しゃ)” の例文
猛然として文角が、立閉たちふさがりつつ角を振りたて、寄らば突かんと身構みがまえたり。「さては加勢の者ありや。しゃものものし金眸が、死物狂ひの本事てなみを見せん」
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
れも、あの創を目標めじるしにしてしゃつらを覚えておりますのだ。
活人形 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
しゃ田舎奴でんしゃぬ、人をまんずること少なからず」 
鯉魚 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
「返す返すも舌長し、折角拾ひしこの鳥を、阿容々々おめおめ爾に得させんや」「しゃツ面倒なりかうしてくれん」ト
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
彼の大藪おおやぶの陰を通る時、一匹の狐物陰より現はれて、わが車の上に飛び乗り、さかなとって投げおろすに。しゃツ憎き野良狐めト、よくよく見れば年頃日頃、憎しと思ふ聴水なれば。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)