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術
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て
ふりがな文庫
“
術
(
て
)” の例文
うまい
術
(
て
)
を考えたものだよ、——もっともそれも丈夫な人間に出来ることで、病身の竜吉には先ずむずかしいと見なければなるまい。
銭形平次捕物控:244 凧の糸目
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
奔馬のまえに屈みこむ美人を
轢
(
ひ
)
き殺してゆくほど勇気のある馭者はかつてなかった。
術
(
て
)
もなく、お光さんの甘い策にかかるのだった。
かんかん虫は唄う
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ところで、この難局を打開する道として、もっとも一つの可能性としてではあるが、科学の力を使ってみるという
術
(
て
)
が一つ残されている。
科学は役に立つか
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
逃
(
に
)
げるより
他
(
ほか
)
に
術
(
て
)
が無いから、
後
(
あと
)
の事なんか考へてゐる暇が無い。自分は
些
(
ちつ
)
との
隙
(
すき
)
を見て
後
(
あと
)
をも見ずにすたこら駈出した。
水郷
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
しかし移り気の花柳街にいかに美貌の人間でもうっちゃって置いて人気がそう永く保てるものではない。自分は人気を続ける
術
(
て
)
を工夫し覚えた。
美少年
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
▼ もっと見る
うまい
術
(
て
)
もあったものだ、どうでしょう、俺のこの着物へ五両つけて
仮父
(
おやぶん
)
に差しあげますから、首の附いたその衣を俺に譲ってもらいたいものだが
轆轤首
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
道が分らぬから
術
(
て
)
を求める。術を以て先ずおのが角を立派にし、おのが筋骨を強くし、おのが身を大きくしようとする。其段になればやはり闘だ。
雪たたき
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
「
女
(
ばば
)
あが人の上に乗つかつてるからにやあ、この
女
(
ばば
)
あめ、てつきり人を乗りまはす
術
(
て
)
を知つてるにちげえねえだよ!」
ディカーニカ近郷夜話 前篇:03 ソロチンツイの定期市
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
や、
早
(
は
)
や
其時
(
そのとき
)
は
畚
(
びく
)
が
足代
(
あじろ
)
を
落
(
おつ
)
こちて、
泥
(
どろ
)
の
上
(
うへ
)
に
俯向
(
うつむ
)
けだね。
其奴
(
そいつ
)
が、へい、
足
(
あし
)
を
生
(
は
)
やして
沼
(
ぬま
)
へ
駆込
(
かけこ
)
まぬが
見
(
み
)
つけものだで、
畜生
(
ちくしやう
)
め、
此
(
こ
)
の
術
(
て
)
で
今夜
(
こんや
)
は
占
(
し
)
めをつた。
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
と言いてえところでおすが、宿屋の飯盛大人に出馬されては、さしずめこの三馬など勝つ
術
(
て
)
はげえせん。
仇討たれ戯作
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
、こちらが思うころにひとりでに挙げさせようというとき、むかしさんざ使われていた古い
術
(
て
)
なんだ
顎十郎捕物帳:13 遠島船
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
彼の仲間に私の探偵をどこかへ
誘
(
おび
)
き出させ、私に不安を感じさせて金包を改めさそうと云うのだ。そうしてその隙を
覗
(
ねら
)
って奪おうと云うのだろう。その
術
(
て
)
に乗るものか。
急行十三時間
(新字新仮名)
/
甲賀三郎
(著)
今迄も其の
術
(
て
)
で無闇に
金銭
(
ぜに
)
を遣わせたが、
彼奴
(
あいつ
)
には
一寸
(
ちょっと
)
した呼吸のおいやり方があるので只でもいかん、妙においやり方がある、早く云やア
多勢
(
おおぜい
)
で
奉
(
たてまつ
)
って一杯飲ませる
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
裳の褶を作るのにない
術
(
て
)
を持つた女などが、何でも無いことで、とりわけ重宝がられた。袖の先につける
鰭袖
(
はたそで
)
を美しく為立てゝ、其に珍しい縫ひとりをする女なども居た。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
実は、この船なんかも、マルセイユではたった十人しか残らないという騒ぎだったが、僕のような海上の古狸になると、そんなことは平気なもので、早速独特の
術
(
て
)
で新規の乗組員を募集しました。
ラ・ベル・フィユ号の奇妙な航海
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
こは当楼の後ろの大薮に
数年
(
すねん
)
住
(
すん
)
でいる狸の
所為
(
しわざ
)
にて、毎度この
術
(
て
)
で
高味
(
うまい
)
ものをしてやらるると聞き、始めて
化
(
ばか
)
されたと気が
付
(
つい
)
て、
果
(
はて
)
は大笑いをしたが、
化物
(
ばけもの
)
と直接応対したのは、自分
斗
(
ばか
)
りであろうと
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
防禦の
術
(
て
)
なし、黒船をさして退き逃るべし
イーリアス:03 イーリアス
(旧字旧仮名)
/
ホーマー
(著)
八五郎は店に入るといきなり、其處を片付けてゐる
丁稚
(
でつち
)
の品吉の肩をポンと叩きました。誰とでも、この
術
(
て
)
で懇意になる八五郎です。
銭形平次捕物控:331 花嫁の幻想
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
好きなように引っぱりまわす
術
(
て
)
を心得ている将軍の主席秘書が、例のホワンスキイ公爵の紹介状にそそのかされて、どんなに彼のために骨を折ってくれても
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
僕は運命の美貌のために、仮面や
術
(
て
)
ばかりで暮すようになり、ほんとうということを取り失ってしまった。
美少年
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
といっても、あせッて事を仕損じちゃいけませんから、しばらくは
酌
(
さ
)
しつ酌されつ。そして試しに、卓のお
箸
(
はし
)
を下へ落としてごらんなさい。いいえ、
術
(
て
)
ですよ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何のその
術
(
て
)
を食うものか、とぐっと落着いて張合った気で見れば、余りしおらしいのが
癪
(
しゃく
)
に障った。
星女郎
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
裳
(
も
)
の
襞
(
ひだ
)
を作るのに
珍
(
な
)
い
術
(
て
)
を持った女などが、何でもないことで、とりわけ重宝がられた。
袖
(
そで
)
の先につける
鰭袖
(
はたそで
)
を美しく為立てて、其に、珍しい縫いとりをする女なども居た。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
そして画面の付け離しには、overlap や wipe out をふんだんに使って胡魔化す
術
(
て
)
を覚えたのであるが、それだけでは余り人為的な感じが出る恐れがある。
映画を作る話
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
「それぢや、矢張り内の者の細工ぢやないか。江の島詣りと見せかけて、その晩そつと歸つて、窓から自分の部屋に忍び込む
術
(
て
)
もある」
銭形平次捕物控:305 美しき獲物
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
(祖父は酸いも甘いも噛みわけた苦労人で、駄弁を弄してバツをあはせる
術
(
て
)
もよく心得てゐたので、たとへ
皇帝
(
ツァーリ
)
の前へ出ても決して戸惑ひするやうなことは万々なかつた)
ディカーニカ近郷夜話 前篇:06 紛失した国書
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
何と、お
行者
(
ぎょうじゃ
)
、未熟なれども、羽黒の
小法師
(
こほうし
)
、六
尺
(
しゃく
)
や一
丈
(
じょう
)
の
蛇
(
ながむし
)
に恐れるのでない。こゝが
術
(
て
)
だ。
妖魔の辻占
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
弟はわたくしの
術
(
て
)
に釣られて、まず自分自身の
遺憾
(
いかん
)
を先に
洩
(
もら
)
し、家族の一人をこういう風な目に
会
(
あわ
)
しもする先生並にこの家自体の矛盾に就て恨みや歎きの口振りも混ぜて
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
「と、仰っしゃりつつ、またもや彼奴の
術
(
て
)
に乗るなどは」
私本太平記:02 婆娑羅帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「旦那、一々さう旦那が仰しやつちや何にもなりません。この御女中の
口占
(
くちうら
)
から、いろ/\の事を見付け出すのが、私の方の
術
(
て
)
で」
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
さま/″\の
女
(
をんな
)
を
引込
(
ひつこ
)
むのを
術
(
て
)
としたが、
當春
(
たうしゆん
)
、
天氣
(
てんき
)
麗
(
うらゝ
)
かに、
桃
(
もゝ
)
の
花
(
はな
)
のとろりと
咲亂
(
さきみだ
)
れた、
暖
(
あたゝか
)
い
柳
(
やなぎ
)
の
中
(
なか
)
を、
川上
(
かはかみ
)
へ
細
(
ほそ
)
い
杖
(
ステツキ
)
で
散策
(
さんさく
)
した
時
(
とき
)
、
上流
(
じやうりう
)
の
方
(
かた
)
より
柳
(
やなぎ
)
の
如
(
ごと
)
く、
流
(
ながれ
)
に
靡
(
なび
)
いて
みつ柏
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
そんな
術
(
て
)
で貰いものが多いのなら、まあ、やってみるがいゝのさという顔をしています。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
おまけに人に取入る
術
(
て
)
をちゃんと心得ているチチコフに於いておやだ。
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
今までに隨分そんな
術
(
て
)
は見て來た八五郎ですが、此處の庭は思ひ外廣く、そのいづれの手段もいけないことまでは氣が付かない樣子です。
銭形平次捕物控:264 八五郎の恋人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
日々の馴れとて、わたくしは、われと黒髪をよもぎに撒き散らし、簪に野茨を挟む
術
(
て
)
も、焚火の
燠
(
おき
)
を河泥に混ぜて顔を隈かき絵取る術も、わざとらしいものには思わなくなりました。
生々流転
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
金まうけと、座長の角面はさつそくに
思慮
(
ふんべつ
)
した。
且
(
か
)
つ
誘拐
(
いざな
)
ふに
術
(
て
)
は
要
(
い
)
らない。
光籃
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
それに、これは彼女の最も名誉とすべき事柄であるが、彼女はこの連中を実に巧みにあやなす
術
(
て
)
を心得てゐたので、彼等のうち誰ひとり、自分に競争者があらうなどとは夢にも考へてゐなかつた。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:02 降誕祭の前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
四回が四回とも、全く違った手でさらっておりますから、今晩はどんな
術
(
て
)
でやって来るか、——そう考えただけでもぞっと寒気立ちます。
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
お民は此の上
逆
(
さから
)
おうとはしないで、少し引き返したところの狭い横丁へ、いつものように隠れ込んだ。これはお民が京子に散歩の途中から追い払われ始めてから二三度やった
術
(
て
)
である。
春:――二つの連作――
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
この間もあの
術
(
て
)
で驚かしゃあがった、
尨犬
(
むくいぬ
)
め、しかも真夜中だろうじゃあねえか、トントントンさ、誰方だと聞きゃあ
黙然
(
だんまり
)
で、
蒲団
(
ふとん
)
を
引被
(
ひっかぶ
)
るとトントンだ、誰方だね、
黙
(
だんま
)
りか、またトンか
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
「旦那、いちいちそう旦那がおっしゃっちゃ何にもなりません。この御女中の
口占
(
くちうら
)
から、いろいろの事を見付け出すのが、私の方の
術
(
て
)
で」
銭形平次捕物控:022 名馬罪あり
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
これ、静かにさっせえ、
術
(
て
)
だ、術だてね。ものその術で、
背負引
(
しょび
)
き出して、お前様
天窓
(
あたま
)
から塩よ。
私
(
わし
)
は手足い
引捩
(
ひんも
)
いで、月夜蟹で
肉
(
み
)
がねえ、と
遣
(
や
)
ろうとするだ。ほってもない、開けさっしゃるな。
草迷宮
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
四回が四回とも、全く違つた手でさらつてをりますから、今晩は何んな
術
(
て
)
でやつて來るか、——さう考へただけでもぞつと寒氣立ちます。
銭形平次捕物控:002 振袖源太
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
……
其
(
そ
)
の
気
(
き
)
で
城趾
(
しろあと
)
に
根
(
ね
)
を
生
(
はや
)
いて、
天守
(
てんしゆ
)
と
根較
(
こんくら
)
べを
遣
(
や
)
らうなら、
御身
(
おみ
)
は
蘆
(
あし
)
の
中
(
なか
)
の
鉋屑
(
かんなくづ
)
、
蛙
(
かへる
)
の
干物
(
ひもの
)
と
成果
(
なりは
)
てやうぞ……
此
(
この
)
老爺
(
ぢい
)
はなか/\
術
(
て
)
がある!
蝙蝠
(
かはほり
)
を
刻
(
きざ
)
んで
飛
(
と
)
ばせ、
魚
(
うを
)
を
彫
(
ほ
)
つて
泳
(
およ
)
がせる
代
(
かはり
)
には
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
死ぬ氣で細工をしたお關は助かつてしまつたが、この
術
(
て
)
で勘兵衞を殺せば誰も自分の仕業と氣のつく者はないといふことを覺えてしまつた
銭形平次捕物控:215 妾の貞操
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
自分
(
じぶん
)
で
許
(
ゆる
)
す
色男
(
いろをとこ
)
が、
思
(
おもひ
)
をかけて
屆
(
とゞ
)
かぬ
婦
(
をんな
)
を、かうして
人
(
ひと
)
に
誇
(
ほこ
)
る
術
(
て
)
は。
片しぐれ
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
「馬鹿、黙っていろ。風邪が
癒
(
なお
)
ったと聞くと相手が用心するから、四五日我慢して寝ていたんだ。女房に化けるより外に
術
(
て
)
があるものか」
銭形平次捕物控:088 不死の霊薬
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
其
(
そ
)
の
術
(
て
)
で
行
(
ゆ
)
かねば、
業
(
わざ
)
を
変
(
か
)
へて、
何処
(
どこ
)
とも
知
(
し
)
らず、
真夜中
(
まよなか
)
にアハヽアハヽ
笑
(
わら
)
ひをる、
吃驚
(
びつくり
)
すると
鮒
(
ふな
)
が
消
(
き
)
える、——
此方
(
こつち
)
も
自棄腹
(
やけばら
)
の
胴
(
どう
)
を
極
(
き
)
めて、
少々
(
せう/\
)
脇
(
わき
)
の
下
(
した
)
を
擽
(
くすぐ
)
られても、
堪
(
こら
)
へて
静
(
じつ
)
として
畚
(
びく
)
を
守
(
まも
)
れば
神鑿
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
力も金も知恵も無い私は、命がけの恋患いでもして、お艶さんに可哀想だと思わせる外は
術
(
て
)
が無かったのでございます。私は患いました。
銭形平次捕物控:238 恋患い
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
催促の
術
(
て
)
をうらがえしに、敵は
搦手
(
からめて
)
へ迫って危い。
白花の朝顔
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
“術”の解説
術 (じゅつ)は、特別の技。技術。手段。方法。
テクニカルなことつまり技に関係することを示す接尾語 。
(出典:Wikipedia)
術
常用漢字
小5
部首:⾏
11画
“術”を含む語句
技術
藝術
手術
美術館
魔術
芸術
剣術
催眠術
奇術
柔術
詐術
芸術家
蠱術
忍術
呪術
錬金術
幻術
施術
術策
幻術師
...