“乱杭歯”の読み方と例文
旧字:亂杭齒
読み方割合
らんぐいば100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
みると、黒衣こくい妖婆ようば。——晴季のッ先をびのくが早いか、乱杭歯らんぐいばの口を、カッと開いて、ピラピラピラピラ! と目にもとまらぬはりをふいた。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
すがめを光らせて、周囲まわりの人々を見た。苦笑とも欠伸あくびともつかず、口をあけた。煙草で染まった大きな乱杭歯らんぐいばが見える。
釘抜藤吉捕物覚書:11 影人形 (新字新仮名) / 林不忘(著)
追従笑ついしょうわらいの大口を開くと歯茎が鼻の上まではだけて、鉄漿おはぐろげた乱杭歯らんぐいばの間から咽喉のどが見える。おびえたもんですぜ。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)