)” の例文
女の亭主らしい男は、なに思ったか、急に大勢の村人むらびとをこう制して、相手の風態ふうていを、足の先からっぺんまで見直して言った。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そしてその敏捷なすがたが、高い枯れ木のッぺんへよじのぼって行くのにひかれて、ついみな顔を空にしていた。
私本太平記:12 湊川帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「中の峠を越えたその先のっ辺で、すばらしい見晴らしのある所でございますよ。旦那様方も、これから甲府の方へおいでになるなら、いやでもそこに足を止めるでしょう」
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「ばかを申せ。きょうは是が非でも二ノ森を踏破して、お花畑のぺんから三十五社、ありの細道、または人跡未踏という、つるぎの刃渡り、百足虫腹むかでばらまでも、越えてみなければ気がすまぬ」
鳴門秘帖:03 木曾の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
急ごしらえな仮屋ややぐらはいうまでもない。七院の伽藍がらんもみな懸崖造けんがいづくりなので、炎は山肌をめずり登って、ふだんとびの巣が見える枯れた大樹だいじゅッぺんにさえチロチロ赤い舌がひらめき見えた。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
三十尺もあろうかと思われる帆ばしらのぺんに。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
そして、まさしく屋根やねぺん
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)