トップ
>
服装
>
みなり
ふりがな文庫
“
服装
(
みなり
)” の例文
旧字:
服裝
半七はそれから日本橋の
馬喰町
(
ばくろちょう
)
へ行った。死骸の
服装
(
みなり
)
からかんがえて、まず馬喰町の宿屋を一応調べてみるのが正当の順序であった。
半七捕物帳:28 雪達磨
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
此時になつて初めて其の
服装
(
みなり
)
を見ると、依然として
先刻
(
さつき
)
の鼠の衣だつたが、例の土間のところへ来ると、そこには蓑笠が揃へてあつた。
観画談
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
とくに念を入れた
服装
(
みなり
)
をしていて、フランネルの服、派手な手袋、白の
半靴
(
はんぐつ
)
、薄青の
襟飾
(
えりかざり
)
を
結
(
ゆわ
)
えていた。手には小さな
鞭
(
むち
)
をもっていた。
ジャン・クリストフ:04 第二巻 朝
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
当座の用事とは、必要な手紙をかくとか、始終こざっぱりした
服装
(
みなり
)
をしているために、まめに縫い物をするとかいうようなこと。
女中訓
(新字新仮名)
/
羽仁もと子
(著)
服装
(
みなり
)
なども立派に成った。しかし以前の貧乏な時代よりは、今日の方が
幸福
(
しあわせ
)
であるとは、先生の
可傷
(
いたま
)
しい眼付が言わなかった。
家:02 (下)
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
▼ もっと見る
とちやほや、貴公子に対する
待遇
(
もてなし
)
。
服装
(
みなり
)
もお聞きの通り、それさえ、汗に染み、
埃
(
ほこり
)
に
塗
(
まみ
)
れた、
草鞋穿
(
わらじばき
)
の旅人には、過ぎた扱いをいたしまする。
湯女の魂
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
其麽
(
そんな
)
事から、この町に唯一軒の小川家の親籍といふ、立花といふ
家
(
うち
)
に半自炊の様にして泊つてゐるのだ。
服装
(
みなり
)
を飾るでもなく
書
(
ほん
)
を読むでもない。
鳥影
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
するとすぐ玄関わきの扉をあける音がして、五十恰好の薄穢い
服装
(
みなり
)
をした女が不機嫌な顔を突出した。ギルは突然三階には何者がいるかと訊ねた。
緑衣の女
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
けれどもこうした元気は、起こり初めと同じように、不意にぱったり消えてしまうのであった。彼はいつも立派な、しかも上品な
服装
(
みなり
)
をしていた。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
ただ
水
(
みず
)
をかぶったような
清浄
(
せいじょう
)
な
気分
(
きぶん
)
になればそれで
宜
(
よろ
)
しいので、そうすると、いつの
間
(
ま
)
にか
服装
(
みなり
)
までも、
自然
(
しぜん
)
に
白衣
(
びゃくい
)
に
変
(
かわ
)
って
居
(
い
)
るのでございます。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
利にさとい主人は、絵を見る振りをして、孝之進の
服装
(
みなり
)
その他に、鋭い目を投げた。そして何の興味も引かれないらしい、冷かな表情を浮べながら
日は輝けり
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「ああそうとも走って来るよ、一人は若武士、一人は娘、後の二人は香具師らしいよ。卑しい
服装
(
みなり
)
をしているからね」
南蛮秘話森右近丸
(新字新仮名)
/
国枝史郎
(著)
お前はこの頃ときどき間違った
帳記
(
ちょうづ
)
けをやる。つまり仕事に身を入れていないからだ。それに、いったい
服装
(
みなり
)
がだらしない。わしはそれも気に入らぬ。
無駄骨
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
四十歳前後の男で、私の隣の
卓子
(
テーブル
)
で独り飲んでいたのだ。(足を組んだ膝頭の辺をがくがく
顫
(
ふる
)
わせながら。)
服装
(
みなり
)
はひどいが、顔立は鋭く知的である。
光と風と夢
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
その全体の
服装
(
みなり
)
は、歌うがごとく燃ゆるがごとく、何ともいえない美しさだった。
葵
(
あおい
)
色の薄ものの長衣をつけ、
海老茶
(
えびちゃ
)
色の小さな役者靴をはいていた。
レ・ミゼラブル:04 第一部 ファンテーヌ
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
おれはキキイがなぜこんな
服装
(
みなり
)
をして居るのか、
他
(
た
)
の
夜毎
(
よごと
)
に盛装して散歩に出る三人の女とキキイとの間にどんな身分の
懸隔
(
けんかく
)
があるのか
解
(
わか
)
らなかつた。
巴里より
(新字旧仮名)
/
与謝野寛
、
与謝野晶子
(著)
夫人はようように夜の帽子をかぶって、
寝衣
(
ねまき
)
を着たが、こうした
服装
(
みなり
)
のほうが年相応によく似合うので、彼女はそんなに
忌
(
いや
)
らしくも、
醜
(
みにく
)
くもなくなった。
世界怪談名作集:03 スペードの女王
(新字新仮名)
/
アレクサンドル・セルゲーヴィチ・プーシキン
(著)
三流町でも見られぬような汚らしい貧しげな
服装
(
みなり
)
をしたお
内儀
(
かみ
)
さん連中が、縄で括った魚をブラ下げながら、ギャンギャン高声に子供を叱り飛ばしたり
陰獣トリステサ
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
応対の
雍
(
しとやか
)
にして
人馴
(
ひとな
)
れたる、
服装
(
みなり
)
などの当世風に貴族的なる、
或
(
あるひ
)
は
欧羅巴
(
ヨウロッパ
)
的女子職業に自営せる人などならずや。
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
女は華奢な上品な人らしく、
服装
(
みなり
)
も綺麗であったし、それから髪は良家の若い娘のそれのように結ばれていた。
貉
(新字新仮名)
/
小泉八雲
(著)
真昼時
(
まひるどき
)
の、静かな蔭に泌みた部屋に、汚ない
服装
(
みなり
)
をした此の婦人が白痴のやうに
空洞
(
カラッポ
)
な顔をして、グッタリ窓に凭れてゐる様を、私は稀に見ることがあつた。
蝉:――あるミザントロープの話――
(新字旧仮名)
/
坂口安吾
(著)
女中に手を
曳
(
ひ
)
かれて人込みにおどおどしながら町の片端を平生の
服装
(
みなり
)
で賑わいを見物するお屋敷の子は
山の手の子
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
村の
壮
(
わか
)
い男の眼にその姿があった。それは秋の
黄昏
(
ゆうぐれ
)
のことであった。狩装束をした
服装
(
みなり
)
の立派な武士が七八人の従者を
伴
(
つ
)
れて来た。従者の手には弓や鉄砲があった。
妖怪記
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
この
辺
(
あたり
)
の夜店を見歩いている人達の風俗に
倣
(
なら
)
って、出がけには
服装
(
みなり
)
を
変
(
かえ
)
ることにしていたのである。
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
おかめの面をかぶって、ピストルをもって、すっかり仮面強盗と同じ
服装
(
みなり
)
をして、いい潮時を見はからって出ていただくんです。そうすると、きっと大騒ぎになってよ。
探偵戯曲 仮面の男
(新字新仮名)
/
平林初之輔
(著)
そして博奕打に特有の商人コートに草履ばきという
服装
(
みなり
)
の男を見ると、いきなりドンと突き当り、相手が彼の痩せた体をなめて掛かって来ると、鼻血が出るまで闘った。
雨
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
ほんとに
懶惰
(
ものぐさ
)
でいらっしゃいますね。お
服装
(
みなり
)
にも少しは気をつけなさらなければいけませんよ。……ふさいでばかりいらっしゃらないで、気晴しにお出かけなさいましよ。
幻の彼方
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
部屋の真中に置かれた二つ三つの袋の他には誰ひとり人影のないのを確かめると、のこのこと
煖炉
(
ペチカ
)
から這ひだして、温かさうに著ぶくれた
裘衣
(
コジューフ
)
を脱ぎ捨てて
服装
(
みなり
)
をなほした。
ディカーニカ近郷夜話 後篇:02 降誕祭の前夜
(新字旧仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
殊
(
こと
)
に漢医書生は之を笑うばかりでなく之を
罵詈
(
ばり
)
して少しも許さず、緒方塾の近傍、
中ノ島
(
なかのしま
)
に
花岡
(
はなおか
)
と云う漢医の大家があって、その塾の書生は
孰
(
いず
)
れも
福生
(
ふくせい
)
と見え
服装
(
みなり
)
も立派で
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
美しいと云う
顔立
(
かおだち
)
では無いが、色白の、
微塵
(
みじん
)
色気も
鄙気
(
いやしげ
)
も無いすっきりした娘で、
服装
(
みなり
)
も質素であった。其頃は女子英学塾に寄宿して居たが、後には外川先生の家に移った。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
と、二人が言った時は、商家の大旦那風の
服装
(
みなり
)
の立派な見慣れない男が土間に立っていた。
早耳三次捕物聞書:03 浮世芝居女看板
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
蛍雪が姉娘のお千代を
世帯染
(
しょたいじ
)
みた主婦役にいためつけながら、妹のお絹に当世の
服装
(
みなり
)
の
贅
(
ぜい
)
を尽させ、芝の高台のフランスカトリックの女学校へ通わせてほくほくしているのも
食魔
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
へいぼろ/\したお
装
(
なり
)
で………あなたの前で申上げては済みませんが、実にひどいお
服装
(
みなり
)
、
御酒
(
ごしゅ
)
の上の悪いてえことを聞いて居りますが、
私
(
わたくし
)
は存じませんから、何だかと思って
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
華美
(
はで
)
に衣飾ることなど出来ようはずがない。で彼女は仕方なく質素な
服装
(
みなり
)
をしていた。
頸飾り
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
三津五郎の鮨売をさきに立て、半丁ほど間をおいて職人か鳶かという風体に
服装
(
みなり
)
を変えたアコ長、とど助、ひょろ松の三人がさりげないようすで見えかくれにその後からついて行く。
顎十郎捕物帳:22 小鰭の鮨
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
神田の
倶楽部
(
くらぶ
)
の二階で、エプロンをかけて、グラスを満載したお盆を持ち運ぶ時の様子とは大変な違い、第一今日は
服装
(
みなり
)
こそ至って粗末ですが、みっちゃんの顔は後光がさすほど綺麗です。
古城の真昼
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
なぜならば、小次郎の特徴であった髪や
服装
(
みなり
)
も、前とは、人違いするほど変っていて、あの前髪も刈り込み、これ見よがしな派手な
伊達
(
だて
)
羽織も、地味な
蝙蝠羽織
(
こうもりばおり
)
と
野袴
(
のばかま
)
とに変っているのである。
宮本武蔵:07 二天の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
ブルジヨア風の
服装
(
みなり
)
をしてゐるために
晶子詩篇全集拾遺
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
昇の
服装
(
みなり
)
は前文にある通り。
浮雲
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
この時になって初めてその
服装
(
みなり
)
を見ると、依然として
先刻
(
さっき
)
の鼠の衣だったが、例の土間のところへ来ると、そこには
蓑笠
(
みのかさ
)
が揃えてあった。
観画談
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
雪のなかに坐っていたのは四十二三の男で、さのみ見苦しからぬ
服装
(
みなり
)
をしていたが、江戸の人間でないことはすぐに
覚
(
さと
)
られた。
半七捕物帳:28 雪達磨
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
と
喚起
(
よびおこ
)
す袈裟治の声に驚かされて、丑松は銀之助が来たことを知つた。銀之助ばかりでは無い、例の準教員も
勤務
(
つとめ
)
の儘の
服装
(
みなり
)
でやつて来た。
破戒
(新字旧仮名)
/
島崎藤村
(著)
衣類
(
きるい
)
に脚が生えやしめえし……
草臥
(
くたび
)
れるんなら、こっちが
前
(
さき
)
だい。
服装
(
みなり
)
で
価値
(
ねだん
)
づけをしやがって、畜生め。ああ、人間
下
(
さが
)
りたくはねえもんだ。
陽炎座
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
なぜならクリストフは、疲れはて、忙しく働き、
服装
(
みなり
)
にも注意しないでいて、平素よりいっそう醜くなっていたから。
ジャン・クリストフ:05 第三巻 青年
(新字新仮名)
/
ロマン・ロラン
(著)
別に取り繕った様子もないが、さっぱりした豊かな優美さをそなえた
服装
(
みなり
)
をしていた。黒い
緞子
(
どんす
)
の長衣と同じ布の肩衣と白い
縮紗
(
クレープ
)
の帽子をつけていた。
レ・ミゼラブル:06 第三部 マリユス
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
彼の
服装
(
みなり
)
で料理店にはいるのは妙であったが、階段のところで尋ねてから呼び出してもらうという手もあった。
カラマゾフの兄弟:01 上
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
煙草も
禁
(
や
)
めよう、カッフェや倶楽部へも行くまい。
服装
(
みなり
)
だっておれは贅沢すぎる。とにかく子供には不自由をさせたかアないな。なアに、
直
(
じ
)
きに楽になるさ。
父
(新字新仮名)
/
モーリス・ルヴェル
(著)
剰
(
あまつさ
)
へ
洋襪
(
くつした
)
も足袋も穿いて居ず、膝を
攫
(
つか
)
んだ手の指の太さは、よく
服装
(
みなり
)
と釣合つて、浮浪漢か、土方の親分か、
何
(
いづ
)
れは人に喜ばれる種類の人間に見せなかつた。
菊池君
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
車を待たせておいて、用談にはいったが、人品も
服装
(
みなり
)
も卑しからぬ、五十二、三くらいの婦人であった。
墓が呼んでいる
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
これまで
私
(
わたくし
)
どもの
知
(
し
)
っている
服装
(
ふくそう
)
の
中
(
なか
)
では、一
番
(
ばん
)
弁天様
(
べんてんさま
)
のお
服装
(
みなり
)
に
似
(
に
)
て
居
(
い
)
るように
思
(
おも
)
われました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
“服装(
服飾
)”の解説
服飾(ふくしょく)とは、衣服と装飾品のこと。またそれらを身につけた装いのことを意味する。「服装」とほぼ同義で使われることもある。また衣服の飾りのことに限定して使われることもある。
服装(ふくそう)とは、衣服と装飾品などをつけた装い・身なりのことを意味する。
普段着(ふだんぎ)とは、ふだん着る衣服のこと。対して、特別な日(ハレの日)に着る衣服のことを晴れ着という。
紳士服(しんしふく)とは、成人男性の洋装のこと。婦人服(ふじんふく)とは、女性の着る衣服のこと。
(出典:Wikipedia)
服
常用漢字
小3
部首:⽉
8画
装
常用漢字
小6
部首:⾐
12画
“服”で始まる語句
服
服裝
服部
服膺
服従
服紗
服飾
服從
服喪
服織