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捕
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つかま
ふりがな文庫
“
捕
(
つかま
)” の例文
「ぢやア
僕
(
ぼく
)
は帰るよ。もう………。」と
云
(
い
)
ふばかりで
長吉
(
ちやうきち
)
は
矢張
(
やは
)
り
立止
(
たちどま
)
つてゐる。その
袖
(
そで
)
をお
糸
(
いと
)
は軽く
捕
(
つかま
)
へて
忽
(
たちま
)
ち
媚
(
こび
)
るやうに
寄添
(
よりそ
)
ひ
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
男の人が、それを
袂
(
たもと
)
へ入れろ入れろと言うじゃないかなし。私が入れた。そうすると、この袂を
捕
(
つかま
)
えて、どうしても放さなかった……
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
「いゝえ、お
祖父樣
(
ぢいさん
)
、私は螢を
捕
(
つかま
)
へに行くのでは無いのです。つい
其處
(
そこ
)
まで…… あの、お
隣家
(
となり
)
の太一さんの
許
(
とこ
)
まで行くのです。」
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
之
(
これ
)
は審査員に対する遺恨と云ふ様な事で無く、
其
(
その
)
画がよくよく気に
入
(
い
)
らなかつた為だと云ふ。
悪戯
(
いたづら
)
の
主
(
ぬし
)
は
未
(
ま
)
だ
捕
(
つかま
)
らない。(四月十四日)
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
「盗賊は、まだ
捕
(
つかま
)
らぬか。はて、のろまな
警吏
(
やくにん
)
だ」と、後ろへ供につれている
童
(
わっぱ
)
のような小男——
蜘蛛太
(
くもた
)
を顧みてにやりと笑っていた。
親鸞
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
少佐はハッと驚いて両手を上げました。ピストルの筒口が横腹に突きつけられたのです。ああ少佐はとうとう敵に
捕
(
つかま
)
ったのです。
計略二重戦:少年密偵
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
するとある
時
(
とき
)
、ライオンが
猟人
(
かりうど
)
に
捕
(
つかま
)
つて
縛
(
しば
)
られたとこへ
例
(
れい
)
の
鼠
(
ねづみ
)
が
来
(
き
)
て「おぢさん、
待
(
ま
)
つといで」と
言
(
い
)
つて
縛
(
しば
)
つた
縄
(
なわ
)
を
噛切
(
かみき
)
つてやりました。
コドモノスケッチ帖:動物園にて
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
お前はわたしに
欺
(
だま
)
されたと言うか言わない時に、一番
端
(
はし
)
に伏していた
鰐
(
わに
)
がわたくしを
捕
(
つかま
)
えてすつかり
着物
(
きもの
)
を
剥
(
は
)
いでしまいました。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
これと反対に、少しの弱点を
捕
(
つかま
)
えてそれが女の性格の全部のように書いてある近頃の小説などを見ては一層
慊
(
あきた
)
らなく思います。
産屋物語
(新字新仮名)
/
与謝野晶子
(著)
だが、警察署へ訴えたところで、じきにあいつらが
捕
(
つかま
)
ろうか。捕ったところで、うまく
金子
(
かね
)
が戻るだろうか。あぶないものだ。
義血侠血
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
この上は自分一人で夢を
捕
(
つかま
)
えてやろうと決心しました。夜寝る時、一生懸命にその覚悟をしておいて、それから眠りました。
夢の卵
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「親分さん、この敵を取つて下さい。こんな
虐
(
むご
)
たらしい事をして、——家の中の者に違ひありません。
捕
(
つかま
)
へて八つ
裂
(
ざき
)
にでもしてやつて下さい」
銭形平次捕物控:073 黒い巾着
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ズルスケは、こんどこそわけなく
捕
(
つかま
)
えられるだろうと思いました。けれど、ゆだんをして、またしくじってはたいへんです。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
しかもあとで聞くとそれは書生という人間中で一番
獰悪
(
どうあく
)
な種族であったそうだ。この書生というのは時々我々を
捕
(
つかま
)
えて
煮
(
に
)
て食うという話である。
吾輩は猫である
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「もう遠くへ飛んで行ってしまったろうと思いましたのに、
捕
(
つかま
)
えて下さいまして、ほんとうにありがとうございました」
平馬と鶯
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
野牛はますます腹をたててこんどは、切り口に、長い舌をぺろりといれて、こほろぎを
捕
(
つかま
)
へようといたしました。
小熊秀雄全集-14:童話集
(新字旧仮名)
/
小熊秀雄
(著)
「学校の先生なんテ、私は
大嫌
(
だいきら
)
いサ、ぐずぐずして眼ばかりパチつかしているところは蚊を
捕
(
つかま
)
え
損
(
そこ
)
なった
疣蛙
(
えぼがえる
)
みたようだ」とは
曾
(
かつ
)
て自分を
罵
(
のの
)
しった言葉。
酒中日記
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
おかみさんはきいきい
言
(
い
)
って、
火箸
(
ひばし
)
でぶとうとするし、
子供達
(
こどもたち
)
もわいわい
燥
(
はしゃ
)
いで、
捕
(
つかま
)
えようとするはずみにお
互
(
たが
)
いにぶつかって
転
(
ころ
)
んだりしてしまいました。
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
「知ってるよ、知ってるよ。新聞でみると、君は
捕
(
つかま
)
ったと書いてあった。まあよかった。僕たちは、アンナと僕とは、君のことをたいへん考えていたよ。」
ジャン・クリストフ:11 第九巻 燃ゆる荊
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
彼
(
あ
)
の門には番人がある。それに毎日参詣人が多い。忠公は
屹度
(
きっと
)
捕
(
つかま
)
るだろうと思っていたら、夕方になって成功して帰って来た。乃公は此れには少し驚いた。
いたずら小僧日記
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
かねてから知り居る
馴染
(
なじみ
)
のお伝という女が、さぞお待ち遠でござりましょう、と膳を置きつつ云う世辞を、待つ退屈さに
捕
(
つかま
)
えて、待ち遠で待ち遠で
堪
(
たま
)
りきれぬ
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「兄さんがいなくなった後で、盗賊が入って、
嫂
(
ねえ
)
さんを殺して、
腸
(
はらわた
)
を
刳
(
えぐ
)
って逃げたのですが、じつに
惨酷
(
ざんこく
)
な殺しかたでしたよ。だが、それがまだ
捕
(
つかま
)
らないです。」
成仙
(新字新仮名)
/
蒲 松齢
(著)
「ウン、決ったとまでは行かないんだが、重大なる容疑者を
捕
(
つかま
)
えて、今盛んに大江山君が
訊問
(
じんもん
)
している」
人造人間事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
ドーブレクはこの涙に
唆
(
そそ
)
られたものか、乱暴にもその両腕で女をグイと
捕
(
つかま
)
えて自分の方へ引き寄せようとするのを、彼女は満身の力を籠めて憎々しげに突き飛ばした。
水晶の栓
(新字新仮名)
/
モーリス・ルブラン
(著)
もう
望
(
のぞみ
)
がないと思って悲しんでいる時、波間に見え隠れる四、五隻の帆船があったので、急ぎ
捕
(
つかま
)
えると、意外やそれは日本人関矢一郎のひきいるラノン土人の一隊で
昭和遊撃隊
(新字新仮名)
/
平田晋策
(著)
何
(
なん
)
にも
捕
(
つかま
)
らなかつたが
小
(
ちひ
)
さな
叫
(
さけ
)
び
聲
(
ごゑ
)
と
地響
(
ぢひゞき
)
と
硝子
(
ガラス
)
の
破
(
こわ
)
れる
音
(
おと
)
とを
聞
(
き
)
きました、
其物音
(
そのものおと
)
で
愛
(
あい
)
ちやんは、
兎
(
うさぎ
)
が
屹度
(
きつと
)
胡瓜
(
きうり
)
の
苗床
(
なへどこ
)
の
中
(
なか
)
へでも
落
(
お
)
ち
込
(
こ
)
んだに
違
(
ちが
)
ひないと
思
(
おも
)
ひました。
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
へーえ!——彼は
捕
(
つかま
)
ったのだ。——捕った!——護送するまで市の監獄に入れられてるんだ。——護送するって! これから護送するって! どこへ連れて行くんだろう。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「あれは品子さんの飼猫ですかい。ひどくやられましたわい。
捕
(
つかま
)
えようとすると、いきなりここを引掻きおった。じゃが、まんまと
虜
(
とりこ
)
にしてしまいましたがね。ハハハ……」
妖虫
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
坊主にされて今のような立派な男になるには二年ばかり手間が掛るだろう。往生しろと
云
(
いっ
)
て、
髻
(
もとどり
)
を
捕
(
つかま
)
えて鋏をガチャ/\云わせると、当人は
真面目
(
まじめ
)
になって手を合せて拝む。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「どこも行くところなぞありゃしない。
私
(
わし
)
ア丸山さんのとこで
捕
(
つかま
)
って花を引いていたんだ。」
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
布「いえ私は死んでも宜しゅうございます、彼奴等二人を
仮令
(
たとえ
)
私が手をおろして討ちませんでも、
捕
(
つかま
)
えてお上の手を借りましても思う存分に
為
(
し
)
ませんでは腹が癒えませんから」
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
芳一が何かに
魅
(
ばか
)
されていたのは確かなので、一同は芳一を
捕
(
つかま
)
え、その
身体
(
からだ
)
をもち上げて起たせ、力まかせに急いで寺へつれ帰った——そこで住職の命令で、芳一は濡れた著物を脱ぎ
耳無芳一の話
(新字新仮名)
/
小泉八雲
(著)
夫婦
(
ふうふ
)
は
困
(
こま
)
つてしまひました。そして、
鳥屋
(
とりや
)
へもつて
行
(
い
)
つて
賣
(
う
)
りました、けれどそれが
運
(
うん
)
の
盡
(
つ
)
きでした。その
嘴
(
くち
)
からの
言葉
(
ことば
)
で、とうとう
二人
(
ふたり
)
は
捕
(
つかま
)
つて、
暗
(
くら
)
い
暗
(
くら
)
い
牢獄
(
ろうごく
)
のなかへ
投
(
な
)
げこまれました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
尤も
猿公
(
えてこう
)
のなかでも、少し
薄鈍
(
うすのろ
)
なのは、
餌
(
ゑ
)
を食べると直ぐ
遁
(
に
)
げ出すので滅多に
捕
(
つかま
)
へられる事はないが、智慧自慢の
小慧
(
こざかし
)
いのに限つて、猟師の真似をして、戸棚に入るといきなり
扉
(
と
)
を閉めてしまふので
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
国事犯の書生っぽを
捕
(
つかま
)
えたよりゃ、
功
(
こう
)
があるのでしょう
警察署長
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
「
𤢖
(
わろ
)
は
何
(
ど
)
うした、
捕
(
つかま
)
ったか。」
飛騨の怪談
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「犯人は
捕
(
つかま
)
ったのか」
秘められたる挿話
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
けれども
捕
(
つかま
)
へる時の愉快な味が忘れられなかツたので、骨折損も
充
(
つま
)
らないもあツたもので無い。自分は毎夜のやうに、螢征伐に出掛けた。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
「こいつは容易のことぢや下手人は
捕
(
つかま
)
るまい。それより生きてる者の命、通三丁目の井筒屋豊三郎の命が危ない——相手は
自棄
(
やけ
)
になつて居る」
銭形平次捕物控:283 からくり屋敷
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
ヴォンブ
湖
(
こ
)
の岸べに
生
(
は
)
えているハシバミのやぶの中で、メスのリスが一ぴき
捕
(
つかま
)
えられて、近所の
農家
(
のうか
)
につれていかれました。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
捕
(
つかま
)
った相手は、
呼吸
(
いき
)
をしのんで、わざと体を撫でさせているのだったが、内蔵助の手が何ものかを感じて、
恟
(
ぎょ
)
っと引くと
新編忠臣蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「どちらにしても、この洞穴のなかにはいつていつたことは確かだ。昼間はこゝにひそんでるのだ。一つ
捕
(
つかま
)
へてやらう」
エミリアンの旅
(新字旧仮名)
/
豊島与志雄
(著)
「そりゃあ君、知れきってる話さ。無論、
捕
(
つかま
)
らあね。人を殺して置いて自分ばかり助かるという理屈はないからな」
藁草履
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
永代
(
えいたい
)
の橋の上で巡査に
咎
(
とが
)
められた結果、
散々
(
さんざん
)
に
悪口
(
あっこう
)
をついて
捕
(
つかま
)
えられるなら捕えて見ろといいながら四、五人一度に橋の欄干から
真逆様
(
まっさかさま
)
になって水中へ飛込み、暫くして四
夏の町
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
くくっていたかも知れん。あのカンカン寅が、人殺しの
嫌疑
(
けんぎ
)
でお
上
(
かみ
)
に
捕
(
つかま
)
ったと聞いたときは、どうしてわしゃ、こうも運が悪いのかと、力もなにも一度に抜けてしまってのう
疑問の金塊
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
と云うから、礼を云って立っていると、初さんは景気よく
段木
(
だんぎ
)
を
捕
(
つかま
)
えて片足
踏
(
ふ
)
ん
掛
(
が
)
けながら
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
そんな
心懸
(
こころがけ
)
じゃあ
盲目
(
めくら
)
の夫の前で、
情郎
(
いろおとこ
)
と
巫山戯
(
ふざけ
)
かねはしないだろう。
厭
(
いや
)
になったらさっぱりと突出すが可いじゃあないか、あわれな
情
(
なさけ
)
ないものを
捕
(
つかま
)
えて、
苛
(
いじ
)
めるなあ残酷だ。
黒百合
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
大勢で弱い町人を
捕
(
つかま
)
えて打ち打擲致し、割下水の中へ
打込
(
ぶちこ
)
んで、踏んだり蹴たりします。
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
彼はついにテナルディエを
捕
(
つかま
)
えたのである。あれほど見つけ出したいと思っていた男が、今目の前にいるのだった。彼はポンメルシー大佐の要求を果たすことができるのだった。
レ・ミゼラブル:08 第五部 ジャン・ヴァルジャン
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
此
(
この
)
哀
(
あは
)
れな
小
(
ちひ
)
さな
物
(
もの
)
は、
愛
(
あい
)
ちやんが
捕
(
つかま
)
へた
時
(
とき
)
に
蒸氣
(
じやうき
)
機關
(
きくわん
)
のやうな
恐
(
おそ
)
ろしい
鼻息
(
はないき
)
をしました、それからわれと
我
(
わ
)
が
體
(
からだ
)
を二つに
折
(
を
)
り
重
(
かさ
)
ねたり、
又
(
また
)
眞直
(
まつすぐ
)
に
伸
(
の
)
ばしたりなどしたものですから
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
捕
常用漢字
中学
部首:⼿
10画
“捕”を含む語句
捕縛
召捕
引捕
捕手
捕吏
捕虜
逮捕
生捕
捕繩
取捕
捕縄
捕捉
追捕
総追捕使
御召捕
魚捕
分捕
捕方
手捕
鼠捕
...