“ようえん”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
妖艶84.3%
妖婉7.8%
陽炎3.9%
葉縁2.0%
妖焔2.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
僕は茫然ぼうぜんと女史の、あられもない屍体したいの前に立ちつくした。僕はいまだにその妖艶ようえんとも怪奇とも形容に絶する光景を忘れたことがない。
階段 (新字新仮名) / 海野十三(著)
不幸にも時と所とを間違えて天上から送られた王女であるとまで自分に対する矜誇ほこりに満ちていた、あの妖婉ようえんな女性はまごうかたなく自分なのだろうか。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
浴客はまだ何処にも輻湊ふくそうしていなかったし、途々みちみち見える貸別荘の門なども大方はしまっていて、松が六月の陽炎ようえん蒼々あおあおと繁り、道ぞいの流れの向うに裾をひいている山には濃い青嵐せいらんけぶってみえた。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
葉は広くて、長葉柄ちょうようへいそなえ、茎に互生ごせいしており、広卵形こうらんけいで三大脈を有して、葉縁ようえん粗鋸歯そきょしがあり、くきともにざらついている。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
くきは直立して、九〇ないし一五〇センチメートルばかりに達し、きずつけると葉ととも白乳液はくにゅうえきが出る。葉は緑色で裏面帯白りめんたいはく葉形ようけい広卵形こうらんけいないし痩卵形そうらんけいとがり、葉縁ようえん細鋸歯さいきょしがある。
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
あの怪奇な、あの蒼白い妖焔ようえんの幻滅する間際に、自分の魂というものを考えると、知らない女とでも死にたくなるという。
銀河まつり (新字新仮名) / 吉川英治(著)