かう)” の例文
曇後晴くもりのちはれ午前ごぜん時頃じごろ瓢箪山ひようたんやま到着たうちやくしてると、發掘はつくつすで進行しんかうして赤鉢卷隊あかはちまきたい活動くわつどうしてるが、一かうかはつたことい。
それにくはへてをとこ周旋業しうせんげふも一かううまくはかないところから、一年後ねんごには夫婦別ふうふわかれとはなしがきまり、をとこはゝいもうととをれて関西くわんさいく。
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
十六ではまだはりたなくつてもいゝといふのはそれは無理むりではない。しか勘次かんじいへでおつぎの一かうはりらぬことは不便ふべんであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
歩行あるきうち先夜せんや伊勢屋の前へまゐかゝりし時腹痛ふくつうにて難儀仕なんぎつかまつり夜更なれども詮方せんかたなく伊勢屋の戸をたゝき湯をもらはんとぞんじ候處一かうに戸を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
新店のせゐか、客は一かう來ません。——いや、新店でも元の『さざなみ』はあんなに客が立て混んだのです。今度は一體何としたことでせう。
ッちやんは最早もうオイ/\いてばかりゐて、なんにもはないので、怪我けがをしたのかしないのか一かうわけわかりませんでした。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
昔時むかしシヽリーといふ島のダイオインシアスといふ国王こくわうがございました。の王がこのんで詩を作りますが、ぞくにいふ下手へた横好よこずきで、一かう上手じやうずでございません。
詩好の王様と棒縛の旅人 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
がふほどをりやうとした但馬守たじまのかみは、めづらしく二三銚子てうしへたが、一かうふといふことをらなかつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
こゝに名前なまへいてある人達ひとたち見附みつけていと言附いひつかったが、書手かきて如何樣どのやう名前なまへきをったやら、こりゃ一かう見附みつからぬわい。學者ものしりところかにゃならぬ。
「伯の腰巾着で仕合せなのは武富たけとみや尾崎や高田で、それぞれ大臣の椅子に日向ひなたぼつこをしてゐるが、自分一人は折角の腕を持ちながら一かう主人に味はつて貰へない」
で、一かうすゞしさなんぞせつけない。……たゞ桟橋さんばしから、水際みづぎはから、すぐすくへる小瑕こゑびこと。……はじめ、はねうす薄萠黄うすもえぎせみが一ぴきなみうへいて、うごいてゐた。
十和田湖 (新字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
お房が周三のモデルになつて、彼の畫室ぐわしつのモデルだいに立つやうになツてから、もう五週間しうかんばかりになる。しか製作せいさく遲々ちゝとして一かう捗取はかどらぬ。辛面やツとかげとひなたが出來たくらゐのところである。
平民の娘 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
さあ 望遠鏡の方かうをかへて見ませう
かう言葉ことばつうじませんでした。
ふるさと (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
短兵急にかうから来た。
良友悪友 (新字旧仮名) / 久米正雄(著)
んなことで一かう要領えうりやうず、山頂さんてうはうでは、わづかに埴輪はにわ破片はへん雲珠うず鞆等ともなど)を見出みいだしたのみ、それで大發掘だいはつくつだいくわいをはつた。
大概たいがいのことでは一かうさわがぬやうなかれ容子ようすほかからではさうらしくもえるのであつた。も一つは服裝ふくさうけつしてくずさぬことであつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
呼出し取調とりしらありしに一かう右體の怪我人けがにん見當らざるよしを申により又外々の名主へ掛り尋けるに下谷したや廣小路ひろこうぢ道達だうたつとて表へは賣藥ばいやく見世みせを出しおき外療醫ぐわいれうい
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
まへちひさなをんなであらうと、假令よしまたへびであらうと、それは一かう差支さしつかへないやうなものだが!とつゞけました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
一体富豪かねもちひと招待せうだいするのは、何か見せつけ度いとか、何か強請ねだり度いとかいふ時に限る事で、もしかお客が一かう物に感心しなかつたり、何一つ持合もちあはせの無い男だつたら
長吉ちやうきちは妙にまりが悪くなつて自然に俯向うつむいたが、おいとはうは一かうかはつた様子やうすもなく小声こごゑ
すみだ川 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
法螺ほらもよく吹く、一かう身は持てないが、その代り遊び友達には此上もなく調法な男でした。
なん落語はなし種子たねにでもなるであらうとぞんじまして、門内なか這入はいつて見ましたが、一かう汁粉店しるこやらしい結構かゝりがない、玄関正面げんくわんしやうめんには鞘形さやがたふすまたててありまして、欄間らんまにはやり薙刀なぎなたるゐかゝつ
士族の商法 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
此邊このへんまではるのだ。迂路うろつきまわるのですでに三以上いじやうあるいたにかゝはらず、一かう疲勞ひらうせぬ。此時このときすで打石斧だせきふ十四五ほん二人ふたりひろつてた。
うめ否々いへ/\いとまは一かう出し申さず候と申に家主平兵衞も進みいで先達さきだつ梅事うめことわたくしへ御預おあづけのあひだ委細ゐさいうけたまはり候ところ粂之進殿くめのしんどのいとま
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
ただ吩咐いひつけばかりいてるので自分じぶん機轉きてんといふものが一かうなかつたりするのでひど齒痒はがゆおもつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
やがてあいちやんは、何時いつになれば自分じぶんばんだか一かうわけわからぬ此麽こんな競技ゲームてゐるのが莫迦々々ばか/\しくなつてたので、それよりも自分じぶん針鼠はりねずみさがしにきました。
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
ばうさんは一かう心当こゝろあたりがないとふやうな面持おももちをしながら、それでも笑顔ゑがほをつくり
吾妻橋 (新字旧仮名) / 永井荷風永井壮吉(著)
そのからは、一かう珍品ちんぴんぬ。破片はへんおほいけれど、いでやうなのはぬ。中食後ちうじきごに、は、土瓶どびんくち上下うへしたに、ツリをつた破片はへんしたくらゐ
一寸ちよつとればぐに完全くわんぜんものくらゐかんがへて見物連けんぶつれんは、一かうなにないので、つりるよりもだつまらぬなど、そろ/\惡口わるくち掘出ほりだすのである。
警官けいくわん出張しゆつちやうさしてげん取締とりしまりけたのであるが、それでも參詣人さんけいにんは一かうげんい。