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手
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て
ふりがな文庫
“
手
(
て
)” の例文
太古
(
たいこ
)
遺跡
(
ゐせき
)
の
發掘
(
はつくつ
)
に、
初
(
はじ
)
めて
余
(
よ
)
が
手
(
て
)
を
下
(
くだ
)
したのは、
武藏
(
むさし
)
の
權現臺
(
ごんげんだい
)
である。それは
余
(
よ
)
の
品川
(
しながは
)
の
宅
(
たく
)
から
極
(
きは
)
めて
近
(
ちか
)
い、
荏原郡
(
えばらぐん
)
大井
(
おほゐ
)
の
小字
(
こあざ
)
の
事
(
こと
)
。
探検実記 地中の秘密:02 権現台の懐古
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
手
(
て
)
を
見
(
み
)
ると
竦
(
ぞつ
)
とする。
鱗
(
こけ
)
のある
鉛色
(
なまりいろ
)
の
生物
(
いきもの
)
のやうに、
眼
(
め
)
の
前
(
まへ
)
にそれが
動
(
うご
)
いてゐる。
噫
(
あゝ
)
、
切
(
き
)
つて
了
(
しま
)
ひたい。
此手
(
このて
)
の
触
(
さは
)
つた
所
(
ところ
)
も
忌
(
いま
)
はしい。
癩病やみの話
(新字旧仮名)
/
マルセル・シュウォッブ
(著)
みんなは、
静
(
しず
)
かになりました。そして、
年
(
とし
)
ちゃんは、まるまるとした
手
(
て
)
に
鉛筆
(
えんぴつ
)
を
握
(
にぎ
)
って、お
母
(
かあ
)
さんの、お
顔
(
かお
)
を
思
(
おも
)
い
出
(
だ
)
しているうちに
さびしいお母さん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
といいながら、
鉢
(
はち
)
をつかんで
引
(
ひ
)
き
上
(
あ
)
げますと、
下
(
した
)
から
人間
(
にんげん
)
の
姿
(
すがた
)
が
現
(
あらわ
)
れたので、びっくりして、
手
(
て
)
を
放
(
はな
)
して
逃
(
に
)
げていってしまいました。
鉢かつぎ
(新字新仮名)
/
楠山正雄
(著)
庵主
(
あんじゅ
)
さんは、よそゆきの
茶色
(
ちゃいろ
)
のけさを
着
(
き
)
て、
鐘
(
かね
)
のまえに
立
(
た
)
つと、
手
(
て
)
にもっている
小
(
ちい
)
さい
鉦
(
かね
)
をちーんとたたいて、お
経
(
きょう
)
を
読
(
よ
)
みはじめた。
ごんごろ鐘
(新字新仮名)
/
新美南吉
(著)
▼ もっと見る
奧
(
おく
)
さんの
声
(
こゑ
)
にはもう
何
(
なん
)
となく
張
(
は
)
りがなかつた。そして、そのままひざに
視線
(
しせん
)
を
落
(
おと
)
すと、
思
(
おも
)
ひ出したやうにまた
針
(
はり
)
の
手
(
て
)
を
動
(
うご
)
かし
始
(
はじ
)
めた。
夢
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
さて、
屋根
(
やね
)
の
上
(
うへ
)
に
千人
(
せんにん
)
、
家
(
いへ
)
のまはりの
土手
(
どて
)
の
上
(
うへ
)
に
千人
(
せんにん
)
といふ
風
(
ふう
)
に
手分
(
てわ
)
けして、
天
(
てん
)
から
降
(
お
)
りて
來
(
く
)
る
人々
(
ひと/″\
)
を
撃
(
う
)
ち
退
(
しりぞ
)
ける
手
(
て
)
はずであります。
竹取物語
(旧字旧仮名)
/
和田万吉
(著)
お
品
(
しな
)
には
與吉
(
よきち
)
が
惡戯
(
いたづら
)
をしたり、おつぎが
痛
(
いた
)
いといつて
指
(
ゆび
)
を
啣
(
くは
)
へて
見
(
み
)
せれば
與吉
(
よきち
)
も
自分
(
じぶん
)
の
手
(
て
)
を
口
(
くち
)
へ
當
(
あて
)
て
居
(
ゐ
)
るのが
目
(
め
)
に
見
(
み
)
えるやうである。
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
世
(
よ
)
の
譬
(
たとへ
)
にも
天生峠
(
あまふたうげ
)
は
蒼空
(
あをぞら
)
に
雨
(
あめ
)
が
降
(
ふ
)
るといふ
人
(
ひと
)
の
話
(
はなし
)
にも
神代
(
じんだい
)
から
杣
(
そま
)
が
手
(
て
)
を
入
(
い
)
れぬ
森
(
もり
)
があると
聞
(
き
)
いたのに、
今
(
いま
)
までは
余
(
あま
)
り
樹
(
き
)
がなさ
過
(
す
)
ぎた。
高野聖
(新字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
手
(
て
)
を たたいて なった ほうは みぎと こたえても、ひだりと こたえても、りょうほうです、と こたえても いいでしょう。
一休さん
(新字新仮名)
/
五十公野清一
(著)
「今日はそこに慈善音楽会があるんで、切符を二枚買わされたんだが、ほかに誰も
行
(
い
)
き
手
(
て
)
がないから、ちょうどいい。君行きたまえ」
野分
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
肩
(
かた
)
を
掴
(
つか
)
んで、ぐいと
引
(
ひ
)
っ
張
(
ぱ
)
った。その
手
(
て
)
で、
顔
(
かお
)
を
逆
(
さか
)
さに
撫
(
な
)
でた八五
郎
(
ろう
)
は、もう一
度
(
ど
)
帯
(
おび
)
を
把
(
と
)
って、
藤吉
(
とうきち
)
を
枝折戸
(
しおりど
)
の
内
(
うち
)
へ
引
(
ひ
)
きずり
込
(
こ
)
んだ。
おせん
(新字新仮名)
/
邦枝完二
(著)
『お
絹
(
きぬ
)
さん!』と
僕
(
ぼく
)
は
思
(
おも
)
はず
手
(
て
)
を
擧
(
あ
)
げた。お
絹
(
きぬ
)
はにつこり
笑
(
わら
)
つて、さつと
顏
(
かほ
)
を
赤
(
あか
)
めて、
禮
(
れい
)
をした。
人
(
ひと
)
と
車
(
くるま
)
との
間
(
あひだ
)
は
見
(
み
)
る/\
遠
(
とほ
)
ざかつた。
湯ヶ原より
(旧字旧仮名)
/
国木田独歩
(著)
あるところに
手
(
て
)
くせ の
惡
(
わる
)
い
夫婦
(
ふうふ
)
がありました。それでも
子
(
こ
)
どもがないので、一
羽
(
は
)
の
鸚鵡
(
あふむ
)
を
子
(
こ
)
どものやうに
可愛
(
かあい
)
がつてをりました。
ちるちる・みちる
(旧字旧仮名)
/
山村暮鳥
(著)
ところがだん/\
進歩
(
しんぽ
)
するに
從
(
したが
)
つて
石塊
(
いしころ
)
に
多少
(
たしよう
)
の
細工
(
さいく
)
を
加
(
くは
)
へ、
手
(
て
)
に
握
(
にぎ
)
つて
物
(
もの
)
を
打
(
う
)
ち
壞
(
こわ
)
すに
便利
(
べんり
)
な
形
(
かたち
)
にこしらへるようになりました。
博物館
(旧字旧仮名)
/
浜田青陵
(著)
合
(
あい
)
の
手
(
て
)
が
間
(
ま
)
が抜けるだろうという心配は無用の心配で、米友は米友らしい一人芸で、客を
唸
(
うな
)
らすことができるものと認められます。
大菩薩峠:17 黒業白業の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
いまは疑いの余地もない。大将尊氏の胸にあるものは、その
搦
(
から
)
め
手
(
て
)
の敵軍を、不意に、
真上
(
まうえ
)
から
撃
(
う
)
ち下ろすにあったにちがいない。
私本太平記:10 風花帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
何
(
なに
)
となく
薄淋
(
うすさび
)
しくなつた
浪
(
なみ
)
の
面
(
おも
)
を
眺
(
なが
)
めながら、
胸
(
むね
)
の
鏡
(
かゞみ
)
に
手
(
て
)
を
措
(
を
)
くと、
今度
(
こんど
)
の
航海
(
かうかい
)
は
初
(
はじめ
)
から、
不運
(
ふうん
)
の
神
(
かみ
)
が
我等
(
われら
)
の
身
(
み
)
に
跟尾
(
つきまと
)
つて
居
(
を
)
つた
樣
(
やう
)
だ。
海島冒険奇譚 海底軍艦:05 海島冒険奇譚 海底軍艦
(旧字旧仮名)
/
押川春浪
(著)
面附
(
つらつき
)
こそは
誰
(
た
)
れよりも
見
(
み
)
よけれ、
脛附
(
すねつき
)
が十
人並
(
にんなみ
)
以上
(
いじゃう
)
ぢゃ、それから
手
(
て
)
や
足
(
あし
)
や
胴
(
どう
)
やは
彼
(
か
)
れ
此
(
こ
)
れ
言
(
い
)
ふが
程
(
ほど
)
も
無
(
な
)
いが、
外
(
ほか
)
には、ま、
類
(
るゐ
)
が
無
(
な
)
い。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
私
(
わたし
)
は
数人
(
すうにん
)
の
男女
(
だんじよ
)
のR
国人
(
こくじん
)
に
紹介
(
せうかい
)
されて、それらの
人達
(
ひとたち
)
の
力強
(
ちからつよ
)
い
手
(
て
)
と一
々
(
/\
)
握手
(
あくしゆ
)
をした。しかし
誰
(
たれ
)
が
誰
(
たれ
)
だか
覚
(
おぼ
)
えてもゐられなかつた。
微笑の渦
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
金
(
きん
)
の
小鳥
(
ことり
)
のやうないたいけな
姫君
(
ひめぎみ
)
は、
百日鬘
(
ひやくにちかつら
)
の
山賊
(
さんぞく
)
がふりかざした
刃
(
やいば
)
の
下
(
した
)
に
手
(
て
)
をあはせて、
絶
(
た
)
えいる
声
(
こえ
)
にこの
世
(
よ
)
の
暇乞
(
いとまごひ
)
をするのであつた。
桜さく島:見知らぬ世界
(新字旧仮名)
/
竹久夢二
(著)
その
耳
(
みゝ
)
の
許
(
もと
)
では、『
女
(
をんな
)
の
手
(
て
)
一つで』とか、『よくまああれだけにしあげたものだ』とかいふやうな、
微
(
かす
)
かな
聲々
(
こゑ/″\
)
が
聞
(
きこ
)
えるやうでもあつた。
悔
(旧字旧仮名)
/
水野仙子
(著)
そういう
袖子
(
そでこ
)
の
父
(
とう
)
さんは
鰥
(
やもめ
)
で、
中年
(
ちゅうねん
)
で
連
(
つ
)
れ
合
(
あ
)
いに
死
(
し
)
に
別
(
わか
)
れた
人
(
ひと
)
にあるように、
男
(
おとこ
)
の
手
(
て
)
一つでどうにかこうにか
袖子
(
そでこ
)
たちを
大
(
おお
)
きくしてきた。
伸び支度
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
しかし
妻
(
つま
)
は
夢
(
ゆめ
)
のやうに、
盜人
(
ぬすびと
)
に
手
(
て
)
をとられながら、
藪
(
やぶ
)
の
外
(
そと
)
へ
行
(
ゆ
)
かうとすると、
忽
(
たちま
)
ち
顏色
(
がんしよく
)
を
失
(
うしな
)
つたなり、
杉
(
すぎ
)
の
根
(
ね
)
のおれを
指
(
ゆび
)
さした。
藪の中
(旧字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
下品
(
げひん
)
の縮の事は
姑舎
(
しばらくおい
)
て
論
(
ろん
)
ぜず。
中品
(
ちゆうひん
)
以上に用ふるを
績
(
うむ
)
にはうむ
所
(
ところ
)
の
座
(
ざ
)
をさだめおき、
体
(
たい
)
を正しくなし
呼吸
(
こきふ
)
につれて
手
(
て
)
を
動
(
はたらか
)
せて
為作
(
わざ
)
をなす。
北越雪譜:03 北越雪譜初編
(新字旧仮名)
/
鈴木牧之
、
山東京山
(著)
王樣
(
わうさま
)
は
其
(
その
)
お
手
(
て
)
を
女王樣
(
ぢよわうさま
)
の
腕
(
かひな
)
にかけされられ、
恐
(
おそ
)
る/\
申
(
まを
)
されました、『
考
(
かんが
)
へても
御覽
(
ごらん
)
なさい、え、
高
(
たか
)
が
一人
(
ひとり
)
の
子供
(
こども
)
ではないか!』
愛ちやんの夢物語
(旧字旧仮名)
/
ルイス・キャロル
(著)
その
時
(
とき
)
、
杜松
(
ねず
)
の
樹
(
き
)
がザワザワと
動
(
うご
)
き
出
(
だ
)
して、
枝
(
えだ
)
と
枝
(
えだ
)
が、まるで
手
(
て
)
を
拍
(
う
)
って
喜
(
よろこ
)
んでいるように、
着
(
つ
)
いたり、
離
(
はな
)
れたり、しました。
杜松の樹
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
どこから金を見つけて来たかと思うような堂々たる五階建のアパートなどが目の前にスックと立って、
行
(
ゆ
)
く
手
(
て
)
を見えなくした。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
それからは、
小
(
ちい
)
さい
字引
(
じびき
)
を
手
(
て
)
に
入
(
い
)
れて、
自分
(
じぶん
)
一人
(
ひとり
)
で
英語
(
えいご
)
の
勉強
(
べんきょう
)
に
力
(
ちから
)
をそそぎました。けれども、おもうようにはすすみません。
福沢諭吉:ペンは剣よりも強し
(新字新仮名)
/
高山毅
(著)
船
(
ふね
)
のはげしき
動揺
(
どうよう
)
につれて、
幾度
(
いくたび
)
となく
投
(
な
)
げ
出
(
だ
)
さるる
私
(
わたくし
)
の
躯
(
からだ
)
——それでも
私
(
わたくし
)
はその
都度
(
つど
)
起
(
お
)
き
上
(
あが
)
りて、
手
(
て
)
を
合
(
あわ
)
せて、
熱心
(
ねっしん
)
に
祈
(
いの
)
りつづけました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
「いかにもいささか会得してござる……俗称は天狗飛切りの術、武道における名称は、小太刀潜入飛燕術! これこそ
某
(
それがし
)
の
奥
(
おく
)
の
手
(
て
)
でござる」
蔦葛木曽棧
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
要吉
(
ようきち
)
は、東京の
山
(
やま
)
の
手
(
て
)
にある、ある
盛
(
さか
)
り
場
(
ば
)
の
水菓子屋
(
みずがしや
)
の
小僧
(
こぞう
)
さんです。要吉は、
半年
(
はんねん
)
ばかり前にいなかからでてきたのです。
水菓子屋の要吉
(新字新仮名)
/
木内高音
(著)
墓塲
(
はかば
)
の
掃除
(
さうぢ
)
に
男衆
(
をとこしゆ
)
の
手
(
て
)
を
助
(
たす
)
くるまで
働
(
はたら
)
けば、
和尚
(
おしやう
)
さま
經濟
(
けいざい
)
より
割出
(
わりだ
)
しての
御不憫
(
ごふびん
)
かゝり、
年
(
とし
)
は二十から
違
(
ちが
)
うて
見
(
み
)
ともなき
事
(
こと
)
は
女
(
をんな
)
も
心得
(
こゝろゑ
)
ながら
たけくらべ
(旧字旧仮名)
/
樋口一葉
(著)
有松氏の顔は名代の
痘痕面
(
あばたづら
)
なので、その窪みに入り込んだ砂利は、おいそれと
手
(
て
)
つ
取
(
とり
)
早
(
ばや
)
く
穿
(
ほじ
)
くり出す事が出来なかつたのだ。
茶話:03 大正六(一九一七)年
(新字旧仮名)
/
薄田泣菫
(著)
性格も強くて
傲慢
(
ごうまん
)
なほど自信があった人であろう。それだからこそ諸大名や武将を向うに廻して、彼らを手玉に取ったほどの
遣
(
や
)
り
手
(
て
)
であった。
民芸四十年
(新字新仮名)
/
柳宗悦
(著)
矢
(
や
)
がすりの
袷
(
あはせ
)
に、
赤
(
あか
)
の
帶
(
おび
)
の
竪矢
(
たてや
)
の
字
(
じ
)
を
背中
(
せなか
)
に
負
(
お
)
うた
侍女
(
じぢよ
)
が、
次
(
つぎ
)
の
間
(
ま
)
に
手
(
て
)
を
支
(
つか
)
へて、キッパリと
耳
(
みゝ
)
に
快
(
こゝろよ
)
い
江戸言葉
(
えどことば
)
で
言
(
い
)
つた。
死刑
(旧字旧仮名)
/
上司小剣
(著)
お客にするように
封建的
(
ほうけんてき
)
な
揉
(
も
)
み
手
(
て
)
をして礼をいう。小初はそれをいじらしく思って
木屑臭
(
きくずくさ
)
い汗の
匂
(
におい
)
を
我慢
(
がまん
)
して踊ってやる。
渾沌未分
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
院長
(
いんちょう
)
は
片手
(
かたて
)
で
頬杖
(
ほおづえ
)
を
突
(
つ
)
きながら
考込
(
かんがえこ
)
んで、ただ
機械的
(
きかいてき
)
に
質問
(
しつもん
)
を
掛
(
か
)
けるのみである。
代診
(
だいしん
)
のセルゲイ、セルゲイチが
時々
(
ときどき
)
手
(
て
)
を
擦
(
こす
)
り
擦
(
こす
)
り
口
(
くち
)
を
入
(
い
)
れる。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
大木は
鉄瓶
(
てつびん
)
を呼んで、自分
手
(
て
)
ずから茶を入れる、障子に日がかぎって、風も少し静かになった。大木はなおひそかに矢野のようすに注意している。
廃める
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
そうすると、あとに残った三人の男たちは
手
(
て
)
ん
手
(
で
)
に妾の頭と、胴と、足を抱えて、上の方へ担ぎ上げながら、黙りこくって階段を昇りはじめたの。
支那米の袋
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
「
牡家鴨
(
おあひる
)
でさえなけりゃいいんだがねえ、そうすりゃ
家鴨
(
あひる
)
の
卵
(
たまご
)
が
手
(
て
)
に
入
(
はい
)
るというもんだ。まあ
様子
(
ようす
)
を
見
(
み
)
ててやろう。」
醜い家鴨の子
(新字新仮名)
/
ハンス・クリスチャン・アンデルセン
(著)
そこで
盃
(
さかずき
)
を
取
(
と
)
り
交
(
かわ
)
して、
手
(
て
)
を
懸
(
か
)
け
合
(
あ
)
つて、今日までも
鎭
(
しず
)
まつておいでになります。これらの歌は
神語
(
かむがたり
)
と申す
歌曲
(
かきよく
)
です。
古事記:03 現代語訳 古事記
(旧字新仮名)
/
太安万侶
、
稗田阿礼
(著)
不吉な蒸気の輪が、不具の身体と一緒に動いていって、その
手
(
て
)
が触れるところは、すぐその場で、毒のある何物かに変ってしまうだろうと思われた。
白蟻
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
見て赤川大膳は心中に驚き
見透
(
みすか
)
されては一大事と氣を
勵
(
はげ
)
まし
何
(
いか
)
に
山内
(
やまのうち
)
狂氣
(
きやうき
)
せしか上に
對
(
たい
)
し奉つり無禮の
過言
(
くわごん
)
いで
切捨
(
きりすて
)
んと立よりて刀の
柄
(
つか
)
に
手
(
て
)
を掛るを
大岡政談
(旧字旧仮名)
/
作者不詳
(著)
けれどこれは
手
(
て
)
はじめで、そんなにいいものとは
云
(
い
)
へない。
第
(
だい
)
一、
本
(
ほん
)
が
高
(
たか
)
すぎる。それに
童謠
(
うた
)
だつて、まだほんとうに
君
(
きみ
)
たちに
好
(
す
)
かれないかも
知
(
し
)
れない。
赤い旗
(旧字旧仮名)
/
槙本楠郎
(著)
真白い
手
(
て
)
の
平
(
ひら
)
に紫色の葡萄の粒が重って乗っていたその美しさを僕は今でもはっきりと思い出すことが出来ます。
一房の葡萄
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
ニールスは、まっすぐ
造船所
(
ぞうせんじょ
)
へいかないで、東のほうへいく通りにいそいでまがりました。ともかくこうして、
追
(
お
)
っ
手
(
て
)
から
逃
(
に
)
げてしまいたかったのです。
ニールスのふしぎな旅
(新字新仮名)
/
セルマ・ラーゲルレーヴ
(著)
おゝこの
集団
(
しふだん
)
が
姿
(
すがた
)
を
現
(
あら
)
はすところ、
中国
(
ちうごく
)
と
日本
(
にほん
)
の
圧制者
(
あつせいしゃ
)
が
手
(
て
)
を
握
(
にぎ
)
り、
犠牲
(
ぎせい
)
の××
(1)
は二十二
省
(
しやう
)
の
土
(
つち
)
を
染
(
そ
)
めた
生ける銃架:――満洲駐屯軍兵卒に――
(新字旧仮名)
/
槙村浩
(著)
さりながら
人気
(
じんき
)
の
奴隷
(
どれい
)
となるも
畢竟
(
ひつきやう
)
は
俗物
(
ぞくぶつ
)
済度
(
さいど
)
といふ
殊勝
(
しゆしよう
)
らしき
奥
(
おく
)
の
手
(
て
)
があれば
強
(
あなが
)
ち
無用
(
むよう
)
と
呼
(
よ
)
ばゝるにあらず、
却
(
かへつ
)
て
之
(
こ
)
れ
中々
(
なか/\
)
の
大事
(
だいじ
)
決
(
けつ
)
して
等閑
(
なほざり
)
にしがたし。
為文学者経
(新字旧仮名)
/
内田魯庵
、
三文字屋金平
(著)
見て
居
(
ゐ
)
るとも知らず
源八
(
げんぱち
)
は
餅
(
もち
)
を
取上
(
とりあ
)
げ二ツに
割
(
わつ
)
て
中
(
なか
)
の
餡
(
あん
)
を
繰出
(
くりだ
)
し、
餡
(
あん
)
は
餡
(
あん
)
餅
(
もち
)
は
餅
(
もち
)
と
両方
(
りやうはう
)
へ
積上
(
つみあ
)
げまして、
突然
(
とつぜん
)
懐中
(
ふところ
)
へ
手
(
て
)
を
突込
(
つツこ
)
み
暫
(
しばら
)
くムグ/\やつて
居
(
ゐ
)
たが
黄金餅
(新字旧仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
“手”の解説
手首から指の先までの部分。腕の末端にある器官。本項で詳述する。
日本では人体の左右の肩から出ている長い部分、腕 (arm) も「手」とよく呼ばれる。この記事でも若干ふれるが、腕参照のこと。
組織を人と見立てて、組織でちょうど人体の手のようにはたらく人のこと。
* はたらく人。組織のメンバー。例.「手が足りない」(=人が足りない)「手がいる」など。
* 部下。
* 部隊。
手をはたらかせてすること。 術、手段、方法のこと。幅広い用法がある。
* 囲碁、将棋などで一回の動作の単位。
* 邦楽において、パート、器楽部分、楽器の旋律、旋律型、および、技法等を指す。
* 手 (沖縄武術)。
* 相撲や各種武術の技の種類を数えるときの単位。
手で指すもの。方向。「上手(かみて)」(=うえのほう)「山手(やまて)」(=やまのほう)など。
(出典:Wikipedia)
手
常用漢字
小1
部首:⼿
4画
“手”を含む語句
上手
下手
手巾
把手
手拭
手練
手向
手伝
敵手
手前
右手
拍手
空手
手風琴
手触
舵手
助手
手繰
手段
手水鉢
...