“したく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
支度46.8%
仕度36.4%
準備13.4%
四沢1.3%
贄卓0.5%
用意0.3%
調度0.3%
一飯0.3%
子濯0.3%
思託0.3%
服装0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今日けふ江戸表御老中えどおもてごらうぢうから、御奉書おほうしよ到着たうちやくいたした。一にち支度したく三日みつか道中だうちうで、出府しゆつぷいたせとの御沙汰ごさたぢや。』と、おごそかにつた。
死刑 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
おおように姫宮の移っておいでになる前の仕度したくなども院とごいっしょになってしたような可憐かれんな態度に院は感激しておいでになった。
源氏物語:34 若菜(上) (新字新仮名) / 紫式部(著)
『十五日は、両使、増上寺へ御参詣ごさんけいの日であるぞ。諸事、準備したくはよろしいか。明十三日、高家の下検分があろう。手ぬかりするなよ』
新編忠臣蔵 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
忽然こつぜん、鼓の声が、四沢したく静寂しじまを破った。
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これはサレルノにてみまかり給ひし法皇グレゴリヨ七世(獨帝と爭ひて位をはれ、千八十五年此に終りぬ)の遺骨を收めしがんなり。その大理石像はかしこなる贄卓したくの上に立てり。
しかし人々が上陸の用意したくをするようだから、目をこすりこすり起きて見るとすぐ僕の目についたのはかまのような月であった。
鹿狩り (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
かの字港に着くと、船頭がもう用意したくをして待っていた。寂しい小さな港の小さな波止場はとばの内から船を出すとすぐ帆を張った、風の具合がいいので船は少し左舷さげんかしぎながら心持ちよくはしった。
鹿狩り (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
げ其上喜八が命乞いのちごひ首尾しゆびすまし申べし其間そのあひだ必ず/\御兩人とも短見はやまり給ふなと異見いけんをなし妻にも能々よく/\云付いひつけおき長屋の者を頼みて平兵衞は早々さう/\調度したくをなし下總しもふさの古河へぞおもむきける
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
つかはされし處せがれ忠助は稍々やう/\今年こんねん十一歳なるゆゑ伯父をぢ長兵衞は名代みやうだいとして江戸へおもむかんと調度したくなし金兵衞方に幼少より召使めしつかひし直八と云者萬事ばんじ怜悧かしこくなるに付き之れを召連めしつれ鴻の巣を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
いまとほつてた。あの土間どまところこしけてな、草鞋わらぢ一飯したくをしたものよ。爐端ろばた挨拶あいさつをした、面長おもながばあさんをたか。……時分じぶんは、島田髷しまだまげなやませたぜ。
雨ふり (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
かの庾公ゆこう子濯したくを追った故事もご存じであろう。大丈夫は信義をもって重しとなす。この人生にもし信なく義もなく美というものもなかったら、実に人間とは浅ましいものではあるまいか
三国志:08 望蜀の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
これは鑑真が唐から六回も企てた渡航で、しかも船中で失明するほどの苦難を経て日本に来た時の百八十幾人かの随伴者の中の思託したくという唐僧の作とされている。
本邦肖像彫刻技法の推移 (新字新仮名) / 高村光太郎(著)
蔵前くらまえふうの丸曲髷まるわまげに、曙染あけぼのぞめ被布ひふをきて、手に小風呂敷をかかえている——、で、二、三日前とは、すっかり服装したくが違っているので、ヒョイと見違えてしまうけれど、それはまぎれもないお綱の変身。
鳴門秘帖:02 江戸の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)