)” の例文
『さればさ。この遠藤盛遠を、わすれるやつがあるものか。どうした、おぬし。いやに、うけた顔しているじゃないか』
骨無しのとろとろ、立つべきを何けつる。深山みやま一木檞ひときかしの、風に立つ樹思へや。
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
何度なんどでもけふは何日なんちときくまでにわれけたりと伯父ののらする
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
うけたは、正成のみではない。あめしたみな、どうやら、瘋癲ふうてんにでもかかった気味。——流行はやりの時宗踊じしゅうおどりも笑えまい」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
吾が犬のけてあくなきい寝ざまにうらら春日の照りこそなごめ
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「なあに、女房どのが、夕餉ゆうげのしたくに遅々としておるので、腹がすいたゆえ、うけていたのだ。……焼き魚のけむりもようやく逃げた。まあ上がれ」
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かほ笑ひ照る日に群るる兵見ればけたるがごとし耳ひにけり
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
こんなふうに、碁にかかれば碁に、女にかかれば女に、眼もなく、他意もなく、遊びうけて見える彼だった。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
春なれや苦力クリーととみて十尺とさか煙管きせる吸ひくゆらかに
夢殿 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
……このじいめは、ご先代正遠さまの代から仕え、あなた様がまだおはなを垂らしていた頃からの下郎げろうではございますが、かつてまだ、そんなうけたお方とは、存じませなんだ
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
猛々たけだけし群虎の月にうそぶくをけたるがひとり澗水たにみづなめぬ
黒檜 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
「先頃の一戦は——武門の上では、わが勝ちであったが、城地、領土の損得においては、秀吉に実利を取られておる。うかうかと、虚名きょめいに酔うて、よろこびうけてはならぬ」
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「お気づかいなされますな。夜番の武士もこよいは諸所で、飲みうけておりますれば」
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、あっちをのぞき、こっちにたたずみ、夕迫るのも忘れて、うけ歩いていた。
その高時は、いよいよ公にも病閑びょうかんをえて、遊びうけられるわけである。
私本太平記:02 婆娑羅帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
まだ遊びうけていた。