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出立
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しゅったつ
ふりがな文庫
“
出立
(
しゅったつ
)” の例文
「それなら善は急げというから、
明日
(
あした
)
にも
出立
(
しゅったつ
)
しよう。」と、言いました。そしてその晩は、みんなで色々出立の用意を
致
(
いた
)
しました。
三人兄弟
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
先生はこの驚嘆の念より
出立
(
しゅったつ
)
して、好奇心に移り、それからまた研究心に落ち付いて、この
大部
(
たいぶ
)
の著作を公けにするに至ったらしい。
マードック先生の『日本歴史』
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
相「此の相川は年老いたれども、其の事は命に掛けて飯島様の
御家
(
おいえ
)
の立つように計らいます、そこでお前は
何日
(
いつ
)
敵討に
出立
(
しゅったつ
)
なさるえ」
怪談牡丹灯籠:04 怪談牡丹灯籠
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
そして、
呉服店
(
ごふくみせ
)
のおかみさんが、しんせつに、
泊
(
と
)
まっていったらというのをきかずに、
停車場
(
ていしゃば
)
へ
引
(
ひ
)
き
返
(
かえ
)
して、
出立
(
しゅったつ
)
したのでした。
真吉とお母さん
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「こよいお
出立
(
しゅったつ
)
の用意をあそばして、半兵衛様のお墓のある山の上までお越しあれ——との仰せでした。……ええ、すぐにです」
新書太閤記:06 第六分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
▼ もっと見る
私は長崎を
出立
(
しゅったつ
)
して中津に帰る
所存
(
つもり
)
で
諫早
(
いさはや
)
まで参りました処が、その途中で
不図
(
ふと
)
江戸に
行
(
ゆ
)
きたくなりましたから、是れから江戸に参ります。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
ところがその翌日彼らは巡礼者の事ですから
出立
(
しゅったつ
)
するという訳、私も同じく出立しなければならん。彼らはなかなか出立するのに暇が掛る。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
母
危篤
(
きとく
)
という電報で、取るものも取り敢えず
出立
(
しゅったつ
)
した、そんなわけでおわかれもせずに来たが
赦
(
ゆる
)
してくれという手紙であった。
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
食器
棚
(
だな
)
。薬品の戸棚。部屋の中央にテーブル。旅行カバンが一つ、帽子のボール箱が幾つか。
出立
(
しゅったつ
)
の用意が見てとられる。
かもめ:――喜劇 四幕――
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
訣別
(
けつべつ
)
の宴につらなった良致氏は、黙々として静かにホークを取っただけで、食後の話もなく、翌日、
出立
(
しゅったつ
)
のおりもプラットホームに石の如く立って
九条武子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
宮内は
高野山
(
こうやさん
)
へ、探偵として入り込む内命をうけて喜んで
出立
(
しゅったつ
)
した。
紀州
(
きしゅう
)
の霊場には、鎌倉を去った堀主水が、身の危険を感じて登山しているのであった。
討たせてやらぬ敵討
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
その時の私には、時ならぬ
出立
(
しゅったつ
)
客など怪しんでいる余裕はなく、ただもうワクワクとして、その廊下をどちらへ行っていいのかさえ、分らない始末でした。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
いつぞや大菩薩峠の上で
生胴
(
いきどう
)
を
試
(
ため
)
してその
切味
(
きれあじ
)
に覚えのある武蔵太郎安国の
鍛
(
きた
)
えた
業物
(
わざもの
)
を横たえて、門弟下男ら
都合
(
つごう
)
三人を引きつれて、いざ
出立
(
しゅったつ
)
の
間際
(
まぎわ
)
へ
大菩薩峠:01 甲源一刀流の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
なおまた当五月
出立
(
しゅったつ
)
の節、心事一々申上げ置き候に付き、今更何も思い残す事御座無く候。この
度
(
たび
)
漢文にて相
認
(
したた
)
め候諸友に語る書も、御転覧遊ばさるべく候。
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
ただ余の
出立
(
しゅったつ
)
の朝、君は
篋底
(
きょうてい
)
を探りて一束の草稿を持ち来りて、亡児の
終焉記
(
しゅうえんき
)
なればとて余に示された、かつ今度出版すべき文学史をば亡児の記念としたいとのこと
我が子の死
(新字新仮名)
/
西田幾多郎
(著)
しかしてかれ自ら敗れ、ついに遠く欧州に走らばやと思い定めき。最初父はこれを許さざりしも急にかれの願いを入れて一日も早く
出立
(
しゅったつ
)
せよと命ずるごとくに促しぬ。
わかれ
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
留守居の者が私の
出立
(
しゅったつ
)
の模様やそれから日頃の有様などを
精
(
くわ
)
しく話して聞かせると、その男までつい貰い泣きをし、「ともかくもその事を殿に早くお知らせ申しましょう」
かげろうの日記
(新字新仮名)
/
堀辰雄
(著)
まず第一に十里ぐらいはなんだと
嘲
(
あざけ
)
りを心に
催
(
もよお
)
す。この種類の人も僕が
出立
(
しゅったつ
)
するときに、今日は十里の散歩をしようと、心に定めたことを度外視してわが輩の遠足を
測
(
はか
)
る。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
曩日
(
さき
)
に東京を
出立
(
しゅったつ
)
するの時、やはり、磯山の依頼により、火薬を運搬するの約ありて、長崎まで至るの都合なりしが、その義務終りなば、帰京して、第二の策、即ち内地にて
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
ロレ さ、
速
(
はや
)
う
往
(
ゆ
)
きゃれ。さらばぢゃ。
貴下
(
こなた
)
の
幸運
(
かううん
)
は
只
(
たゞ
)
此
(
この
)
一
(
ひと
)
つに
繋
(
かゝ
)
る、
夜番
(
よばん
)
の
置
(
お
)
かれぬうちに
出立
(
しゅったつ
)
するか、さなくば
夜明
(
よあ
)
くる
頃
(
ころ
)
姿
(
すがた
)
を
窶
(
やつ
)
して
此
(
この
)
市
(
まち
)
を
遠
(
とほ
)
ざかるか、
二
(
ふた
)
つに
一
(
ひと
)
つぢゃ。
ロミオとヂュリエット:03 ロミオとヂュリエット
(旧字旧仮名)
/
ウィリアム・シェークスピア
(著)
◎
浅草
(
あさくさ
)
の或る寺の
住持
(
じゅうじ
)
まだ坊主にならぬ壮年の頃
過
(
あやま
)
つ事あって生家を追われ、
下総
(
しもうさ
)
の
東金
(
とうかね
)
に親類が有るので、当分厄介になる
心算
(
つもり
)
で
出立
(
しゅったつ
)
した途中、
船橋
(
ふなばし
)
と云う所で
某
(
ある
)
妓楼
(
ぎろう
)
へ
上
(
あが
)
り
枯尾花
(新字新仮名)
/
関根黙庵
(著)
たしかに御持ちでしょうね。善は急げだ。急げばそれだけこの恐るべき事件の底も早くたたいて見られると云うものです。もしわしがあなたであったらすぐさま
出立
(
しゅったつ
)
致しますがね
作男・ゴーの名誉
(新字新仮名)
/
ギルバート・キース・チェスタートン
(著)
珠運が一身
二一添作
(
にいちてんさく
)
の五も六もなく
出立
(
しゅったつ
)
が徳と極るであろうが、人情の
秤目
(
はかりめ
)
に
懸
(
かけ
)
ては、魂の
分銅
(
ふんどう
)
次第、
三五
(
さんご
)
が十八にもなりて
揚屋酒
(
あげやざけ
)
一猪口
(
ひとちょく
)
が
弗箱
(
ドルばこ
)
より重く、色には目なし無二
無三
(
むざん
)
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
出立
(
しゅったつ
)
の際も已に天気つづきだったので、眼前の景色をそのまま取入れたものであろうが、同時に旅立つ人に対し、この日和の更に続けかしと
希
(
ねが
)
う意が含まれているような気もする。
古句を観る
(新字新仮名)
/
柴田宵曲
(著)
「道があけた! 先生すぐお
出立
(
しゅったつ
)
のお支度なさいまし! ——小次も早く支度しろ」
流行暗殺節
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
「それでは、あとで話をゆっくり聞くとして、これからすぐ伊豆山の相州屋へ電話をかけて、川上糸子がいるかどうか、もし
出立
(
しゅったつ
)
したとすると、いつ相州屋を出たか聞いてくれたまえ」
深夜の電話
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
翌十日は朝
出立
(
しゅったつ
)
した、馬を五頭、一頭は荷物を積んで、案内者の、チャアルス・グーチという男が、裸馬に乗り、アルペン杖を横たえながら、片手で荷馬車を
曳
(
ひ
)
いて先登に立って行く。
火と氷のシャスタ山
(新字新仮名)
/
小島烏水
(著)
彼はその
唐突
(
とうとつ
)
な
出立
(
しゅったつ
)
にびっくりして、どう言っていいかもわからなかった。彼女がそんな決心をした動機を知ろうと試みた。彼女は一時のがれの返辞をした。彼は落ち着く先を尋ねた。
ジャン・クリストフ:07 第五巻 広場の市
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
そのご
出立
(
しゅったつ
)
のときにも、どちらの道を選べばよいかとお
占
(
うらな
)
わせになりました。
古事記物語
(新字新仮名)
/
鈴木三重吉
(著)
この夜二人はただ
嬉
(
うれ
)
しくて面白くて、将来の話などしないで寝てしまった。翌朝お千代が来た時までに、とにかく省作がまず一人で東京へ出ることとこの
月半
(
つきなか
)
に
出立
(
しゅったつ
)
するという事だけきめた。
春の潮
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
此条
(
このじょう
)
王鬼に
届出
(
とどけい
)
でずして
我儘
(
わがまま
)
に
出立
(
しゅったつ
)
せば
鬼桃太郎
(新字新仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
またその方から
出立
(
しゅったつ
)
する事が多いかも知れませんから、その方に興味のない
方
(
かた
)
には御気の毒ですが、まあ仕方がない、御聴きを願います。
模倣と独立
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「
虎之助
(
とらのすけ
)
のかわいがっておる
井上大九郎
(
いのうえだいくろう
)
、この三名をつかわそう。日もはやせっぱくしておることゆえ、すぐ
出立
(
しゅったつ
)
させるがよい」
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
出立
(
しゅったつ
)
の朝になっても、青年の姿は見えなかった。美奈子は、母が青年を連れて行くことを中止したのではないかとさえ思った。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
ちょうど私が
出立
(
しゅったつ
)
の際、甚だ親しい信者であるからわざわざ尋ねて行ったところが何故か同氏は非常に
憂
(
うれ
)
えて居られた。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
たった一人の伯父さん、年が年だから
死水
(
しにみず
)
を取るが
宜
(
い
)
いと、三藏は気の付く人だから、多分の手当をくれましたから、
暇
(
いとま
)
を告げ
出立
(
しゅったつ
)
を致しまして
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
出立
(
しゅったつ
)
のとき
別
(
わかれ
)
を惜しみ無事を祈って
呉
(
く
)
れる者は母と姉とばかり、知人朋友、
見送
(
みおくり
)
は
扨置
(
さてお
)
き見向く者もなし、逃げるようにして船に乗りましたが、兄の死後
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
中
(
なか
)
でも、いちばん
心
(
こころ
)
をひかれたのは、もう、七、八
年
(
ねん
)
も
前
(
まえ
)
になるが、五、六
人
(
にん
)
連
(
づ
)
れの
旅芸人
(
たびげいにん
)
が、ある
日
(
ひ
)
、
急
(
いそ
)
いでここの
港
(
みなと
)
から、
船
(
ふね
)
に
乗
(
の
)
って
出立
(
しゅったつ
)
したときのことであります。
海と少年
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
いよいよ
出立
(
しゅったつ
)
の日妾に向かい、内地にては常に郷里のために目的を
妨
(
さまた
)
げられ、万事に失敗して
御身
(
おんみ
)
にまで非常の心痛をかけたりしが、今回の
行
(
こう
)
によりて、
聊
(
いささ
)
かそを
償
(
つぐな
)
い得べし。
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
番頭のいう所によりますと、彼らは何の前ぶれもなしに、突然
出立
(
しゅったつ
)
の用意をして下りて来て、帳場で宿泊料の支払いを済せると、
慌
(
あわ
)
てて、自動車も呼ばずに出て行ったというのです。
湖畔亭事件
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
関
(
かま
)
わず
置
(
おけ
)
ば当世
時花
(
はや
)
らぬ恋の病になるは必定、
如何
(
どう
)
にかして助けてやりたいが、ハテ難物じゃ、それとも
寧
(
いっそ
)
、
経帷子
(
きょうかたびら
)
で
吾家
(
わがや
)
を
出立
(
しゅったつ
)
するようにならぬ内
追払
(
おっぱら
)
おうか、さりとては忍び難し
風流仏
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
いよいよ泡鳴が大阪へ
出立
(
しゅったつ
)
する二日前の、三月廿六日の日記には
遠藤(岩野)清子
(新字新仮名)
/
長谷川時雨
(著)
しかしわれわれの方では sex の問題とか naturalism とか世間に知れわたった法則等から
出立
(
しゅったつ
)
するものは
無題
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
入間
(
いるま
)
川から
女影
(
おなかげ
)
の原付近で、とかく物騒なうわさが絶えないというので、夜旅をかけて武蔵野を横ぎる場合は、
立場問屋
(
たてばといや
)
で
出立
(
しゅったつ
)
の時刻をさだめ
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
明治三十年六月二十六日に
出立
(
しゅったつ
)
して明治三十三年七月四日にこの国境に着いたのであるから自分の予期の違わざりし嬉しさに堪えられなかったです。
チベット旅行記
(新字新仮名)
/
河口慧海
(著)
その時の始末でも幕府の模様が
能
(
よ
)
く分る。
此方
(
こっち
)
を
出立
(
しゅったつ
)
する時から、先方の談判には八十万
弗
(
ドルラル
)
渡したと
云
(
い
)
う請取がなければならぬと云うことは能く
分
(
わかっ
)
て居る。
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
出立
(
しゅったつ
)
の朝だった。自分が捨てゝ置かれると云うことが分ると、勝彦は狂人のように
暴
(
あば
)
れ出した。毎年一度か二度は、発作的に狂人のようになってしまう彼だった。
真珠夫人
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
それから
白山通
(
はくさんどお
)
りへ出まして、
駕籠
(
かご
)
を雇い
板橋
(
いたばし
)
へ一泊して、翌日
出立
(
しゅったつ
)
を致そうと思いますと、
秋雨
(
あきさめ
)
が
大降
(
おおぶり
)
に降り出してまいって、出立をいたす事が出来ませんから
菊模様皿山奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
先ずその地を志し
窃
(
ひそ
)
かに
出立
(
しゅったつ
)
の用意をなすほどに、自由党解党の議起り、
板垣伯
(
いたがきはく
)
を始めとして、当時名を得たる人々ども、いずれも
下阪
(
げはん
)
し、土倉庄三郎氏もまた大阪に出でしとの事に
妾の半生涯
(新字新仮名)
/
福田英子
(著)
「
私
(
わたし
)
は二、三
日
(
にち
)
前
(
まえ
)
に、ずっと
南
(
みなみ
)
の
都
(
みやこ
)
から
出立
(
しゅったつ
)
しました。
去年
(
きょねん
)
の
冬
(
ふゆ
)
はにぎやかな
都
(
みやこ
)
で
送
(
おく
)
りました。もう
夏
(
なつ
)
になって、
北
(
きた
)
の
海
(
うみ
)
が
恋
(
こい
)
しくなったので
帰
(
かえ
)
るところですよ。」と、かもめは
答
(
こた
)
えました。
馬を殺したからす
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
“出立”の意味
《名詞》
(旅などに)出発すること。
(出典:Wiktionary)
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
立
常用漢字
小1
部首:⽴
5画
“出立”で始まる語句
出立前
出立点
出立後