むけ)” の例文
中川君、道理上より言えばその通りに違いないが日本人の妻君は西洋人の妻君のように一日の仕事を料理の方へむけられない事情がある。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
一二二むけ一二三物せし中に、木のはしけづりたるに、一二四那須野紙なすのがみのいたうふるびて、文字も一二五むらぎえして所々見定めがたき、正しく妻の筆の跡なり。
東堀ひがしぼりむけられける勘兵衞はかゝる事のありとは知らず明日御番所へいでいまだ金は出來ぬといはば入牢となるに疑ひなしと思ひ彦兵衞方へ掛合かけあひ十兩渡す對談たいだんに致せし所にはか捕方とりかた踏込ふみこんで勘兵衞を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
縁日えんにちむけの花を仕立てるはたけの尽きたところまで行くと、そこに木戸がある。その木戸の外に、茶畠、野菜畠などが続いている。畠の間の小径こみちのところで正太は叔父の三吉と一緒に成った。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
どうぞお恵深く、お顔をこちらへおむけ遊ばして
世人は倹約という言葉を直ぐ食物へ持って来るのは大間違です。倹約とは不生産的の入費を節して生産的の入費へむける事です
食道楽:秋の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
気が移って、わたくしに背中をおむけなさいます。
どうぞお恵深くお顔をこちらへおむけ遊ばして