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向
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むかふ
ふりがな文庫
“
向
(
むかふ
)” の例文
新見付
(
しんみつけ
)
へ
来
(
く
)
ると、
向
(
むかふ
)
から
来
(
き
)
たり、
此方
(
こつち
)
から
行
(
い
)
つたりする電車が
苦
(
く
)
になり
出
(
だ
)
したので、
堀
(
ほり
)
を
横切
(
よこぎ
)
つて、招魂社の
横
(
よこ
)
から番町へ
出
(
で
)
た。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
一日
僕
(
ぼく
)
を
從
(
したが
)
へて
往來
(
わうらい
)
を
歩
(
ある
)
いて居ると
忽
(
たちま
)
ち
向
(
むかふ
)
から二人の男、
額
(
ひたひ
)
から
汗
(
あせ
)
を
水
(
みづ
)
の如く
流
(
なが
)
し、
空中
(
くうちゆう
)
に
飛
(
と
)
び
上
(
あが
)
り
飛
(
と
)
び
上
(
あが
)
りして
走
(
はし
)
りながら
石清虚
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
「どうしたんでえ、よきは」おつぎは
見
(
み
)
ると
針
(
はり
)
が
向
(
むかふ
)
の
岸
(
きし
)
から
出
(
で
)
た
低
(
ひく
)
い
川楊
(
かはやなぎ
)
の
枝
(
えだ
)
に
纏
(
まつは
)
つて
絲
(
いと
)
の
端
(
はし
)
が
水
(
みづ
)
について
下流
(
かりう
)
へ
向
(
む
)
いて
居
(
ゐ
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
竹垣の直ぐ
向
(
むかふ
)
は隣家の平家造の
蔀
(
しとみ
)
のさびれた板にしきられて、眼界は極めて狭い不等辺三角形の隙から、遠い空中が
覗
(
のぞ
)
かれる丈である。空には何の色もない。
公判
(新字旧仮名)
/
平出修
(著)
猶且
(
やはり
)
毎朝
(
まいあさ
)
のやうに
此
(
こ
)
の
朝
(
あさ
)
も
氣
(
き
)
が
引立
(
ひきた
)
たず、
沈
(
しづ
)
んだ
調子
(
てうし
)
で
或
(
あ
)
る
横町
(
よこちやう
)
に
差掛
(
さしかゝ
)
ると、
折
(
をり
)
から
向
(
むかふ
)
より
二人
(
ふたり
)
の
囚人
(
しうじん
)
と四
人
(
にん
)
の
銃
(
じゆう
)
を
負
(
お
)
ふて
附添
(
つきそ
)
ふて
來
(
く
)
る
兵卒
(
へいそつ
)
とに、ぱつたりと
出會
(
でつくわ
)
す。
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
▼ もっと見る
向
(
むかふ
)
さんはわたくしの
稚顔
(
をさながほ
)
に見覚があつたと見えて、喜んでむかしの事を語り出した。
冬の夜がたり
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
向
(
むかふ
)
の山で
未刊童謡
(新字旧仮名)
/
野口雨情
(著)
計測掛が黒板に二十五秒七四と書いた。書き終つて、余りの白墨を
向
(
むかふ
)
へ
抛
(
な
)
げて、
此方
(
こつち
)
をむいた所を見ると野々宮さんであつた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
岸
(
きし
)
の
草
(
くさ
)
の
中
(
なか
)
に
居
(
ゐ
)
た
蛙
(
かはづ
)
は
剽輕
(
へうきん
)
に
其
(
その
)
花
(
はな
)
へ
飛
(
と
)
び
付
(
つ
)
いて、それからぐつと
後
(
うしろ
)
の
足
(
あし
)
で
水
(
みづ
)
を
掻
(
か
)
いて
向
(
むかふ
)
の
岸
(
きし
)
へ
着
(
つ
)
いてふわりと
浮
(
う
)
いた
儘
(
まゝ
)
大
(
おほ
)
きな
目
(
め
)
を
睜
(
みは
)
つてこちらを
見
(
み
)
る。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
向
(
むかふ
)
を見て居ると恰度幻灯を見て居るやうです。
夜の赤坂
(新字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
なに
引
(
ひ
)
つ
掛
(
かゝ
)
つちや
不可
(
いけ
)
ませんがね。
默
(
だま
)
つて
向
(
むかふ
)
に
喋舌
(
しやべ
)
らして、
聞
(
き
)
いてゐる
分
(
ぶん
)
には、
少
(
すこ
)
しも
危險
(
きけん
)
はありません。たゞ
面白
(
おもしろ
)
い
丈
(
だけ
)
です
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
横
(
よこ
)
に
轉
(
ころ
)
がした
臼
(
うす
)
を
前
(
まへ
)
に
据
(
す
)
ゑて
小麥
(
こむぎ
)
を
攫
(
つか
)
んでは
穗先
(
ほさき
)
を
其
(
そ
)
の
臼
(
うす
)
の
腹
(
はら
)
に
叩
(
たゝ
)
きつけると
種
(
たね
)
がぼろ/\と
向
(
むかふ
)
へ
落
(
お
)
ちる。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
其外にやすりと
小刀
(
ないふ
)
と
襟飾
(
えりかざり
)
が一つ落ちてゐる。
最後
(
さいご
)
に
向
(
むかふ
)
の
隅
(
すみ
)
を見ると、三尺位の
花崗石
(
みかげいし
)
の台の上に、
福神漬
(
ふくじんづけ
)
の
缶
(
くわん
)
程な込み入つた器械が乗せてある。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あなたは……」と
向
(
むかふ
)
で
聞
(
き
)
いた様な事を
此方
(
こつち
)
からも聞いた。すると、女は
籃
(
ばすけつと
)
を
椽
(
えん
)
の上へ置いて、帯の間から、一枚の名刺を
出
(
だ
)
して、三四郎に呉れた。
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
其時蟻はもう死んでゐた。代助は
人指指
(
ひとさしゆび
)
の
先
(
さき
)
に
着
(
つ
)
いた黒いものを、
親指
(
おやゆび
)
の
爪
(
つめ
)
で
向
(
むかふ
)
へ
弾
(
はぢ
)
いた。さうして
起
(
お
)
き
上
(
あ
)
がつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
彼
(
かれ
)
は
坂井
(
さかゐ
)
の
家
(
いへ
)
の
傍
(
そば
)
に
立
(
た
)
つて、
向
(
むかふ
)
に
知
(
し
)
れずに、
他
(
ひと
)
を
窺
(
うかが
)
ふ
樣
(
やう
)
な
便利
(
べんり
)
な
場所
(
ばしよ
)
はあるまいかと
考
(
かんが
)
へた。
不幸
(
ふかう
)
にして、
身
(
み
)
を
隱
(
かく
)
すべきところを
思
(
おも
)
ひ
付
(
つ
)
き
得
(
え
)
なかつた。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
代助は
晩食
(
ばんめし
)
も
食
(
く
)
はずに、すぐ又
表
(
おもて
)
へ出た。五軒町から江戸川の
縁
(
へり
)
を
伝
(
つた
)
つて、
河
(
かは
)
を
向
(
むかふ
)
へ越した時は、
先刻
(
さつき
)
散歩からの帰りの様に精神の困憊を感じてゐなかつた。
それから
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
駄目
(
だめ
)
よ。
何時
(
いつ
)
の
間
(
ま
)
にか
兄
(
にい
)
さんがみんな
食
(
た
)
べて
仕舞
(
しま
)
つた」と
云
(
い
)
ひながら、
又
(
また
)
火鉢
(
ひばち
)
の
向
(
むかふ
)
へ
歸
(
かへ
)
つて
來
(
き
)
た。
門
(旧字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
“向”の解説
向(しょう、こう)は、漢姓のひとつ。
同じ漢字を使う日本の姓向(むかい、むかえ、むこう)についてもこの記事で述べる。
琉球王国の向氏については、第二尚氏を参照。
(出典:Wikipedia)
向
常用漢字
小3
部首:⼝
6画
“向”を含む語句
仰向
真向
斜向
上向
一向
手向
日向
俯向
眞向
向合
向側
差向
向山
向後
方向
背向
趣向
筋向
対向
川向
...