“南京藻”の読み方と例文
読み方割合
なんきんも100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
池には南京藻なんきんもが浮び始め、植込みには枯木が交るやうになつた。その内に隠居の老人は、或ひでりの烈しい夏、脳溢血の為に頓死した。
(新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
信輔は大溝を前にすると、もう膝頭ひざがしらの震えるのを感じた。けれどもしっかり目をつぶったまま、南京藻なんきんもの浮かんだ水面を一生懸命におどり越えた。
南京藻なんきんもの浮かんだ大溝はいつも悪臭を放っていた。彼は勿論もちろんこう言う町々に憂欝ゆううつを感ぜずにはいられなかった。しかし又、本所以外の町々は更に彼には不快だった。