つひ)” の例文
ぬる年、みやこにありつる日、鎌倉の兵乱ひやうらんを聞き、九二御所のいくさつひえしかば、総州に避けてふせぎ給ふ。管領くわんれいこれを責むる事きふなりといふ。
洞の前數歩には、その頃いと寂しき一軒の家ありて、「カタコンバ」のうちの一つに造りかけたりき。この家今はつひえて斷礎をのみぞ留めたる。
かみのべ腫物しゆもつの上に貼置はりおきけるに其亥刻頃よつごろより痛む事甚だしく曉方あけがたに成て自然しぜんつひうみの出る事夥多敷おびたゞしく暫時しばらく有ていたみわすれたる如くさりければ少しづつうごかし見るに是迄寢返ねがへりも自由に成ざりし足がひざ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
俺の第一防禦線は一支ひとささへもなくつひえる。
瘢痕 (新字旧仮名) / 平出修(著)
直舎ちよくしやつひえて、昌盈はこれに死した。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
俄につひえて落ち重なり
私本太平記:13 黒白帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
身は急につひゆる心地ここち
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)