“謙抑”の読み方と例文
読み方割合
けんよく100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
高田の鋭く光る眼差まなざしが、この日も弟子を前へ押し出す謙抑けんよくな態度で、句会の場数を踏んだ彼の心遣こころづかいもよくうかがわれた。
微笑 (新字新仮名) / 横光利一(著)
が、堂堂たる批評家たちの短歌や俳句を批評するのを見ると、不思議にも決して威張ゐばつたことはない。いづれも「わたしは素人しろうとであるが」などと謙抑けんよくの言を並べてゐる。
変遷その他 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
大将は心に燃え上がるものをおさえていたが、またあまり過ぎた謙抑けんよくは取り返しのつかぬ後悔を招くことではないかともいろいろに煩悶はんもんをしながら帰って行くのであった。
源氏物語:39 夕霧一 (新字新仮名) / 紫式部(著)