“乱懸”の読み方と例文
読み方割合
みだれかか100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
綾子はおとがいを襟にうずめぬ。みがかぬ玉にあか着きて、清き襟脚くもりを帯び、憂悶ゆうもんせる心の風雨に、えんなる姿の花しぼみて、びんの毛頬に乱懸みだれかかり、おもかげいたくやつれたり。
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
上下一呼吸ひといきく間もあらせず、まなこ鋭く、ほおせてひげ蓬々ぼうぼうと口をおおい、髪はおどろ乱懸みだれかかりて、手足の水腫みずぶくれに蒼味を帯びたる同一おなじような貧民一群、いまだ新らしき棺桶かんおけを、よいしょと背負込しょいこ
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)