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服装
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なり
ふりがな文庫
“
服装
(
なり
)” の例文
旧字:
服裝
彼は
固
(
もと
)
よりその人に出会う事を好まなかった。万一出会ってもその人が自分より立派な
服装
(
なり
)
でもしていてくれれば
好
(
い
)
いと思っていた。
道草
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
ふみ「お
芳
(
よし
)
や、そこ開けて遣っておくれ……
此方
(
こっち
)
だよ、此方へお這入りなさい……あらまア穢い
服装
(
なり
)
でマア、またお出でなすったね」
松と藤芸妓の替紋
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
郵便局長の奥さんの方がいい
服装
(
なり
)
をしていたなどと言われたくないだけで、そんな物のために千ルーブリも棒に振ってしまうのだ。
死せる魂:02 または チチコフの遍歴 第一部 第二分冊
(新字新仮名)
/
ニコライ・ゴーゴリ
(著)
姫は振り向いて見ると、橋の隅の欄干によりかかって、立派な
服装
(
なり
)
をしていながら、白い顔をして
顫
(
ふる
)
えているコスモが立っていた。
世界怪談名作集:16 鏡中の美女
(新字新仮名)
/
ジョージ・マクドナルド
(著)
その中にお
常
(
つね
)
さんという顔も美しくなければ三味線も達者に弾けない、
服装
(
なり
)
も他に比べて大分見劣りのする芸子が一人混っていた。
漱石氏と私
(新字新仮名)
/
高浜虚子
(著)
▼ もっと見る
夫人は娘の帽子の下に覗いている巻毛にまず眼をつけ、それから
服装
(
なり
)
を眼の一掃きで見て取った。夫人の顔には惨忍な好奇心がうねった。
巴里祭
(新字新仮名)
/
岡本かの子
(著)
そこで彼のぼろも、誰にじろじろ高慢ちきな目で見られることもなく、誰のおもわくもはばからず、勝手な
服装
(
なり
)
をして歩けたからである。
罪と罰
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
曾て帰省した時の服装を見ると、地方では奏任官には大丈夫踏める素晴しい
服装
(
なり
)
で、
何
(
なに
)
しても金の時計をぶら
垂
(
さ
)
げていたと云う。
平凡
(新字新仮名)
/
二葉亭四迷
(著)
何ゆえにああ見すぼらしい
服装
(
なり
)
をしているのだろう? そういう問題を彼は自ら提出しながら、解決ができず、いら立っていた。
レ・ミゼラブル:05 第二部 コゼット
(新字新仮名)
/
ヴィクトル・ユゴー
(著)
そこで「幸福」は貧しい貧しい
乞食
(
こじき
)
のような
服装
(
なり
)
をしました。誰か聞いたら、自分は「幸福」だと言わずに「貧乏」だと言うつもりでした。
幸福
(新字新仮名)
/
島崎藤村
(著)
何かと思って立ち止まると、そのミルク屋の中から、土工体の男が、立派な
服装
(
なり
)
をした紳士の右の手を、縄で縛って連れ出してくるのです。
若杉裁判長
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
人の輪の中に突っ立って、大声にこれを唄うチョビ安
兄哥
(
あにい
)
……ひさしぶりのチョビ安だが、その
服装
(
なり
)
がまたたいへんなもので。
丹下左膳:03 日光の巻
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
そして多くは、
服装
(
なり
)
ばかりは立派だが懐中は無一文で、漂然と村へ帰って来て、また何時しか遠くへ去ってしまうのだった。
土地
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
宝市のこの
服装
(
なり
)
で、大阪中の人の見る前で、
貴方
(
あんた
)
の手を引いて……なあ、見事丸官を
蹴
(
け
)
て見しょう、と命をかけて思うたに。
南地心中
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
腰までしかない洗晒しの筒袖、同じ
服装
(
なり
)
の子供等と共に裸足で歩く事は慣れたもので、
頭髪
(
かみ
)
の延びた時は父が手づから剃つて呉れるのであつた。
二筋の血
(新字旧仮名)
/
石川啄木
(著)
何のためにわざわざ殿下の
服装
(
なり
)
をしたのであろう? と、それは長い間の解けぬ不思議さであったが、今やっとそれにも終止符を打つ時がきた。
グリュックスブルグ王室異聞
(新字新仮名)
/
橘外男
(著)
亭主よりも四つ年上で、今年二十九になるが、商売あがりには珍らしい位にかいがいしい女で、
服装
(
なり
)
にも振りにも構わずに朝から晩までよく働く。
半七捕物帳:13 弁天娘
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
「これが資本だ、コンナ
服装
(
なり
)
をしないと相手になってくれない」と
常綺羅
(
じょうきら
)
で押出し、学校以来疎縁となった同窓の実業家連と盛んに交際し初めて
二葉亭四迷の一生
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
スマートな
服装
(
なり
)
で、立派な自家用を自分で運転して時々ドラゴンへ来るんです。女給さん達は皆大騒ぎします、百合子を羨しがらない人はありません。
青い風呂敷包
(新字新仮名)
/
大倉燁子
(著)
「さにあらず。実はやな、わいも△△興業の落語の慰問隊たらに加わって、南方へ行くことになってん。南は暑いときいたさかい、今からこの
服装
(
なり
)
や。」
わが町
(新字新仮名)
/
織田作之助
(著)
そこで伺いますが、この聖餐祭に集まっていられる、あの昔ふうの
服装
(
なり
)
をしている方がたはどなたでございます
世界怪談名作集:11 聖餐祭
(新字新仮名)
/
アナトール・フランス
(著)
魔法使いのような、きたない
服装
(
なり
)
の無愛想なお婆さんが出てきて電灯をひねったので、はじめてみんな、がやがやと
卓子
(
テーブル
)
に就くことが出来たくらいである。
踊る地平線:06 ノウトルダムの妖怪
(新字新仮名)
/
谷譲次
(著)
ヘエ、
服装
(
なり
)
ですか、
服装
(
なり
)
はもちろん襟掛けの
袷
(
あわせ
)
で、梅に小紋の
大柄
(
おおがら
)
を着、
小柳繻子
(
こやなぎじゅす
)
を千鳥に結んでおりました。
鳴門秘帖:04 船路の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
其の時、やっと、気が付いたことは、これこそ例の怪人の一人が死刑囚を殺し、其の皮を剥ぎ、
服装
(
なり
)
も一緒にこれを怪人が
着
(
ちゃく
)
しているのだという事が判った。
科学時潮
(新字新仮名)
/
海野十三
、
佐野昌一
(著)
その生徒は、約束の時間に普通の紳士の
服装
(
なり
)
をして、課業中の人の居ない廊下に這入った。帽子を探すふりをして、右から何番目かの茶の中折れに文を入れた。
東京人の堕落時代
(新字新仮名)
/
夢野久作
、
杉山萠円
(著)
以上のとおり読み終ると、
法水
(
のりみず
)
麟太郎
(
りんたろう
)
は眼前の里虹を見た。彼は今日、めずらしく渋い
服装
(
なり
)
をしている。
人魚謎お岩殺し
(新字新仮名)
/
小栗虫太郎
(著)
この
服装
(
なり
)
でマカラム街の
珈琲
(
コーヒー
)
店キャフェ・バンダラウェラの前などへ椅子を進めると、同じタミル族のくせにすっかり
英吉利
(
イギリス
)
旦那に荒らされ切っている女給どもが
ヤトラカン・サミ博士の椅子
(新字新仮名)
/
牧逸馬
(著)
「此間お
出
(
いで
)
になりましたよ。立派な
服装
(
なり
)
をして来ましたが、あれじゃ迚も物になるまいと思いました」
凡人伝
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
例えば会社へ出勤して来る
服装
(
なり
)
にしろ、みんなは銘仙程度だのに、千鶴子の羽織はいつも縮緬だ。
舗道
(新字新仮名)
/
宮本百合子
(著)
「
芬々
(
ぷんぷん
)
と香水の
匂
(
にほひ
)
がして、
金剛石
(
ダイアモンド
)
の金の指環を穿めて、殿様然たる
服装
(
なり
)
をして、
好
(
い
)
いに
違無
(
ちがひな
)
いさ」
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
服装
(
なり
)
もチャント、
準備
(
ととの
)
ったのである。夫は不思議にたえない。で、ある晩に彼女にたずねた。
頸飾り
(新字新仮名)
/
ギ・ド・モーパッサン
(著)
時々汚ない
服装
(
なり
)
の、ひとのおかみさんとも見える若い女が訪ねて来ることがあつたが、それが近所の
安淫売
(
やすいんばい
)
だつたと云ふことが、後になつて無口の女中から
漏
(
も
)
らされてゐた。
哀しき父
(新字旧仮名)
/
葛西善蔵
(著)
見ると立派な
服装
(
なり
)
をしていた。女は恐ろしそうに新三郎の顔を見たままで何も云わなかった。
八人みさきの話
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
まもなくやってきたのは、けだかい
服装
(
なり
)
をした美しい女です。びんぼう
人
(
にん
)
が用事をたのんでみると、そういう御用ならやってあげましょうと、はっきりうけあってくれました。
死神の名づけ親(第二話)
(新字新仮名)
/
ヤーコプ・ルートヴィッヒ・カール・グリム
、
ヴィルヘルム・カール・グリム
(著)
装飾電燈
(
イルミネーション
)
をつけた五階建、六階建の宏荘な
旅館
(
ホテル
)
が、整然として大通りのペーブメントに沿ってすっくりと立並んでいる。美しい
服装
(
なり
)
をした婦人達の姿がチラ/\と見えていた。
緑衣の女
(新字新仮名)
/
松本泰
(著)
夫人はここへ着いた日の
服装
(
なり
)
をしていた。——浮彫めいたビロオドの唐草模様のついた、黒っぽい重たそうな胸衣で、それが首と手とを、この世ならずなよやかに見せている。
トリスタン
(新字新仮名)
/
パウル・トーマス・マン
(著)
樫
(
かし
)
の実が一つぽとりと落ちた。其
幽
(
かすか
)
な響が消えぬうちに、
突
(
つ
)
と入って縁先に立った者がある。
小鼻
(
こばな
)
に
疵痕
(
きずあと
)
の白く光った三十未満の男。駒下駄に
縞物
(
しまもの
)
ずくめの
小商人
(
こあきんど
)
と云う
服装
(
なり
)
。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
比ぶればいくらか
服装
(
なり
)
はまさっているが、似たり寄ったり、なぜ二人とも洋服を着ているか、むしろ安物でもよいから小ザッぱりした和服のほうがよさそうに思われるけれども
号外
(新字新仮名)
/
国木田独歩
(著)
私は柳屋の娘というと
黄縞
(
きじま
)
に
黒襟
(
くろえり
)
で赤い帯を年が年中していたように印象されている。弟の
清
(
せい
)
ちゃんは私が一番の仲よしで町ッ子の群れのうちでは小ざっぱりした
服装
(
なり
)
をしていた。
山の手の子
(新字新仮名)
/
水上滝太郎
(著)
ナニ
此奴
(
こやつ
)
ら、
服装
(
なり
)
こそ
美
(
うる
)
わしけれ、金持ちでこそあれ、
高
(
たか
)
の知れたもののみである。
自警録
(新字新仮名)
/
新渡戸稲造
(著)
服装
(
なり
)
こそちゃんといい服装をしているんだが、不良少女なんて図々しいもんだな。
少女
(新字新仮名)
/
渡辺温
(著)
そのあたりを見れば兵隊が色々な
服装
(
なり
)
をして鉄砲を
担
(
かつ
)
いで
威張
(
いばっ
)
て居るから、
若
(
も
)
しも福澤と
云
(
い
)
う正体が現われては、たった一発と、安い気はしないが、
爰
(
ここ
)
が大事と思い
態
(
わざ
)
と平気な顔をして
福翁自伝:02 福翁自伝
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
この事はただちに人々の話題となり、彼女が
丈
(
せい
)
の高い立派な
服装
(
なり
)
をした色の浅黒い男と一緒に歩いているのを見たというものがあって、眼尻の下った連中に
岡焼
(
おかやき
)
半分に噂されたものである。
「マリー・ロオジェ事件」の研究
(新字新仮名)
/
小酒井不木
(著)
「まず、そのへんのところだ。……娘の
服装
(
なり
)
で青坊主では足がつくから、尼に見せかけようというので、あんな木蘭色の衣を着せて投げ込んだ。……よほど狼狽てたと見えて衣が左前……」
顎十郎捕物帳:03 都鳥
(新字新仮名)
/
久生十蘭
(著)
「この
服装
(
なり
)
で写真を撮っとくといいんだがなあきくのさん」と叔母が言うと
何が私をこうさせたか:――獄中手記――
(新字新仮名)
/
金子ふみ子
(著)
「覚えてないのか? どんな
風貌
(
かおかたち
)
の男か? どんな
服装
(
なり
)
をしていたか?」
五階の窓:03 合作の三
(新字新仮名)
/
森下雨村
(著)
彼女は二三時間前までのセエラとは似ても似つかぬ
服装
(
なり
)
をしていました。
小公女
(新字新仮名)
/
フランシス・ホジソン・エリザ・バーネット
(著)
この家の者は皆きちんとした
服装
(
なり
)
をしているのに、この子だけはほとんど裸体である。色が気味悪く白く、絶えず舌を出して赤ん坊の様にベロベロ音を立て、
涎
(
よだれ
)
を垂れ、意味も無く手を振り足を
摺
(
す
)
る。
環礁:――ミクロネシヤ巡島記抄――
(新字新仮名)
/
中島敦
(著)
私
(
わたくし
)
が
初
(
はじ
)
めてお
目
(
め
)
にかかった
時
(
とき
)
のお
服装
(
なり
)
は、
上衣
(
うわぎ
)
が
白
(
しろ
)
の
薄物
(
うすもの
)
で、それに
幾枚
(
いくまい
)
かの
色物
(
いろもの
)
の
下着
(
したぎ
)
を
襲
(
かさ
)
ね、
帯
(
おび
)
は
前
(
まえ
)
で
結
(
むす
)
んでダラリと
垂
(
た
)
れ、その
外
(
ほか
)
に
幾条
(
いくすじ
)
かの、ひらひらした
長
(
なが
)
いものを
捲
(
ま
)
きつけて
居
(
お
)
られました。
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
据えての空笑ひ『ホホホホホ、どなたかと思ひましたら助三さんでござんしたか。全くお
服装
(
なり
)
が替はつてゐるので、つい御見違ひ申してのこの失礼、お気に障えて下さりますな。御用があらば、どこでなり、承る事に致しませう。連れのお方に断る間、ちよつと待つて下されませ』
したゆく水
(新字旧仮名)
/
清水紫琴
(著)
“服装(
服飾
)”の解説
服飾(ふくしょく)とは、衣服と装飾品のこと。またそれらを身につけた装いのことを意味する。「服装」とほぼ同義で使われることもある。また衣服の飾りのことに限定して使われることもある。
服装(ふくそう)とは、衣服と装飾品などをつけた装い・身なりのことを意味する。
普段着(ふだんぎ)とは、ふだん着る衣服のこと。対して、特別な日(ハレの日)に着る衣服のことを晴れ着という。
紳士服(しんしふく)とは、成人男性の洋装のこと。婦人服(ふじんふく)とは、女性の着る衣服のこと。
(出典:Wikipedia)
服
常用漢字
小3
部首:⽉
8画
装
常用漢字
小6
部首:⾐
12画
“服”で始まる語句
服
服裝
服部
服膺
服従
服紗
服飾
服從
服喪
服織