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向
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むかっ
ふりがな文庫
“
向
(
むかっ
)” の例文
また上士の
輩
(
はい
)
は昔日の門閥を本位に定めて今日の同権を事変と
視做
(
みな
)
し、
自
(
おのず
)
からまた下士に
向
(
むかっ
)
て貸すところあるごとく思うものなれば
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
自分が業務を尽さなければ社会から不平を
言
(
いわ
)
れても仕方がない。それを自分の方から社会に
向
(
むかっ
)
て不平を言うとは実に乱暴千万だね。
食道楽:冬の巻
(新字新仮名)
/
村井弦斎
(著)
またその時予が
妻
(
さい
)
に
向
(
むかっ
)
て、今日福沢諭吉は
大丸
(
だいまる
)
ほどの
身代
(
しんだい
)
に成りたれば、いつにても予が宅に来て数日
逗留
(
とうりゅう
)
し、意を
慰
(
なぐさ
)
め給うべしとなり。
瘠我慢の説:05 福沢先生を憶う
(新字新仮名)
/
木村芥舟
(著)
(2)
此
(
こ
)
ノ
勅令
(
ちょくれい
)
ハ
次
(
つぎ
)
ノ会期ニ
於
(
おい
)
テ帝国議会ニ提出スヘシ
若
(
もし
)
議会ニ
於
(
おい
)
テ承諾セサルトキハ政府ハ将来ニ
向
(
むかっ
)
テ
其
(
そ
)
ノ効力ヲ
失
(
うしな
)
フコトヲ公布スヘシ
大日本帝国憲法
(旧字旧仮名)
/
日本国
(著)
で船を出る時、船頭に
向
(
むかっ
)
て三人分の賃金を払って今僕の外に二人ほど友人が乗り込んでいたから……といって岸に上って
往
(
い
)
ったと書いている。
イエスキリストの友誼
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
▼ もっと見る
いかにも傍観者の言いそうな
冷
(
ひやや
)
かな言葉である。
苦艱
(
くかん
)
にある友に
向
(
むかっ
)
て発する第一語において、かく
訶詰
(
かきつ
)
の態度を取るは
冷刻
(
れいこく
)
といわねばならぬ。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
自分が先生に
向
(
むかっ
)
て自分の
希望
(
のぞみ
)
を明言した時に梅子は隣室で聞いていたに違いない、もし自分の
希望
(
のぞみ
)
を全く
否
(
いな
)
む心なら自分が帰る時あんなに自分を慰める
筈
(
はず
)
はない……
富岡先生
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
根が右に
向
(
むかっ
)
て居るのは右へ抜け根が左へ
向
(
むい
)
て居るのは左へ抜けて行くのです(荻)成る程
爾
(
そう
)
だ
何
(
ど
)
う云う訳だろう(大)是が大変な証拠に成るから先ず気永くお聞なさい
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
かつ池辺三山及び
村山龍平
(
むらやまりゅうへい
)
に
向
(
むかっ
)
て露都通信員の派遣を勧告し、その最適任者としての二葉亭の才能人物を盛んに推奨したので、朝日社長村山も終に動かされてその提案に同意した。
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
不幸にして余の文学論は十年計画にて企てられたる大事業の上、
重
(
おも
)
に心理学社会学の方面より根本的に文学の活動力を論ずるが主意なれば、学生諸子に
向
(
むかっ
)
て講ずべきほど体を具せず。
『文学論』序
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
例えば彼の在留中、
小野
(
おの
)
も立腹したと見え、私に
向
(
むかっ
)
て、
最早
(
もは
)
や御用も済みたればお前は今から
先
(
さ
)
きに帰国するが
宜
(
よろ
)
しいと
云
(
い
)
うと、私が不服だ。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
また話をするにしても、西洋人に
向
(
むかっ
)
ては精神上の話が出来るが、日本人には出来ぬ。情けない事だが、道友会なればこそ、これだけの話も出来るのである。
人格を認知せざる国民
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
神を知らざる時我らに真の恐怖なく、痛烈なる煩悶はない。怖るる事、悶ゆる事、それは神に捉えられた証拠である。そして
救拯
(
きゅうじょう
)
と光明へ
向
(
むかっ
)
ての中道の峠である。
ヨブ記講演
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
独楽だから鉄の心棒が斜に上へ
向
(
むかっ
)
て居ました其証拠は錐を叩き込だ様な深い穴が凹込の真中に有ます(荻)併し頭が其心棒の穴から
砕
(
くだけ
)
る筈だのに(大)イヤ
彼
(
あ
)
の頭は独楽の為に
砕
(
くだけ
)
たのでは無く其実
無惨
(新字新仮名)
/
黒岩涙香
(著)
「遅く
来
(
あが
)
って御気毒様、」と来た少女は
軽
(
かろ
)
く言った、奥に
向
(
むかっ
)
て。
二少女
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
朝敵と
銘
(
めい
)
が
付
(
つい
)
て、ソコで将軍
御親発
(
ごしんぱつ
)
となり、又幕府から九州の諸大名にも長州に
向
(
むかっ
)
て兵を出せと云う命令が
下
(
くだっ
)
て、
豊前
(
ぶぜん
)
中津
(
なかつ
)
藩からも兵を出す。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
新鮮なる萌芽はいよいよ強くいよいよ活溌に
断株
(
きりかぶ
)
より発生するを見る、余は天上に
向
(
むかっ
)
て登りつつあるを知る、日光は余の頭上を
輝
(
てら
)
せり、地はなおその養汁を以て余を養えども
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
その以下の者に
向
(
むかっ
)
て自分が軽蔑された
丈
(
だ
)
けソレ丈け軽蔑して
遣
(
や
)
れば、
所謂
(
いわゆる
)
江戸の
敵
(
かたき
)
を長崎で
討
(
うっ
)
て、勘定の立つようなものだが、ソレが出来ない。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
相模より見る人はいうかくなりと、駿河の人は甲斐の人に
向
(
むかっ
)
て汝の富士は偽りの富士なりというべけんや、もし
自
(
みずか
)
ら甲斐に
行
(
ゆき
)
てこれを望めば甲州人の言無理ならざるを知るべし
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
下等士族の
輩
(
はい
)
が上士に対して不平を
抱
(
いだ
)
く
由縁
(
ゆえん
)
は、
専
(
もっぱ
)
ら門閥
虚威
(
きょい
)
の一事に
在
(
あり
)
て、
然
(
しか
)
もその門閥家の内にて有力者と称する人物に
向
(
むかっ
)
て敵対の意を
抱
(
いだ
)
くことなれども
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
白鷺
(
しろさぎ
)
のごとく独り曠野に巣を結び、痛切なる悲声、聞くものをして戦慄せしむる動物あり、
飜魚
(
まんぼう
)
のごとく大洋中箇々に棲息しただ寂寥を破らんためにか空に
向
(
むかっ
)
て飛揚を試むる奇性魚あり
基督信徒のなぐさめ
(新字新仮名)
/
内村鑑三
(著)
家臣の一部分が早く大事の去るを
悟
(
さと
)
り、敵に
向
(
むかっ
)
てかつて抵抗を試みず、ひたすら和を講じて
自
(
みず
)
から家を
解
(
と
)
きたるは、日本の経済において一時の利益を成したりといえども
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
また言葉の
称呼
(
しょうこ
)
に、長少の別なく子供までも、上士の者が下士に対して
貴様
(
きさま
)
といえば、下士は上士に
向
(
むかっ
)
てあなたといい、
来
(
き
)
やれといえば
御
(
お
)
いでなさいといい、足軽が
平士
(
ひらざむらい
)
に対し
旧藩情
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
以上の
立言
(
りつげん
)
は
我輩
(
わがはい
)
が勝、榎本の二氏に
向
(
むかっ
)
て攻撃を
試
(
こころ
)
みたるにあらず。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
“向”の解説
向(しょう、こう)は、漢姓のひとつ。
同じ漢字を使う日本の姓向(むかい、むかえ、むこう)についてもこの記事で述べる。
琉球王国の向氏については、第二尚氏を参照。
(出典:Wikipedia)
向
常用漢字
小3
部首:⼝
6画
“向”を含む語句
仰向
真向
斜向
上向
一向
手向
日向
俯向
眞向
向合
向側
差向
向山
向後
方向
背向
趣向
筋向
対向
川向
...