“らんぐいば”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
乱杭歯87.5%
乱杙歯12.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
追従笑ついしょうわらいの大口を開くと歯茎が鼻の上まではだけて、鉄漿おはぐろげた乱杭歯らんぐいばの間から咽喉のどが見える。おびえたもんですぜ。
卵塔場の天女 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
躯は骨ばかりのようにせて、落ちくぼんだ眼ばかりが大きく、月代さかやきの伸びた灰色の髪はまばらで、まくれあがった上唇の下に、大きな乱杭歯らんぐいばがむきだされていた。
なぞと挨拶にでも云う者が居るとオナリ婆さんは、きまり切って乱杙歯らんぐいば剥出むきだしてイヤな笑い方をした。片足を敷居の外に出しながら、すこし勢込んで振返った。
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
と見たとき、きたない乱杙歯らんぐいばをむき出して
いやな感じ (新字新仮名) / 高見順(著)
その幸福を攪乱かきみだし、冷笑し、罵倒し、その幻想の全体を極めて不愉快な、索然たるものにしてしまうのはマユミの父親の頑固な恰好をした禿頭とくとうと、母親のおおかみみたような乱杙歯らんぐいばの笑い顔であった。
巡査辞職 (新字新仮名) / 夢野久作(著)