とらえ)” の例文
しばらくして黄金丸は、鷲郎に打向ひて、今日朱目がもとにて聞きし事ども委敷くわしく語り、「かかる良計ある上は、すみやかに彼の聴水を、おびいだしてとらえんず」ト、いへば鷲郎もうち点頭うなず
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
僕の心持が何かの調子でやわらげられたのか、千代子の僕に対する態度がどこかで角度を改ためたのか、それは判然はんぜんと云いにくい。こうだと説明のできるとらえどころは両方になかったらしく記憶している。
彼岸過迄 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)