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太
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ふて
ふりがな文庫
“
太
(
ふて
)” の例文
又「打ったで済むか、
殊
(
こと
)
に面部の此の
疵
(
きず
)
縫うた処が
綻
(
ほころ
)
びたら何うもならん、亭主の横面を
麁朶
(
そだ
)
で打つてえ事が有るか、
太
(
ふて
)
え奴じゃア
汝
(
おのれ
)
」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「それぢや錢形の、この娘にきつと泥を吐かせるから待つて居て貰はうか。飛んだ可愛いらしい顏をしてゐるが、
太
(
ふて
)
え阿魔だ。さア歩けツ」
銭形平次捕物控:175 子守唄
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「どうして、あの楽天坊主、一
ト
筋縄で行く奴じゃァねえ。——肚の底を叩いたらどんなまだ
太
(
ふて
)
えことをたくらんでるか分ったもんじゃァねえ。」
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
「打ったがどうした、十八文は俺の看板だ、その看板を情けねえの、あたじけねえのケチを附けやがって、
太
(
ふて
)
え野郎だ」
大菩薩峠:06 間の山の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「
太
(
ふて
)
え野郎だ。誰が苛責た。年の若いものつらまえて。よしよしおれが今に
敵
(
かたき
)
を打ってやるから。その代り帰るんだぜ」
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
▼ もっと見る
箆棒
(
べらぼう
)
、おつ
嵌
(
ぱ
)
めんなもんぢやねえ、それ
厭
(
や
)
だら
錢
(
ぜに
)
出
(
だ
)
せよ
錢
(
ぜに
)
、なあ、
錢
(
ぜに
)
出
(
だ
)
さねえ
積
(
つもり
)
すんのが
泥棒
(
どろぼう
)
より
太
(
ふて
)
えんだな、
西
(
にし
)
のおとつゝあ
等
(
ら
)
躊躇逡巡
(
しつゝくむつゝく
)
だから、かたで
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
ぬすんでよ、それでたつた酒三升で濟したちうだ。地主だ、總代だなんどと威張つてやがつて、
太
(
ふて
)
え親子だ。雨乞ひにだつて
一昨日
(
おとてえ
)
から出やしねでねえか。
旱天実景
(旧字旧仮名)
/
下村千秋
(著)
もしそうならば、重々
太
(
ふて
)
え奴らだ。しかしお城坊主の伜なんぞには随分悪い奴がある。
下手
(
へた
)
をやると
逆捻
(
さかね
)
じを喰うから、気をつけて取りかからなけりゃあならねえ
半七捕物帳:50 正雪の絵馬
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
『
野郎
(
やらう
)
、
俺
(
おれ
)
が
今
(
いま
)
投
(
な
)
げたお
賽錢
(
さいせん
)
を
踏
(
ふ
)
めアがツて、
太
(
ふて
)
え
奴
(
やつ
)
だ。ぶン
毆
(
なぐ
)
るから
然
(
さ
)
う
思
(
おも
)
へツ』と
呼
(
よば
)
はる。
探検実記 地中の秘密:29 お穴様の探検
(旧字旧仮名)
/
江見水蔭
(著)
「
太
(
ふて
)
え奴」と、裴元紹は、のど首を締めつけて、いきなり短剣でその首を掻き落そうとした。
三国志:06 孔明の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
そ、そ、それが第一
太
(
ふて
)
えんです。話にも理窟にもならねえほど太てえ事をしやがるんです。
旗本退屈男:04 第四話 京へ上った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
お鳥は奥から出て来ると、
太
(
ふて
)
くさったような口を利いて、茶の間にごろごろしていた。
足迹
(新字新仮名)
/
徳田秋声
(著)
かんかん虫手合いで恐がられが己れでよ、
太
(
ふて
)
腐れが彼奴だ。
かんかん虫
(新字新仮名)
/
有島武郎
(著)
「いつになったら払おうというんだ、
太
(
ふて
)
え
女
(
あま
)
め。」
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
「じゃあ又帰っていやがるのだ。
太
(
ふて
)
え奴だなあ」
護持院原の敵討
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
どうした?
太
(
ふて
)
え野郎だ。
工場細胞
(新字新仮名)
/
小林多喜二
(著)
「それはどうした、一期半期の奉公人が、三百両の大金を溜めたなんて言ったって、お
白洲
(
しらす
)
じゃ通用しねえよ、
太
(
ふて
)
え野郎だ」
銭形平次捕物控:099 お篠姉妹
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
半「成らんも成るもあるものか、
能
(
よ
)
くもお蘭さんを
生埋
(
いきうめ
)
にしやアがったな、此の坊主、
太
(
ふて
)
え奴だ、お蘭さんの代りに此の中へ
這入
(
へえ
)
れ、間抜めが」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
何程
(
なんぼ
)
心細
(
こゝろぼせ
)
えか
分
(
わか
)
んねえもんですよ、
尤
(
もつと
)
もこれ、
死
(
し
)
ぬ
者
(
もの
)
せえあんだから
斯
(
か
)
うして
居
(
え
)
られんな
難有
(
ありがて
)
え
樣
(
やう
)
なもんぢやあるが、そんでも四
斗樽
(
とだる
)
の
太
(
ふて
)
え
箍
(
たが
)
ん
處
(
ところ
)
むぐつた
時
(
とき
)
や
土
(旧字旧仮名)
/
長塚節
(著)
「乞食よりも意気地がなくて、
盗
(
ぬす
)
っ
人
(
と
)
よりも
太
(
ふて
)
え
芥溜
(
ごみため
)
牢人と思っているが、それがどうした」
宮本武蔵:05 風の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「
太
(
ふて
)
え野郎だ、どうも眼つきがおかしいから、あんな奴が薩摩の廻し者なんだろう」
大菩薩峠:10 市中騒動の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
太
(
ふて
)
え御了簡ッちゃありゃしねえ。どうして探り出そう、誰から嗅ぎ出そうと
手蔓
(
てづる
)
をたぐって行くうちにね、ゆうべこちらへ御菓子折とかを届けためくらとあの若い野郎とを嗅ぎ当てたんですよ。
旗本退屈男:10 第十話 幽霊を買った退屈男
(新字新仮名)
/
佐々木味津三
(著)
あんな
太
(
ふて
)
え罰あたりはねえ。——
始終
(
しょっちゅう
)
金平さんはそういっているんだ。
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
「
太
(
ふて
)
え野郎だ。よしよし今に
己
(
おれ
)
が送り出してやるから待ってろ」
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「あの野郎、なま若え癖に、
太
(
ふて
)
え奴だ。」
三浦老人昔話
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
農「
然
(
そ
)
うか、
何
(
なん
)
とハア此の村でも段々
人気
(
にんき
)
が悪くなって、人の心も変ったが、徳野郎あれはあのくれえ
太
(
ふて
)
え奴はねえノ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
太
(
ふて
)
え殿様野郎だ。これから踏込んで、三万七千石の家中を引っくり返し、
人身御供
(
ひとみごくう
)
にあがる志賀内匠というお武家を救い出して来ましょう。親分」
銭形平次捕物控:078 十手の道
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「畜生ッ
太
(
ふて
)
え
外道
(
げどう
)
だ。そんな野郎にご領内の地べたを
一寸
(
いっすん
)
でも踏ませてなるもんけえ」
剣難女難
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
天誅というのは、金持やなんかで
太
(
ふて
)
えことをした奴を踏んごんで行って斬っちまって、その首を
曝
(
さら
)
したりなんかするんだ、なかには前以て高札を立てて
脅
(
おど
)
しといて斬る奴なんぞもあるんだ。
大菩薩峠:12 伯耆の安綱の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「かつぐとしたら楽天坊主だ。」三浦は引取って「吾妻に死なれ、若宮に死なれ、これでまたもしチョコに死なれたらいかに料簡の
太
(
ふて
)
え奴でも……料簡の太え奴は太えだけそれだけどッかに脆いところがある。——いゝ加減気を ...
春泥
(新字新仮名)
/
久保田万太郎
(著)
「何をもぞもぞしているんだ、——平次を
担
(
かつ
)
ごうなんて
太
(
ふて
)
え女に掛り合っていると、お前もひどい目に逢わされるぞ」
銭形平次捕物控:114 遺書の罪
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
半「斯ういう事も有ろうかと思って居た、さア坊主
太
(
ふて
)
え奴だ、
手前
(
てめえ
)
は衣を着る身で斯んな事をしやアがって
太
(
ふて
)
え奴だ」
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「わっしはお妾の
鬼目付
(
おにめつけ
)
で、一緒についてまいりました。ところが旦那、
太
(
ふて
)
え女もあるもんで、この人のいい宅助に
鼠薬
(
ねずみぐすり
)
を
舐
(
な
)
めさせやがって、プイと、途中で姿を隠してしまいました」
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「へえ、贋物に違いありませんか、
太
(
ふて
)
え奴ですね」
大菩薩峠:24 流転の巻
(新字新仮名)
/
中里介山
(著)
「何をもぞ/\して居るんだ、——平次を
擔
(
かつ
)
がうなんて
太
(
ふて
)
え女に掛り合つて居ると、お前もひどい目に逢はされるぞ」
銭形平次捕物控:114 遺書の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
官員さまのお
姓名
(
なめえ
)
を
騙
(
かた
)
って
太
(
ふて
)
え野郎だ……これ此処にござる布卷吉さんと云うのは、年イ未だ十五だが、
偉
(
えれ
)
えお人だ、忘れたか、
両人
(
ふたり
)
共によく見ろ
霧陰伊香保湯煙
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
太
(
ふて
)
エ
奴
(
やつ
)
だ」
鳴門秘帖:05 剣山の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
「ヘエッ、そんなもんですかねえ。
擬
(
まが
)
い物と解っているなら、踏込んで挙げちまおうじゃありませんか、諸人を惑わして、銭を取るのは
太
(
ふて
)
え野郎だ——」
銭形平次捕物控:092 金の茶釜
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
清「
太
(
ふて
)
え婆だ十円取って五円くすねたのだ仕様のねえ
狡猾婆
(
こうかつばゞあ
)
だ、そんなら御一緒にお前さんの
家
(
うち
)
へ
行
(
ゆ
)
きましょう」
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お瀧は
太
(
ふて
)
え女だがさすがにお君を殺したところへ、お吉が手燭を持つて出て來たので、あわてて短刀を拔かずに逃げたのだらう——證據はいくらもある。
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
今年になるまでくっついて居て、其の亭主が邪魔になるもんだから追出してしまいてえと思い、
科
(
とが
)
もねえ者へ不義の名を附けようとするだ、
太
(
ふて
)
い阿魔じゃねえか
塩原多助一代記
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
お滝は
太
(
ふて
)
え女だがさすがにお君を殺したところへ、お吉が手燭を持って出て来たので、あわてて短刀を抜かずに逃げたのだろう——証拠はいくらもある。
銭形平次捕物控:211 遠眼鏡の殿様
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
其の代り
手前
(
てめえ
)
を横須賀へ女郎に
陥
(
は
)
めて、己もそれだけ友達に顔向けの出来るようにしなければならねえ、覚悟しろ此の坊主
太
(
ふて
)
え奴と、まア斯ういう訳になるのだ
松の操美人の生埋:02 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「時次の野郎猫ばばをきめて、懐ろ鏡一つでお松の気を引こうなどは
太
(
ふて
)
え
料簡
(
りょうけん
)
じゃありませんか」
銭形平次捕物控:139 父の遺書
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
女房は返えさず打ち打擲したそうです、口惜しいから悪態を云うと門弟が引出して、
彼
(
あ
)
の通り
打
(
ぶ
)
ったり
溝
(
どぶ
)
の中へ
突込
(
つきこ
)
んだりして、丸で豚を見たようです、
太
(
ふて
)
い奴ですなア
業平文治漂流奇談
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「お銀さんがみんな知っている。手前は大名のお部屋様を口説き廻したろう、
太
(
ふて
)
え奴だ、——もっと証拠が欲しかったら手前が鼠取りを買った
生薬屋
(
きぐすりや
)
を
伴
(
つ
)
れて来ようか」
銭形平次捕物控:045 御落胤殺し
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
何
(
ど
)
う有っても貸せねえってものア無理にゃア借りねえ、じゃア云って聞かせるが、コレ女だと思うから優しく出りゃア
宜
(
い
)
い気に成りやアがって、
太
(
ふて
)
え事をしやアがって
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
太
(
ふて
)
え野郎だ。主人の持物なんかと
道行
(
みちゆき
)
をしやがって、人殺しの疑いくらいは
天罰
(
てんばつ
)
だと思えッ」
銭形平次捕物控:297 花見の留守
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
色気も恋も
醒
(
さ
)
めてしまった、
余
(
あんま
)
り
実地過
(
じっちすぎ
)
るが、それじゃア
婆
(
ばゞあ
)
が
最
(
も
)
う五円くすねたな、
太
(
ふて
)
え奴だなア、それはいゝが、その大事な観音様と云うのはどんな観音様だえ、お見せ
西洋人情話 英国孝子ジョージスミス之伝
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
「
太
(
ふて
)
え野郎ですね、——たつたそれだけの證據を揃へるために、
幇間
(
たいこもち
)
の善八を殺したんで?」
銭形平次捕物控:177 生き葬ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
太
常用漢字
小2
部首:⼤
4画
“太”を含む語句
太陽
猶太人
墺太利
伊太利
太夫
猶太
太子
太息
太刀
太古
太股
以太利
太陽様
太政官符
太々
樺太
太郎
太棹
太初
大太鼓
...