“呀(あっ)” の例文
そして無雑作に、何の未練もなく、殆んど何の気なしに半身を突きだして首を垂れると、呀(あっ)! といったなりその六階の窓から跳び降りた。
フェリシテ (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
... とてもかくてもこの外に、鼠を探(さが)し捕(と)らんに如(し)かじ」ト、言葉いまだ畢(おわ)らざるに、忽(たちま)ち「呀(あっ)」と叫ぶ声して、鴨居(かもい)より撲地(はた)ト顛落(まろびおつ)るものあり。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
不図見ると、呀(あっ)此処(ここ)にも、梁(はり)の上に頭は見えぬが、大きなものが胴(どう)から下(した)波うって居る。人間が居ないので、蛇君等が処得貌に我家と住みなして居るのである。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
これは矢張(やはり)自分の迷(まよい)であったかと思って、悠然と其処(そこ)を出て、手を洗って手拭(てぬぐい)で手を拭きながら、一寸(ちょっと)庭を見ると彼は呀(あっ)と驚いた、また立っていたのだ、同じ顔
暗夜の白髪 (新字新仮名) / 沼田一雅(著)
呀(あっ)という間もなく弁慶の太刀(たち)を打ち落し、弁慶を引捕えて膝の下へ敷いてしまったから、驚いたのは舞台の上ばかりでなく、満場の客が呀(あっ)といって総立ちの形です。
大菩薩峠:24 流転の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
余は思わず呀(あっ)と叫んで船底に逃げ込まんとせしが、その途端! 天地も崩るるがごとき音して、船はたちまち天空に舞い上り、たちまち奈落に沈むがごとく、それと同時に
南極の怪事 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
五右衛門、権六、常陸、右門、思わず「呀(あっ)」と声を上げ、総立ちのように立ち上がった。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
真青に澄切ってる、この湖に映じて、如何(いか)な風流気のない唐変木(とうへんぼく)も、思わず呀(あっ)と叫ばずにはおられない、よく談話(はなし)にきく、瑞西(すいつる)のゲネパ湖の景(けい)も、斯(か)くやと思われたのであった、何様(なにさま)
雪の透く袖 (新字新仮名) / 鈴木鼓村(著)
「呀(あっ)!」と云う間もなく、ビアトレスは両腕を捩上げられて了った。
P丘の殺人事件 (新字新仮名) / 松本泰(著)
その刹那、俺はもう少しで呀(あっ)と叫ぶところであった。
彼が殺したか (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
ブルダンは呀(あっ)といって跳び退(の)いたが、眼は狂おしく釣りあがり髪は逆立ち、両手をひろげてぶるぶる顫(ふる)えながら、まるで狂人(きちがい)のようになって叫んだ。
青蠅 (新字新仮名) / モーリス・ルヴェル(著)
「何を怒(いか)るや怒(いか)り猪(い)の——俄(にわか)に激(げき)する数千騎(き)」突如(とつじょ)として山崩(くず)れ落つ鵯越(ひよどりごえ)の逆落(さかおと)し、四絃(しげん)を奔(はし)る撥音(ばちおと)急雨(きゅうう)の如く、呀(あっ)と思う間もなく身は悲壮(ひそう)渦中(かちゅう)に捲(ま)きこまれた。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
さては此奴(こやつ)が噬(か)みしならんト、思ひ僻(ひが)めつ大(おおい)に怒(いかっ)て、あり合ふ手頃の棒おつとり、黄金丸の真向(まっこう)より、骨も砕けと打ちおろすに、さしもの黄金丸肩を打たれて、「呀(あっ)」ト一声叫びもあへず
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
「呀(あっ)、痛」
彼が殺したか (新字新仮名) / 浜尾四郎(著)
「呀(あっ)!」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
「呀(あっ)、縁(えん)が」
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
「呀(あっ)!」
「呀(あっ)!」
大菩薩峠:08 白根山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)