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向
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むかい
ふりがな文庫
“
向
(
むかい
)” の例文
やがて、子供は
明日
(
あした
)
の下読をする時間だと云うので、母から注意を受けて、自分の部屋へ引き取ったので、後は差し
向
(
むかい
)
になった。
それから
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と小突いて、
入交
(
いりかわ
)
って、
向
(
むかい
)
の生垣に押つけたが、蒼ざめた
奴
(
やっこ
)
の顔が、
赫
(
かッ
)
と燃えて見えたのは、
咽喉
(
のんど
)
を絞められたものである。
式部小路
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
同じ庭の内の借家に住む二人の「叔父さん」、それから
向
(
むかい
)
の農家の人などは、
提灯
(
ちょうちん
)
を持って見送ってくれた。この粗末な葬式を済ました後で、親戚や友達に知らせた。
芽生
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
小舎の前の渓水に
嗽
(
くちすす
)
ぐ。水は、南へと流れる。当面の小山を隔てて、
向
(
むかい
)
は、西俣の谷になる。
白峰山脈縦断記
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
「ちょいと、わたし聞いて見るわ。」と突然
立止
(
たちどま
)
った。中島は話の腰を折られ、夢から覚めたような
眼付
(
めつき
)
をして、お玉が
向
(
むかい
)
の家の格子戸をあける
後姿
(
うしろすがた
)
をぼんやり眺めていた。
ひかげの花
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
妹が家の
向
(
むかい
)
の山はま木の葉の若葉すゞしくおひいでにけり
墨汁一滴
(新字旧仮名)
/
正岡子規
(著)
町もこうは狭からざりしが、今はただ
一跨
(
ひとまた
)
ぎ二足三足ばかりにて、
向
(
むかい
)
の
雨落
(
あまおち
)
より、
此方
(
こなた
)
の溝まで
亙
(
わた
)
るを得るなり。
照葉狂言
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
胡麻塩頭
(
ごましおあたま
)
の中へ指を突っ込んで、むやみに
頭垢
(
ふけ
)
を掻き落す癖があるので、
差
(
さ
)
し
向
(
むかい
)
の間に
火鉢
(
ひばち
)
でも置くと、時々火の中から妙な
臭
(
におい
)
を立てさせて、ひどく相手を弱らせる事があった。
行人
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
と
音訪
(
おとな
)
う処へ、新聞配達、牛乳配達、往来を掃きに出でたる
向
(
むかい
)
の
親仁
(
おやじ
)
、隣の小僧、これを見付けて寄集り、「なるほどこれじゃ、道理で恐しく犬が吠えた。」
貧民倶楽部
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
忽然
(
こつぜん
)
に現われたるために——二人の視線は水の
向
(
むかい
)
の二人にあつまった。
虞美人草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
“向”の解説
向(しょう、こう)は、漢姓のひとつ。
同じ漢字を使う日本の姓向(むかい、むかえ、むこう)についてもこの記事で述べる。
琉球王国の向氏については、第二尚氏を参照。
(出典:Wikipedia)
向
常用漢字
小3
部首:⼝
6画
“向”を含む語句
仰向
真向
斜向
上向
一向
手向
日向
俯向
眞向
向合
向側
差向
向山
向後
方向
背向
趣向
筋向
対向
川向
...