城からさがった孝之助が、父の病間へ挨拶にいって、着替えをしに居間へはいると、家扶の伊部文吾が来て、北畠から使いがあったと低い声で云った。 「もし御都合がよろしかったら、夜分にでもおいで下さるようにとのことでございました」 訝しそうな眼を向け …
| 著者 | 山本周五郎 |
| ジャンル | 文学 > 日本文学 > 小説 物語 |
| 初出 | 「労働文化」労働文化社、1951(昭和26)年10月~1952(昭和27)年3月 |
| 文字種別 | 新字新仮名 |
| 読書目安時間 | 約1時間33分(500文字/分) |
| 朗読目安時間 | 約2時間34分(300文字/分) |