おおい)” の例文
更に迂回うかいして柴折戸しおりどのあるかたき、言葉より先に笑懸けて、「暖き飯一ぜん与えたまえ、」とおおいなる鼻を庭前にわさきへ差出しぬ。
妖僧記 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
大なる火炉とおおいなる鉄敷かなしきとの周囲
ひとしく、野の燃ゆるがごとく煙って、鼻のとがった、おおいなる紳士が、銃を倒す、と斉しく、ヘルメット帽を脱いで、高くポンと空へ投げて、拾って、また投げて、落ちると、宙に受けて
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)