話して見ると、
宅
(
うち
)
を出る時自分が心配していた通り、少しも
捕
(
つら
)
まえどころのない
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
代助は誠太郎を
捕
(
つら
)
まえて、
例
(
いつも
)
の様に
調戯
(
からか
)
ひ
出
(
だ
)
した。誠太郎は
此間
(
このあひだ
)
代助が歌舞伎
座
(
ざ
)
でした
欠伸
(
あくび
)
の
数
(
かず
)
を知つてゐた。さうして
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
自分は三沢が便所へ行った留守に、看護婦を
捕
(
つら
)
まえて、「三沢はああ云ってるが、僕のいないとき、あの女の室へ行って話でもするんじゃないか」
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
常でさえ宗近君に
捕
(
つら
)
まると何となく不安である。宗近君と
藤尾
(
ふじお
)
の関係を知るような知らぬような
間
(
ま
)
に、自分と藤尾との関係は成り立ってしまった。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
首を出して、浮世だなと気がつけばすぐ奥の院へ引き返す。引き返す前に、
捕
(
つら
)
まえた人が勝ちである。捕まえ
損
(
そこ
)
なえば
生涯
(
しょうがい
)
甲野さんを知る事は出来ぬ。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
爺さんなんて物覚えのわるいものだ。一人が博物を
捕
(
つら
)
まえて
近頃
(
ちかごろ
)
こないなのが、でけましたぜ、弾いてみまほうか。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
宗助
(
そうすけ
)
には
父母
(
ふぼ
)
未生
(
みしやう
)
以前
(
いぜん
)
といふ
意味
(
いみ
)
がよく
分
(
わか
)
らなかつたが、
何
(
なに
)
しろ
自分
(
じぶん
)
と
云
(
い
)
ふものは
必竟
(
ひつきやう
)
何物
(
なにもの
)
だか、
其
(
その
)
本體
(
ほんたい
)
を
捕
(
つら
)
まへて
見
(
み
)
ろと
云
(
い
)
ふ
意味
(
いみ
)
だらうと
判斷
(
はんだん
)
した。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
宗助には父母未生以前という意味がよく分らなかったが、何しろ自分と云うものは
必竟
(
ひっきょう
)
何物だか、その本体を
捕
(
つら
)
まえて見ろと云う意味だろうと判断した。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「事実とは何だ。おれの頭の中にある事実が、お前のような教養に乏しい女に
捕
(
つら
)
まえられると思うのか。馬鹿め」
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そこで廊下で熊本出の同級生を
捕
(
つら
)
まへて、昇之助とは何だと聞いたら、寄席へ出る娘義太夫だと教へて呉れた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
支那の小僧が
跣足
(
はだし
)
で
跟
(
つ
)
いて来た。番頭を
捕
(
つら
)
まえてしきりにこそこそ何か云っている。番頭に聞くと、ええなにと
曖昧
(
あいまい
)
な答をする。また聞き返したらこう云った。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そこで仕方がないから、こっちも向うの筆法を用いて
捕
(
つら
)
まえられないで、手の付けようのない返報をしなくてはならなくなる。そうなっては
江戸
(
えど
)
っ子も
駄目
(
だめ
)
だ。
坊っちゃん
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
股野はその間を
馳
(
か
)
け
回
(
まわ
)
って、おい誰さんはいないかねと、しきりに技師を探していた。技師は股野に
捕
(
つら
)
まるほど
閑
(
ひま
)
でなかったと見えて、とうとう見当らなかった。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
玄関で、取次の婆さんを
捕
(
つら
)
まえて、宿へ
蟇口
(
がまぐち
)
を忘れて来たから、
一寸
(
ちょっと
)
二十銭貸してくれと云った所などは、どうしても学校時代の平岡を思い出さずにはいられない。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
玄関で、
取次
(
とりつぎ
)
の婆さんを
捕
(
つら
)
まへて、
宿
(
やど
)
へ
蟇口
(
がまぐち
)
を忘れて
来
(
き
)
たから、
一寸
(
ちよつと
)
二十銭借してくれと云つた所などは、どうしても学校時代の平岡を思ひ出さずにはゐられない。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
蕾
(
つぼ
)
んだ薔薇を一面に開かせればそれが
自
(
おのず
)
からなる彼の未来である。未来の節穴を得意の
管
(
くだ
)
から
眺
(
なが
)
めると、薔薇はもう開いている。手を出せば
捕
(
つら
)
まえられそうである。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
余の質問を受けるや否やどこかへ消えて無くなったが、やがて帰って来て、
高麗城子
(
こまじょうし
)
と云うんだそうですと教えてくれた。土人を
捕
(
つら
)
まえて聞いて来たのだそうである。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
中折の男は困ったなと云いながら、
外套
(
がいとう
)
の
襟
(
えり
)
を立てて
洋袴
(
ズボン
)
の
裾
(
すそ
)
を返した。敬太郎は洋杖を突きながら立ち上った。男は雨の中へ出ると、
直
(
すぐ
)
寄って来る
俥引
(
くるまひき
)
を
捕
(
つら
)
まえた。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
来年になればもうシキを出たって構わない、七年目だからな。しかし出ない、また出られない。制裁の手には
捕
(
つら
)
まらないが、出ない。こうなりゃ出たって仕方がない。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし二日
経
(
た
)
っても三日経っても、私はそれを
捕
(
つら
)
まえる事ができません。私はKのいない時、またお嬢さんの留守な折を待って、奥さんに談判を開こうと考えたのです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
御肴
(
おんさかな
)
の
裏
(
うち
)
から飛び出した若い男を
捕
(
つら
)
まえて、第二世の自分であるごとく、全く同じ調子と、同じ態度と、同じ言語と、もっと立ち入って云えば、同じ熱心の程度をもって
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そればかりでなく、松本は田口を
捕
(
つら
)
まえて、役には立つが頭のなっていない男だと
罵
(
のの
)
しった。
彼岸過迄
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
かうなると、
紬
(
つむぎ
)
の羽織では何だか
安
(
やす
)
つぽい受附の気がする。制服を
着
(
き
)
て
来
(
く
)
れば
善
(
よ
)
かつたと思つた。其うち会員が段々
来
(
く
)
る。与次郎は
来
(
く
)
る
人
(
ひと
)
を
捕
(
つら
)
まへて
屹度
(
きつと
)
何とか
話
(
はな
)
しをする。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
僕は先刻あすこにいる女達を
捕
(
つら
)
まえて、ありゃ芸者かって君に聴いて
叱
(
しか
)
られたね。君は貴婦人に対する礼義を心得ない野人として僕を叱ったんだろう。よろしい僕は野人だ。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
神田川では、満洲へ旅行した話やら、露西亜人に
捕
(
つら
)
まって
牢
(
ろう
)
へぶち込まれた話をしていた。
長谷川君と余
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
本来ならあの女を
捕
(
つら
)
まえて日記中の女と同人か別物かを
明
(
あきらか
)
にした上で遺伝の研究を初めるのが順当であるが、本人の居所さえたしかならぬただいまでは、この順序を逆にして
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
もし愛という不可思議なものに
両端
(
りょうはじ
)
があって、その高い
端
(
はじ
)
には神聖な感じが働いて、低い端には
性欲
(
せいよく
)
が動いているとすれば、私の愛はたしかにその高い極点を
捕
(
つら
)
まえたものです。
こころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
けれども考える方向も、考える問題の実質も、ほとんど
捕
(
つら
)
まえようのない
空漠
(
くうばく
)
なものであった。彼は考えながら、自分は非常に
迂濶
(
うかつ
)
な
真似
(
まね
)
をしているのではなかろうかと
疑
(
うたが
)
った。
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼には澄ましてそこを通り抜けるだけの腹がなかった。それでいて当らず
障
(
さわ
)
らず話を
傍
(
わき
)
へ流すくらいの技巧は心得ていた。彼は小林に
捕
(
つら
)
まらなければならなかった。彼は云った。
明暗
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼
(
かれ
)
は
考
(
かんが
)
へた。けれども
考
(
かんが
)
へる
方向
(
はうかう
)
も、
考
(
かんが
)
へる
問題
(
もんだい
)
の
實質
(
じつしつ
)
も、
殆
(
ほと
)
んど
捕
(
つら
)
まえ
樣
(
やう
)
のない
空漠
(
くうばく
)
なものであつた。
彼
(
かれ
)
は
考
(
かんが
)
へながら、
自分
(
じぶん
)
は
非常
(
ひじやう
)
に
迂濶
(
うくわつ
)
な
眞似
(
まね
)
をしてゐるのではなからうかと
疑
(
うたが
)
つた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
心配するから迷信
婆々
(
ばばあ
)
さ、あなたが御移りにならんと御嬢様の御病気がはやく御全快になりませんから是非この月
中
(
じゅう
)
に方角のいい所へ御転宅遊ばせと云う訳さ。飛んだ
預言者
(
よげんしゃ
)
に
捕
(
つら
)
まって、大迷惑だ
琴のそら音
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そうなると自然派は浪漫派の出店みたようなものになってしまいます。イブセンを
捕
(
つら
)
まえて自然派だと云う人があります。どうもイブセンとモーパサンとはいっしょにならないように思われます。
創作家の態度
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
しかし朝になって授業が面白く出来ないのは昨日と変る事はなかった。三日目に教員の一人を
捕
(
つら
)
まえて君白山方面に美人がいるかなと尋ねて見たら、うむ沢山いる、あっちへ引越したまえと云った。
趣味の遺伝
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ある時自分は、船の男を
捕
(
つら
)
まえて聞いて見た。
夢十夜
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
捕
常用漢字
中学
部首:⼿
10画
“捕”を含む語句
捕縛
召捕
引捕
捕手
捕吏
捕虜
逮捕
生捕
捕繩
取捕
捕縄
捕捉
追捕
総追捕使
御召捕
魚捕
分捕
捕方
手捕
鼠捕
...