はなはだ)” の例文
鴎外は空想の放肆ほうしにわたるのをはなはだしく恐れていたのである。しかしそれにもかかわらず、なぜか夢を好んでいたように見える。
うち見た処如何にも質素で柱などもはなはだしく奢った点は更に見えない、これが天下の大将軍の城内の御殿かと疑われるほどだ、史料建築としてはもう一吟味して見なければならないが
武州喜多院 (新字新仮名) / 中里介山(著)
その勢にこれ見そなはせ、尾の先少しみ取られて、痛きことはなはだしく、生れも付かぬ不具にされたり。かくては大切なるこの尻尾も、老人としより襟巻えりまきにさへ成らねば、いと口惜しく思ひ侍れど。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)