“乱杭”のいろいろな読み方と例文
旧字:亂杭
読み方割合
らんぐい88.2%
らんぐひ11.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
きたない乱杭らんぐい歯だったのにと俺は俺の眼を疑った。色白の、むくんだような顔も、かつてのアビルと同一人物とは思えぬ変りようだ。
いやな感じ (新字新仮名) / 高見順(著)
どうでえ、手前てめえできのいい女郎に、子供を生ませて——とこう眺めていると、鼻は獅子しし鼻、歯は乱杭らんぐい、親の因果が、子に報いってつらだなあ
大岡越前の独立 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
その代り乱杭らんぐひを二三十本打ちこみましたがね、昼になってその崩れた工合ぐあひを見ましたらまるでまん中から裂けたやうなあんばいだったのです。
化物丁場 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
「百本杭」もその名の示す通り、河岸かしに近い水の中に何本も立つてゐた乱杭らんぐひである。昔の芝居はころなどに多田ただ薬師やくし石切場いしきりばと一しよに度々この人通りの少ない「百本杭」の河岸かしを使つてゐた。
本所両国 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)