やす)” の例文
グヰンの方が余計にリケットを愛していつも附纏つきまとっていたので、近頃は甥も少しく鼻についていたらしかったのです。前の晩、私共は看護疲労づかれで夜中の一時過ぎにやすみました。
緑衣の女 (新字新仮名) / 松本泰(著)
「しようがないね。善さん、早くおやすみなさいまし。八時になッたらお起し申しますよ」
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
平生いつものごとくく起き出づればお浪驚いて急にとどめ、まあ滅相な、ゆるりとやすんでおいでなされおいでなされ、今日は取りわけ朝風の冷たいに破傷風にでもなったら何となさる
五重塔 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
取て故意わざと腹に周環ぐる/\まきたるまゝ臥床ふしどいりまくらに付やいなや前後も知らぬ高鼾たかいびきに町人も半四郎のそばやすみしかば家内の女子どもは酒肴の道具だうぐさげ行燈あんどうへ油を注足つぎたし御緩おゆるりと御休みなされましと捨言葉すてことば
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
………何でもこの間からお嬢ちゃんが猩紅熱しょうこうねつでおやすみになっていらっしゃいますそうですが、病人と云うのんは、そのお嬢ちゃんのことやのうて、耳鼻咽喉じびいんこう科へ入院してなさるお方のことで
細雪:02 中巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
「でも、早く参りませぬと、もしも、やすんでしまいましては——」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
前日から加減が悪くて隣室にやすんでゐる母が、突然
サクラの花びら (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
ぬ樣いたし度と申に否々いな/\今宵こよひとてもやすむに及ばず兩人してばん
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「お父様は、おやすみだけれども、お母さんは、未だ」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
「早くおやすみなさいまし。お寒うございますよ」
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
「綱手、考えても無駄じゃ。やすみましょうか」
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)