這個この)” の例文
はうとして、ふとおのれかへりみてあきかへつた。這個この髯斑ひげまだらまなこつぶらにしておもあか辺塞へんさい驍将げうしやうたいして、しかことさむには、当時たうじ流行りうかう剣劇けんげき朱鞘しゆざや不可いけず講談かうだんものゝ鉄扇てつせんでも不可いけない。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かけにしてばん口説くどいた一升入いつしよういり貧乏徳利びんぼふどくりたれかが外套ぐわいたうちう。おなじく月賦げつぷ……這個このまつくろなのを一着いつちやくして、のそ/\と歩行あるやつを、先生せんせいあざけつて——月府玄蝉げつぷげんせん。)のしたしのばしたいきほひだから
春着 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)